冬の星空と僕の恋人くったりした土方さんの身体を簡単に清め、情事に火照った頭を冷やすため、スウェットとフリースジャケットを着込んでベランダへ出た。冬は空気が澄んでいて、夏よりも星がよく見える。空気が汚いとか街の光が強すぎるとか言われていても、本当に美しいものはそんな試練に負けず僕らの許へ届くのだ。
遠い遠い恒星が何百年、何千年も前に放った光のことを考えていたら、突然視界が白くけぶった。
「わっ」
驚いて振り返れば、スウェットの上にカーディガンを羽織った土方さんが、煙草を手に立っていた。
「どうした、変な声出して」
僕はとりとめのないことをコンパクトに言語化しようとして五秒考え、諦めた。その代わり、
「身体、大丈夫ですか? どこか痛くないです?」
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