休日の朝の話現パロ設定
現代の日本みたいな所。まだまだ宇宙に行けない科学力だし戦争もしてないよ。
登場人物
アーノルド・ノイマン 29歳
大学で出会ったチャンドラと8年間ルームシェアしている。普通の会社員。平日も休日も目覚める時間は同じタイプ。
ダリダ・ローラハ・チャンドラII世 28歳
大学で出会ったノイマンと8年間ルームシェアしている。フリーランスのプログラマー。在宅勤務
寝汚い。平日は爆音の目覚ましで起きている。
アルバート・ハインライン 30歳
行き倒れている所をノイマンに保護されチャンドラに餌付けされたため2人に懐いた。
凄く良いマンションを借りているのに週5でノイマンとチャンドラのアパートに通って食事をしている。食費は払っているし、コノエに言われたので手土産もちょくちょく持っていっている。
超大手企業の開発員。特許をいくつか持っている
アレクセイ・コノエ 42歳
ノイマンとチャンドラのアパートの近くにある喫茶店のマスター。ノイマンとチャンドラは常連さん。アルバートとは親戚(弟の義弟)
アルバートに良い友達が出来て嬉しいし、3人の来店も凄く嬉しい。
「チャンドラ、起きろ!」
本日快晴、そして休日。絶好の洗濯日和であった。前日からチャンドラには明日シーツを洗って布団も干すと宣言はしていたのだが、はやり彼は起きて来ない。
フリーのプログラマーとして在宅で仕事をしているチャンドラではあったが、土日は休みと決めている様で、その休みを得るため金曜日は夜遅くまで作業をしている事が多かった。それも分かっていたので8時までには起きて欲しいと頼んだのだが、現在時刻は9時である。ノイマンは痺れを切らしてチャンドラの部屋へと押し入る事となった。
引き戸を開ければチャンドラはアイマスクをつけベッドの上で気持ちよさそうに眠っていた。
「起きろって!」
「……うーん」
一応の返事はあるが、起きる気配は一向に無かった。
「アルバート、手伝ってくれ!」
今日もノイマンとチャンドラの家に朝から居る(と言うか今日は昨日の夜から居る)ハインラインに声をかける。タブレットで何か作業をしていたハインラインは最近の定位置であるソファーから立ち上がりこちらへ向かってきた。
「どうすればいいんですか?」
「両足を持って欲しい、俺が脇を持つから、浮かせてソファーまで運ぶ」
「わかりました」
そんな事を真上で言われているのにやはりチャンドラは起きなかった。ハインラインは可哀想なものを見る目でチャンドラを見た後、足首に手をかけた。ノイマンも脇に両腕を入れる。
「せーの!」
「……うぅっ」
ノイマンの掛け声でチャンドラが浮いた。彼は呻き声をあげたが構わずソファまで運びそのまま雑に下ろす。チャンドラはソファーの上で身じろぎしたが収まりの良いところを見つけたのだろう、そのまままた眠りについた。
チャンドラにソファーを奪われたハインラインは座椅子に移動した。
そんな様子を見ながらノイマンはチャンドラベッドのシーツと枕カバーを手早く外し、ついでに上掛けも持ち洗濯機へ向かった。すでに洗い終わっているノイマンのシーツなどを取り出し代わりにチャンドラのものを入れまた洗濯機回す。
10時には洗い終わるから今日中には乾くだろう。
洗い終わったシーツなどが入ったカゴを持ちリビングへ戻る。
「アーノルド、手伝いましょうか?」
「助かる。そうしたらチャンドラの敷布団持ってきてくれるか?」
「わかりました」
ベランダでシーツを干しているとハインラインは言われた通り敷布団を持って来てくれた。
それを受け取り既に干してあるノイマンの敷布団の横に並べる。
ここで一息つきたい所だが、掃除機もかけてしまいたい。ベランダからリビングに戻ったノイマンはその足で掃除機を取り出し、まずは自分の部屋に向かった。廊下、キッチン、チャンドラの部屋続け様に掃除機をかけ、リビングへ向かえばハインラインは座椅子の上からダイニングの椅子へ避難した。リビング、ダイニングにざっと掃除機をかければノイマンの今日の目標は達成である。
掃除機を止め今度こそノイマンは一息つこうとキッチンに向かいコーヒーを入れ始めた。
「アルバートもコーヒーいるか?」
「頂きます。しかしダリダは良くこの中寝ていられますね」
ハインラインが避難していたダイニングの椅子からそんな事を言った。
「昔から寝汚いんだよな」
布団を干したり掃除機をかけたり、寝るには煩いだろうにチャンドラはそれでもまだソファーで寝ていた。
「大学の講義はいつも遅刻ギリギリだったし、何年か前にこの辺りも凄く揺れた地震があっただろう?緊急速報も鳴って、俺は慌ててリビングまで出て来たのにこいつは寝てた」
「あの地震結構大きかったですよね。…そんなに?」
「すごいよな」
コーヒーを飲みながら他愛無い話をしていると、ピーピーと洗濯機が洗濯の終了をを告げる。その音を聞きノイマンはコーヒーを飲み干すとカップをキッチンのシンクに置き、洗濯機に向かう。シーツを回収し、今度はベランダに向かうとチャンドラのシーツを干していく。
「…よし」
ベランダでなびくシーツを見たノイマンからは達成感からだろうか自然に笑みが溢れた。
「今日昼飯どうする?」
「いつも通りアレクセイの所に行きましょう」
ベランダからリビングに戻りつつハインラインに声をかけると想像通りの答えが返って来た。
休日の昼食をコノエの喫茶店で食べるのはもう毎週恒例の様になっている。迷惑にならないかと心配していたが、コノエ自身に「君たちなら大歓迎だよ」と言われてからは遠慮せず通っている。
時刻は10時を回った所である。11時過ぎには家を出たいのでチャンドラの身支度の事を考えればもうそろそろ彼を起こさなければ。
「おいチャンドラ、いい加減起きろって!」
「眠れるのは若い証拠ですが、寝過ぎでしょう!」
2人で声をかけ、体を揺すったりした事でやっとチャンドラは体を起こした。そしてアイマスクを外す。
「……うー、眩しっ。ノイマン、サングラスとってぇ」
言われる事を分かっていたのかノイマンは既に手に持っていたサングラスをチャンドラに渡した。
「おはよう…。あれ、なんで俺ソファーで寝てるの?」
「…本当にこんな感じなんですね」
「すごいだろ?」
「なんの話?」
チャンドラは大きく伸びをした。
「ほら、アレクセイの所に昼、…貴方には朝食かもしれませんが食べに行きますよ」
「お前の準備が出来次第行くからな、早くしろよ」
「…今起きた所なんだけど」
チャンドラはそう文句をこぼしつつも洗面所に向かった。
「どれくらい掛かりますかね?」
「1時間弱ぐらか?早めには起こしたし気長に待とう」
「そうですね」
ハインラインはタブレットを持ち出しソファーに座ってまた作業を始めた。
ノイマンも自分の部屋から読み差しの本を持ってきてハインラインの隣に少し間を空けて座る。
まさに休日という時間の流れをチャンドラの身支度が終わるまでの間ノイマンは存分に楽しんだ。