君の恋人になりたい 俺、虎杖悠仁は、五条先輩の事が好きだ。どのくらい好きかというと、告白をして「セフレならいいぜ」と言われても喜んでうん、と返事ができるくらい、「10時にラブホ」とだけ書かれたメールに舞い上がってすぐに行くって返事をしてしまうくらい、好きだった。
そう、致命的に俺は五条先輩が好きだ。五条先輩が合格した大学に、俺も合格したい、という思いでずっと貯めていたバイト代を使い進○ゼミに先月から加入した。
なんと今の進○ゼミには大学生の先生と勉強の計画を立てたり相談ができるらしく、俺も早速それを利用している。毎日先生からの連絡を待ち、今日の計画ができたらそれをやりこなす。先生から真面目でいい子だね、と褒められたりして少し嬉しかった。
「ふふっ。」
「おいゆーじ、フェラ中に何笑ってんだよ。」
先日先生から褒められた事を思い出しつい笑ってしまった悠仁に悟が苛立つように頬を叩く。慌ててごめんなさい、と謝罪をしようとした悠仁の頭をガッと掴むと勢いよく悠仁の喉奥まで突き、悟はハァとため息を吐いた。
「集中しろよ、悠仁。」
「んぶッ♡おごッ、♡ぶぅ♡う゛♡」
喉奥をつかれるたび鼻いっぱいに悟の陰毛がざりざりと当たる。この独特な匂いと、段々と悟の表情に余裕がなくなっていく姿を見るのが悠仁は好きだった。
「んごッ♡♡ン♡ごぉッ♡お♡」
「ッ悠仁、出す、ぞッ、」
ビュルルルル〜〜〜〜〜ッ♡
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ♡♡んごぉッ♡ぉぇ♡」
悠仁は口内に出された悟の白濁を口いっぱいに溜め込むと、パカリと口を開けてそれを悟に見せる。ン、と悟がそれを見て言うと飲み込め、という合図だった。悠仁は悟の白濁をごくりと飲み込むとハァ♡と淡い息を吐く。その後いつもならお掃除フェラをするのだが、始めようと思ったタイミングでブーッと悠仁の携帯に通知が入る。
(先生からだ……!)
急いでスマホを取り確認すると、先生から今日の進歩はどうだったか、という確認の連絡がきていた。
(今日も計画通りに勉強が終わりました、っと。これでよし。)
悠仁が嬉しそうにそう返し携帯を置いて悟の方へ向くと、そこには不機嫌そうな顔をした悟がいた。
「……誰だよ。」
「五条先輩には関係ないじゃん。」
どうしたのだろうか。今まで途中で先生に返信をしても不機嫌になることも、こうして問われることもなかったのに。慌ててああ言ってしまったけど、本当は少し気にしてくれたことが嬉しかった。
「ふーん、ま、いいけど。」
「あれ、五条先輩もう帰るの?」
「気分悪りぃから帰る。」
悟はそう言うとベットから立ち上がり洋服を着て、部屋からそそくさと出て行ってしまった。本当に、どうかしたのだろうか。一人残された部屋で暫く考えるが、悟の考えていることなど分かるはずもなかった。
だけどその日から、何故か五条先輩の様子がおかしい。
前々から五条先輩の誘いを断ることは何回かあった。今回もまだ先生が立ててくれた計画をこなせていなかったから五条先輩からの誘いを断った。
すると何分か経った後、玄関からドンドンッと音がする。居間で勉強をしていた悠仁がシャーペンを置き慌てて出ると、そこには悟が立っていた。
「え!?五条先輩!?どうしたん?」
「……なんで断ったんだよ。」
「ぇ、それは、その、」
悟の合格した大学に自分も合格したいからだと言ったら重過ぎて嫌われてしまうかもしれない。それは、嫌だった。
「とにかく部屋入らせろ。」
「む、無理ッ!」
悟が無理やり悠仁をおしのけ部屋へと入ろうとするが、部屋には勉強道具が広がっている。ダメだ、バレてしまう。悠仁は力を振り絞りなんとか抵抗して入らせないようにするが、それに余計腹を立ててしまった悟がチッと舌打ちをする。
「部屋の中に誰かいるんだろ、」
「誰もいないって、今日は帰って。じゃないと五条先輩のこと、嫌いになるから……!」
自分で言って呆れてしまう。別に悟は悠仁から嫌われてしまっても何とも思わないだろう。悠仁はそのまま抵抗を続けようとするが、フッと悟の力が弱くなり悟が急に手を下ろした。
「き、きらいに、なる、って、」
「嫌いになるッ!五条先輩なんかもう知らん!」
