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    フジワラ

    @wt_0014
    WTじんあら派の19歳組箱推し🥳
    拙いですが、溢れるパッションから漏れ出た物をそっと置いています。

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    フジワラ

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    夏の終わりにギリ間に合わせた、お付き合い済みのハッピーじんあら🥳
    タイトルは思いつかなかったので、そのまんまです!

    今年の夏は…たくさんじんあら書きました!💙❤️🥰

    #迅嵐
    swiftashi
    #迅悠一
    xunyuichi
    #嵐山准
    arashiyamaJun

    夏の終わりの線香花火 夜でもまだ残暑が続く暑さだが、なんとなく感じる風や遠くから微かに聞こえる虫の音に夏の終わりを感じるなと、ぼんやり思う。
     お盆も終わり、八月がもう終わろうとしている。暑さは残っているが、すでに秋に向かっていることを思いながら嵐山は自宅への帰り道を歩いていた。
     夏も終わる……、そう思いながら夏のイベントを思い浮かべる。海、プール、キャンプ、花火大会、夏祭り……いろいろある夏のイベントだが、残念ながら今年はどれも満足にできていない。ボーダーでの任務や広報のイベント、そして大学生としての本分である勉強などに追われて、いつの間にかそのイベントを楽しむタイミングを逃してしまっていた。
     ……まあ自分も忙しかったのだが、なによりもそんなイベントを一緒にやりたかった相手、恋人である迅悠一も嵐山に負けず劣らず多忙だったようで、このままなにもできないまま夏が終わりそうな予感がする。
     そんなことを思ったからだろうか、ぼんやりと最近電話だけで迅と顔を合わせていないな、会いたいなと思い、息をついたときだった。
    「よ。お疲れ様」
    「……迅?」
     嵐山の自宅近くの公園の入り口、車止めに腰掛けていた迅が片手を上げてこっちを見ていた。
    「いつから……?」
    「ん? さっきだよ。ここをこの時間におまえが通るのが確定していたからさ」
     迅へ駆け寄ると、迅はそう言いながら足元のビニール袋からペットボトルのお茶を差し出す。差し入れと言われて差し出されたペットボトルを受け取ると冷たかったので、買ってきてからそんなに時間はたっていないのだろう。迅の「さっきここに来た」と言う言葉は嘘ではないとわかり、ずっと待たせていたわけではないことに安心したように嵐山は息をついた。
     迅はいつもの隊服ではなく、Tシャツとハーフパンツにサンダルの私服の姿だ。任務や暗躍帰りでもなく、わざわざプライベートな時間に自分に会いに来てくれたということだろう。
    「連絡くれたら良かったのに」
    「んー……連絡入れたらおまえ走って来そうだったし」
     迅に会えるとわかっていたらそりゃ走って来るさと言うと、おまえ本当そう言うとこだぞ……と迅が眉をしかめた。眉をしかめているが、これは迅の照れ隠しなのだと嵐山はわかっているので、嬉しそうに頷きながらもらったペットボトルのお茶を飲む。
    「今年の夏はさ、お互い忙しくて夏らしいこと全然できてなかっただろ?」
     先ほどまで思っていたことを迅が口にしたので、嵐山は思わず飲んでいたお茶をゴクンと勢いよく飲み込んでしまい、その勢いで若干気管に入ってむせてしまった。そんな嵐山に驚きつつ、迅は「大丈夫?」と背中をさすってくれる……この様子から、別に迅が嵐山が思っていたことを知っていたというわけではなさそうだ。
    「ごほっ……、すまない。続けてくれ……」
    「あ、ああ、うん。なんか、なんにもできないまま夏が終わるのももったいないなーと思いまして……」
     再びビニール袋から取り出したものを迅は嵐山の目の前に掲げる。
    「じゃーん!」
    「……線香花火?」
    「正解。この前玉狛でお子様たちと花火をやったとき、やり忘れたらしくてこれだけ、まるっと残ってたから貰ってきちゃった。一緒にやんない?」
    「……やる!」
     ぐっと迅の方へ身を乗り出し、嵐山は力強く頷く。そんな嵐山に笑いながら迅はじゃあやろうか? と言って公園を指差した。
     ふと迅の足元を見ると、先ほどのビニール袋の後ろにはちゃんと小さめのバケツとライターが用意されていた。公園には水飲み場もあり、バケツに入れる消火用の水も用意できる。
     最近では公園で花火はしてはいけないのだろうが、通常の手持ち花火やロケット花火なわけでもないし、子どもではなく大人二人がささやかに線香花火をやるくらいは大目に見てもらえるだろう。
     ……なにしろこちらは未来視のサイドエフェクト持ちがいるのだ、なにか危険があったり警察の巡回に引っかかったりするのが視えてなく問題がないからこそ、迅はこうやって誘ってくれているのだと嵐山は解釈した。
     
