みつやくん誕(フライング) それは情事のようだった。
さらけ出した喉に貪りつく。時折甘い吐息が洩れ、互いに縋り付く。
集会後、姿を消した二人を探してそれを目撃してしまったマイキー達はギョッとして固まった。
が、
「タケミっち何してんの!?」
いち早く正気に戻ったマイキーが二人を引き離した。
ばつが悪そうな武道と涼しい顔の三ツ谷。
武道が噛みついていた首筋には絆創膏が貼られている。
デキていますが何か、みたいな優越感を隠さない三ツ谷の態度にマイキーを筆頭に若干イラっとしていた。
「オレ、実は先祖返りの吸血鬼で…」
武道はいきさつをぽつぽつと語りだした。
事の始まりはとある満月の夜、コンビニに買い物に行ったら不良ではなく通り魔に出くわしてしまった。フードを被った男はナイフを突き出し武道に向かって駆け出してくる。
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