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    k_mikaru

    @k_mikaru

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    k_mikaru

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    ドの焼印の話。
    でももしかしたら彼を縛っているのは焼印ではないのかもしれない……ということを書きたかったが能力がついてこなかったので放流。

    ある雨の日と彼の枷ピリッ
    小人の針に刺されたような幻の痛みに思わず手首を押さえて目が覚めた。
    やっとうとうとしかけたところだったのに。
    弱々しく息をつく。
    宮殿の窓は、相変わらずの豪雨でやかましく鳴っている。そう、雨だ。雨の日は、痛む。
    押さえられた右手が、ぴくっと痙攣する。まるで、目を逸らすなと嘲笑うみたいに。もうおれの体ではないのだと、突きつけられるようだった。

    つきり。
    痛む。

    左手の覆いをこわごわ外す。右手首の内側に、ドフラミンゴの焼印が引き攣れた姿で嗤っている。
    これは、おれの枷。おれの意思で嵌めた、おれを縛る枷だ。

    ドフラミンゴに幽閉されて、体も心も弱りきって、そこに垂らされた糸。それは、恩人の命がドフラミンゴの元にあるという希望だった。おれは縋りついた。彼を殺させないためなら、自分の体だって心だって明け渡してみせた。そうしてもう何年も、おれは暴虐の王の寝室にいる。

    毎年、おれが枷を嵌めた夏のある日に、おれは男に犯される。目隠しをされて何も見えず、口枷をされて何も話せず、手枷をされて自由に動けない体を、何も話さない大きな男に犯される。その日だけが、おれを生かしている。
    なぜなら、その男はいつも、手紙を置いていってくれるのだ。無地のハガキに育ちの良い字で、おれを労わり慈しみ、謝罪の言葉を綴った短い手紙。最後はいつもこうだ。ごめんな、愛してる。







    ……未完放流!
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    k_mikaru

    DOODLEスモへの片思いを終わらせようとした日にチェイさんに捕まってしまったロなチェイロ。
    ※チェイさんについては、英語版サイトをざっと読んだあと、英語版二つ名を勝手和訳しましたので完全捏造です。よしなに!
    チェイロ「隣を失礼」
    聞き慣れた声が右隣からして、ローはグラスを見つめていた顔をバッと上げた。驚いたのだ。その声がしたことにではない。馴染んだ声の主が知らない気配をさせていたからだ。
    「白猟……屋?」
    ローの片恋相手の、白猟のスモーカー。男はスモロに瓜二つだった。だがローは騙せない。
    「……じゃねぇな。お前、何だ」
    正体を見抜こうと、月の瞳がキロリと光る。常人ならすくみ上がる億越え賞金首のひと睨みを、男はグラスを差し出すことで躱してみせた。
    「チェイサー。“煙の猟犬”、名前の通り海軍の犬だ」
    「チェイサー」
    ローがおうむ返しすると、チェイサーと名乗った男は律儀にこっくりと頷く。その流れでグラスをさらに少し寄せられて、ローは自然とそれを受け取っていた。澄んだ琥珀色の液体に、まん丸の氷が光っているロックグラス。一目で高価と分かる一杯に思わず目礼をする。チェイサーが口の端だけで微笑んだ。どういたしまして、とでもいうのだろうか。スモーカーの笑顔は貴重だ。あいつも、これくらい素直に笑えばいいのにとふと思う。あいつはいつも、おれを見る時にはキツく眉根を寄せている。話しかけても言葉少なに立ち去られてしまう。好かれていないことくらい、分かっていた。
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