「獄さん!ねこさんって、はちみつは大丈夫っすか!?」
「……は?」
「碧棺さんがはちみつ欲しがってるんすけど、はちみつ食べさせて良いのかわからなくて」
もだもだと話すのはいつものことだが、にしたって情報過多で溺れそうだ。一瞬、碧棺がねこを拾ってきたのかと思ったが、それなら空却が対応するはずだ。そこに気付くと、疑問は増す。というか、寺に着いて早々、何の洗礼だ。
「クソ坊主はどうした?」
「ねこさんに齧られてるっす」
「碧棺は?」
「空却さんを齧ってるっすね!」
わからん。二人のところへ行って聞くのが早いと判断し、灼空さんに挨拶してクソ坊主を探した。十四が二人といたのは庭だったようだが、移動してしまったらしく見当たらない。せっかく仕事の目処をつけて駆けつけたのだ、ツラくらい見せろと思うのは普通だろう。
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