和パロリンゼル【救いは 誰がために~後編~】穏やかな風が吹いていた。
遠くの方で、風車がゆっくりゆっくりと回っているのが見える。
のどかな景色の中で、青年は畑を耕していた。
何度も何度も土に鍬を入れ、泥にまみれた手で額に滲む汗を拭う。
作業も一段落し、少し休憩を入れようかと思っていたところで、遠くから青年を呼ぶ声があった。
「おぉおーーーい」
大袈裟に手を振ってこちらに向かってくるのは、体格も大袈裟なくらいデカイ、岩のような大男だった。
「おぉ、今日も精が出るな。すまねぇ、邪魔しちまったか?」
「ううん、今からちょうど休憩しようかと思ってたところ」
彼は青年がここに来た時からなぜか青年の事をいたく気に入り、そこから何かと色々面倒を見てくれる、大層世話になっている人物だ。
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