    「結構数あるな?」
    「今年は後輩たちも増えたからね。奮発してお得用パック五個も買っちゃってさ。小南が線香花火は最後にやるもんだって言って最初にまとめてよけておいたんだけど、最初っから打ち上げ花火とかではしゃぎまくって……力尽きて最後の線香花火にたどりつけなかったんだよ」
    「それは……楽しそうだな」
     玉狛での花火をやる姿がなんとなく目に浮かび嵐山は笑った。そしてなによりもその様子を思い出しながら楽しそうに話す迅の様子が嬉しかった。
    「まあ、そのお陰でおれはおまえとこうやって花火ができるんだけどね」
    「……うん」
     迅が楽しそうに笑った表情から、優しげに目を細めて線香は花火を見る姿に嵐山はそっと息を飲む。
     そのせいか嵐山の持っていた線香花火がポトリ、と地面に落ちた。
    「あ……」
    「ざんねーん。ほい、次」
     笑いながら迅は次の線香花火を嵐山に差し出す。それを受け取り持ち手部分をつまむと、迅が自分の持っている線香花火を嵐山の方へ差し出した。なにも言っていないのに、自分の花火の火を分けようとしてくれている迅に嵐山は微笑み、迅の花火の火球へ自分の線香花火をそっとくっ付ける。
     ……パチ……パチ、……パチパチ、とゆっくり静かに嵐山の線香花火に火が付いて、火花が散り始めた。
     次は迅の線香花火が燃え尽きて、迅は次の線香花火を手に取る。先ほど迅がやってくれたように嵐山は無言のまま自分の線香花火を迅へ差し出し、迅も嵐山の花火の火をもらい自分の線香花火に火を付けた。
     そんなやり取りを互いに無言のまま何度か繰り返す。
     言葉のない沈黙のやり取りだったが、居心地の良い沈黙と時間だった。
     きっと家族で花火をしたら妹弟と賑やかに過ごしただろうし、同学年の友人たちとやったらもっとはしゃぎ騒いで過ごしていただろう。
     こんなふうに静かに、そして優しい時間を過ごせているのはきっと迅と二人でいるからだとぼんやりと思う。
    「綺麗だな」
    「そうだね」
    「前に佐補や副と誰が一番長持ちさせるか競争したことがあるんだ」
    「ああ、おれもやったな。小南が勝つまで付き合わされた」
    「俺たちもやろうか?」
    「お、いいよ。実力派エリートに挑むとはいい度胸だ」
    「ははっ、線香花火にエリートとかあるのか?」
     ポトリ、と迅が持っていた線香花火の火球が落ちて終わる。
     ひとまず二人の持っていた線香花火が終わり、二人の間に明るさが失われた。その中で迅が再び手にした線香花火の一本を嵐山へ渡す。
     線香花火を受け取りながら、嵐山は以前妹や弟と調べた線香花火を長持ちさせるコツを思い出していた。
     確か、一つは「玉」の根本を捻ること。そう思い浮かべてそっと火薬の詰まっている「玉」部分の根本を捻る。
     もう一つは持つ角度。そして最後は火をつける部分を最小限にすること。
     シュボッ、と迅が付けたライターに二人とも同時に手にしていた線香花火を近づける。
     長持ちさせるコツは確かこの三つだった。
     ライターの火に照らされた正面にいる迅の顔を見て、嵐山は思う。
     勝つためにもうひと押しするもの……。
     ……パチ、……パチパチと二人の線香花火から火花が勢いよく弾け始めた。
     無言のまま互いの線香花火を二人は見つめる。
     嵐山はそっと自分の線香花火から視線を正面の迅へ移す。迅は相変わらず優しい表情で自分たちの線香花火の火花が弾けているのを見つめている。
     線香花火の火花が大きく弾けていたのが次第に垂れ下がり始め、やがて勢いがなくなりパチパチと火花が火球の周りで細かく弾けだす。ここからどれだけ長持ちさせられるかが勝負になる。
     このタイミングだ。
     そう思って、嵐山はそっと身を乗り出した。
    「……え」
     身を乗り出した嵐山に気付いて迅が線香花火から目を離したのと同時だった。
     嵐山の唇がそっと迅の唇に触れる。
     触れただけで、すっとすぐに離れたが迅は驚きのあまりに固まっていた。
    「あっ」
     迅は固まっていたが、嵐山が身を乗り出したときに互いの線香花火が触れてしまったらしい。二人の線香花火の火球がくっ付きひとつになってポトリ、と地面に落ちてしまった。
     迅の意表を突くことはできたが、手元までは見ていなかった……初歩的なミスだったなと嵐山は残念に思いながら、いまだに固まっている迅を見る。
    「……えっと、いつも聞いている気がするんだが……、視えてなかったのか?」
    「……視えてたよ! でもこんなタイミングだななんて想像もしていなかった!」
     嵐山の言葉に我に返った迅が、両手で顔を覆いながらそんなことを言う。
     視えていたのに? と嵐山が首を傾げると、恨めしそうに迅は指の間から嵐山を見た。
    「うう……そうだよ、おまえと線香花火していたらちゅーできるのが視えたから……だから、余っていた線香花火のこと思い出しておれはここにきたのに! 全然そんな雰囲気にならないから……まあ、どっかで分岐を間違えたかな? まあ楽しいからいいやって思っていたのに……雰囲気も予告もなにもなしに急に……。ちくしょー……そうだよ、おまえはそういう奴だよ……」
     未来視を超えてくるなよー……、おまえは本当にもー……と迅はぶつぶつ言いながら、すでに火球部分を失ってしまった線香花火をバケツの中に入れる。
     そんな迅がおかしくて嵐山は思わず声を出して笑った。
     残念ながら線香花火の勝負は引き分けになってしまったが、それ以上に迅の予想を上回ったらしいのでそれだけで嵐山は十分に満足だ。
     いつまでも笑っている嵐山を不服そうに見ながら、いつまでも笑うなと嵐山の肩を軽く迅が叩く。
    「……で、嵐山さん。もうひと勝負いかがですかね?」
     迅が二本の線香花火を差し出しながらニヤリと笑いながら、そう言う。まだ込み上げてくる笑いをなんとか収めつつ、嵐山は差し出された線香花火の一本を受け取り、ニッと笑う。
    「受けてたとう」
    「覚悟しとけよ」
     そう言い合って、再び迅が持つライターの火を互いの線香花火に付けた。
     「玉」の根本を捻ること、火を付ける範囲、持つ角度、そして……パチパチと弾ける火花の小さな音を聞きながら視線をあげると同じタイミングで迅と目が合った。
     目が合って……ふっ、と迅が微笑んだと同時にお互いに顔を寄せ合う。
     お互い目を伏せて唇が触れたとき、手元の線香花火の火球も同じようにくっつき合う。
     二つの線香花火の火球が一つになり、大きくなった火球から弾ける火花、その明かりに照らされながら二人の口付けは続いた。
     
