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    beedaydreams

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    xicheng phantom of the opera

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    takami180

    PROGRESSたぶん長編になる曦澄その2
    浮かれっぱなし兄上
     どうしてこうなった。
     江澄は頭を抱えたい気分だった。今、彼は舟に乗り、蓮花塢への帰途にあった。そして、向かいには藍家宗主が座っている。
     川の流れは穏やかで、川面は朝陽にきらめいている。豊かな黒髪を風になびかせながら、藍曦臣はまぶしそうに目を細めた。
    「江宗主、あちらにいるのは鷺でしょうか」
     江澄は答えずに疑いの目を向けた。
     これが本当に食事もろくに摂らず、叔父と弟を嘆かせていたとかいう人物と同一なのだろうか。
     昨日、あの後、雲深不知処は大騒ぎとなった。とはいえ、家訓によりざわめきはすぐにおさまったのだが、藍忘機と藍啓仁を筆頭に誰もが戸惑いを隠せずにいた。
    「叔父上、お許しください。私は蓮花塢に赴き、江宗主に助力したく存じます」
     いや、まだ、俺はいいとは言っていないのだが。
     藍啓仁を前にきっぱりと言い切る藍曦臣に、江澄ははっきりと困惑の表情を浮かべた。これは口を挟んでいいものか。
     そのとき、背後から肩をたたく者があった。
    「江澄、何があったんだ」
    「俺が知りたい」
     江澄は即座に答えた。魏無羨は肩をすくめて、顎をしゃくる。
    「沢蕪君が姿を見せたのは半年ぶり……、いやもっ 2059

    takami180

    PROGRESS長編曦澄12
    おや兄上の様子が……?
     金鱗台で清談会が開かれる。
     その一番の意味は、新しい金宗主を筆頭にして金氏が盤石であると、内外に知らしめることである。
     江澄はそのために奔走していた。
     今回ばかりは金凌が全面的に表に立たねばならない。彼を支えられる、信頼に足る人物をそろえなければいけない。なにより江澄が苦心したのはそこだった。
     おかげさまで、金光善の時代に金氏を食い物にしていた輩は、金光瑶によって排されていた。しかし、今度は金光瑶に傾倒する人物が残されている。彼らに罪はない。しかし、金凌の側に置くわけにはいかない。
     江澄が目をつけたのは金深微という人物であった。金光善、金光瑶と二人の宗主の側近として職務を果たしてきた仙師である。すでに白頭の老仙師だが、その分見識は深い。
     彼を第一の側近として、その周囲を金凌の養育に関わってきた者たちで囲む。金光瑶の側近でもあった彼が中枢にいれば、派閥の偏りを口実にした批判は潰せる。
     金深微は忠実に黙々と実務に勤しむ。それは宗主が誰であろうと変わらない。そのような彼に信頼が置けるからこそ採用できた布陣である。
     金宗主として宗主の席に座る金凌を、江澄は江宗主の席から見上げ 4006