悟の訳の分からない行動に悠仁は怒り、そのまま玄関のドアをバタンと閉めた。最後に傷ついた表情をしていたのが気になるが、どうせセフレから嫌われたことなどないのだろう。セフレだって悟を嫌いになることなどあるのだと、知ればいい。悠仁は息をフンッと吐くとまた勉強へと向かった。
それから何件か五条先輩から電話やメールがきたが、電話には出ずメールも読まず全部を無視した。理由はもうすぐ全国模試だったからだ。五条先輩と同じ大学へ行くために欠かせないテストで、悠仁は気合が入っていた。進○ゼミの先生からも一緒に頑張ろうね、とメッセージがきていた。
いつものように家で勉強をしていると、ブーッブーッと携帯に着信が入る。五条先輩だったら頑張って無視をしようと思っていたが、着信の相手は五条先輩の親友である夏油先輩だった。
「はい、もしもし。」
「悠仁ごめんね、こんな夜遅くに。早速で悪いんだけど、悟が煩くてね。ちょっと話してくれないかい?」
「五条先輩が?大丈夫です、けど、」
五条先輩に何かあったのだろうか。もしかしてこの前強引に返した事をまだ怒ってるとか。マイナスなことしか思い浮かべられないが、悠仁は勇気を振り絞って五条先輩?と声をかける。
「ゆ、うじ。この前は、ごめん。勝手に上がろうとして。もう、しない。絶対しない。だから、だから、嫌いにならないで……」
携帯からグスッグスッと泣いている声が聞こえる。まさか五条先輩が反省していたとは、というか泣いてる!?初めてみる悟の様子に悠仁は思わずテンパってしまい、落ち着かせるために息を吐くと携帯の向こう側にいる悟がビクリと肩を揺らした。
「悠仁……!やだやだ嫌いになるな……!ごめん、断られて不安になって、つい行ったけどもうしない……!だから、」
「五条先輩。」
「はい……ッ!」
「なんでそうなってるのか分かんないけど、嫌いになってないよ、別に俺。」
「ほ、ほんとに?」
「うん、だから安心?していいよ。じゃあ切るね。」
あ、待てゆーじッと言いかけていた悟の電話を切ると、悠仁はよしッ!と切り替えてまた勉強を始めた。五条先輩はよほどセフレに嫌われたくないのだろうな、と的外れな事を考えながら。
ドキドキの模試を終え、のびのびとした気持ちで家へと帰る。結果は気になるけど、今の自分の全力は出せたはずだ。先生にもそうやって報告しよう。五条先輩と同じ大学、良い判定がもらえるといいな。そう思っていると玄関のチャイムが鳴り、悠仁は急いで返事をすると玄関へと向かい扉を開ける。
「五条先輩?」
「……お前、なんで電話もメールも返さないんだよ。嫌いじゃ、ないんだろ、」
「あ!ごめんごめん!今日返そうと思ってた!」
そう返すと恨めしそうにこちらを見てくるので思わず悠仁は笑ってしまう。お詫びに今日はたくさんシようね、と悟の耳元で囁くと、途端に悟の目がギラギラしたものに変わる。
「ゆーじッ、ゆーじッ、抱きたかった。」
「ン、五条先輩他の人としてなかったん?」
「してない。他のセフレは切った。もう、お前だけだ。」
え、嘘だろ。あの五条先輩がセフレを切るなんて。もしかして、病気にでもなってしまったのではないだろうか。
その日は今までの自分本意なセックスとは違い、優しく丁寧なものへと変わっていた。前戯も悠仁が挿れて欲しいと泣いて頼むまでしつこかったし、今までバックがほとんどだったのに今日は正常位や騎乗位など顔が見える対位でしかやらなかった。
今も後処理を五条先輩がした後、二人でベットに寝ている。どうにか先生に今日の進歩を連絡しようと思い身を捩るが、もっと五条先輩から抱きしめられて身動きが取れなくなってしまう。
ブーッと携帯に通知が入る。きっと先生からだろう、今日のテストの結果をどうしても報告せねば。思い切り手を伸ばしてスマホに手を伸ばすとギリギリのところで取ることができ、返信をしようとアプリを開こうとした、ところでひょいっと携帯を誰かにとられる。
「先生って、誰?」
「ぁ、五条先輩、返して、」
「誰、コイツ。」
スマホを投げられバンッとどこかにぶつかる音がし、そちらに目を向けようとすると悟から無理やり頬を掴まれ悟の方を向かされる。
「俺を無視してる間にコイツに抱かれた?」
「ちが、違う、先生はそんなんじゃな、」
「もういい、黙れ。」
無理やり唇をこじ開けられると悟の舌が入り絡みとられる。長いキスを終え意識が朦朧とする中で、悟の声が聞こえた。
「俺以外見れないようにしてやるよ。」
大きな巨体が覆い被さり、それから。