     この線香花火が終わるまで……。
     どうか一秒でも長くこの線香花火が、口付けが続きますようにと願いながら……。
     
     ***
     
    「あれ? ここにあった線香花火知らない?」
    「ああ、迅が持って行ったぞ」
    「迅が? 迅、今日は休みだったんじゃない? 一日ゴロゴロしてるって言ってなかった?」
    「夕方に勢いよく部屋から出て来て、勢いよく線香花火を持って飛び出して行ったな」
     
     バケツを片手にご満悦な表情で迅が玉狛に帰宅したのはそれからしばらくたってからだった。
     


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    フジワラ

    DONE秋のじんあらでお月見🎑をテーマに書いてみました。

    秋の行事がなぜか芋掘りしか思い浮かばなかったんですが……🌸さんが「お月見」っていう素晴らしき行事を…しかもそのテーマをくれると言ってくれたので「うっほお!書く書く!」ってなっていたんですが…なんだかんだでこんなに遅くなってしまいました…。雪降りだしちゃったよ……。
    でも、せっかく書いたのでそのままアップしちゃいます~。

    2024/11/25
    「お、とっきー。いいとこで会った」
    「迅さん」
     本部の廊下にて、隊室に戻ろうと一人歩いていた時枝の後ろから迅が声を掛けてきた。
    「嵐山さんなら隊室ですよ」
    「いやいや、これから防衛任務でしょ。だからさ、伝言頼まれてくれない?」
     手にしていたぼんち揚を時枝に差し出しながら、迅はそう言った。
     
     
    「そろそろ時間だな。綾辻」
    『はい、辺りに門の反応はありません。もうすぐそちらに引き継ぐ隊も到着します』
     夕方から夜にかけての防衛任務が終わる時間、インカム越しの綾辻からの言葉に嵐山は頷く。
    「よし、じゃあ今日はこれで終わりだな」
     すっかり日が暮れて暗くなってしまっている時間だ。嵐山は自分がもうすぐここに来る隊に引き継ぎを行うために残るので、時枝と佐鳥に女性陣の木虎や綾辻󠄀を送っていくように指示を出す。
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    MOURNING初のイコプリSS。大半が十九歳。関西弁は空気で読んでください。 付き合ってからと言うもの、王子は事あるごとに生駒に好きを伝えたがる。
    「好きだよ、イコさん」
     時も場所関係なく伝えられる言葉に、生駒は不思議そうに尋ねたことがある。
    「なんや、王子、どないしたん?」
    「うーん、何でもないよ。ただ言いたいだけ」
    「それなら、ええ」
     にこにこといつもと変わらない笑顔を張り付けて、王子は生駒に言う。生駒は、本当にそうなら問題ないな、と頷いた。
     
    「で、今も続いてる、と」
     生駒から経緯を聞いていた弓場は、片眉を器用に持ち上げて嫌そうな表情をした。
    「そうや」
     生駒はいつもと変わらない表情で弓場の問いに答えた。
     日差しの気持ちよい午後、ボーダーのラウンジの一角に何故か十九歳組が集まり、何故か近況はどうなのかと言う事になり、何故か、王子と付き合っている生駒の悩み相談が開始された。
    「王子も可愛いところあるじゃないか」
     嵐山が、どこが悩みなんだ? と不思議そうに言う。
    「いや、何回も続くと生駒も鬱陶しいんじゃないのか?」
     嵐山の問いに柿崎が答える。
    「いや、そんなんないな」
     生駒は、当たり前だと言うように柿崎の言葉を否定した。
    「ないのかよ」
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