Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    tobari_2p

    @tobari_2p 
    文章書きかけ格納庫。今のところズ!!斑こは/BMBモチェ中心

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 26

    tobari_2p

    ☆quiet follow

    まだこはワンドロワンライお題『歯形』
    激重執着動作をナチュラルにする三毛縞斑と満更でもないこはくんの話。
    だふぇイベに気が狂いながら書いたので、解釈とか諸々おかしいけど許されたい…。

    #斑こは
    speckles

    誓約の痕ふと、意識を飛ばしていた。
    桜河こはくは徐々に戻ってくる感覚に固まっていた体を軋ませる。
    真っ先に視界に入ってきた見慣れぬ天井は、お世辞にも綺麗とは言えない安宿のものだ。
    薄闇に沈む部屋の寝台にはこはくの他に大柄な男の姿があった。
    裸の広い背には昨夜こはくが無我夢中で立てた爪痕が生々しく残っていた。
    「おやあ、目が覚めたのかあ?」
    と、先程まで確かに背を向けていた男──三毛縞斑がくるりと反転し、こはくに明るく声をかける。寝起きとは思えない喧しさにこはくは思わず顔をしかめた。
    この男のことだから、もしかしたら寝てないのかもしれないが。
    「……おん……ちゅうか、いつ落ちたんか覚えとらん……」
    今なんじ? と寝起き独特の舌足らずな声で問えば、斑がまだ夜中の二時だなあ、と呑気に答える。
    起きるにも早すぎるし、かといって妙に冴えてしまった意識をどうしたものか──こはくが思案していると、斑が急に距離を詰めてきてこはくの体を抱き寄せる。
    「……なんや、あつくるしい」
    「眠れなくなったんなら、人肌に触れてればいずれ眠くなるかと思ってなあ」
    「なんやそれ……」
    赤ちゃんとちゃうんやけど、わし。
    子ども扱いに不満を訴えれば、愉快そうに喉を鳴らした斑の顔が一気に近づいた。
    「……んぅっ……」
    大きな手に頭を支えられ、唇を食まれる。
    戯れにしてはいやに熱の籠ったくちづけに、こはくは息を乱しながらも視線でどういうつもりなのかと咎める。
    斑はこはくの視線に気づきながらも、お構いなしに口内を執拗に荒らした。
    斑に熱を吹き込まれ、寝起きでぼんやりしていた意識が否が応なく覚醒していく。
    上がっていく息が苦しくて腹立ち紛れに斑の胸を叩けば、ようやく唇が離れた。
    「っ……なん、なんっ……?」
    寝直すどころか余計目が冴えてしまった。
    息を整えながら斑を睨みつけるが、斑は気にした様子もなく今度はこはくの首筋に唇を寄せる。
    「ちょ、斑はんっ?」
    「いやあ、眠れないならもう一戦するのもいいかと思ってなあ」
    にぱっと笑って告げられた言葉は、冗談なのか本気なのかいまひとつ判別がつかない。
    「はあっ? 今からヤったら朝起きれんくなるやろ! ちゅうか、さっき散々ヤったやんか!」
    あれだけ好き勝手貪っておいて、まだ足りないのか。
    苛立ちに柳眉を吊り上げ腕の中でもがくが、がっちりと囲い込まれ抜け出せる術はない。
    それでもこはくならば本気を出せばなんとかなるかもしれないが、先程までの行為での疲労が抜けていないせいか決して本調子とは言えなかった。
    こんな状態で斑と事を起こしたところで無用な流血沙汰になるだけだ。こはくとしても体力の無駄遣いはなるべく避けたかった。
    こはくが逡巡しているうちに首筋をチリッとした痛みが掠める。
    「っ、そない見えるとこに痕つけんなや……!」
    茶色い癖毛を引っ張り止めようと試みるが、斑は止まらず白い首筋に見事な鬱血痕を刻んだ。
    「……どないすんねん、これ……」
    「こはくさん、肌が白いからなあ! つい楽しくなっちゃうんだよなあ!」
    すまん、すまん! と軽く謝りながらも、斑は体をずらして昨夜つけた自身の足跡を辿るようにこはくの肌をなぞる。
    その触れ方に甘さを含んだ不穏なものを感じ、こはくはため息を吐いた。
    先程の斑の「もう一戦」という言葉はあながち冗談ではないらしい。
    「……せめて、見えんとこにつけてや。虫刺されて誤魔化すにも限界あるし。それにしても意外やわ」
    ぬしはんが所有印つけたがるやなんて。
    一見朗らかで皆のママを自称する斑だが、他人と一定の距離を保っているとこはくは気づいていた。
    こはくにも覚えがあった。
    裏の世界に生きるもの特有の処世術だ。
    暗殺者として潜入先に馴染みつつも必要以上に親交は結ばず、任務を遂げたら速やかに存在を消す。
    一般人と気軽に馴れ合うには、こはくの一族は血生臭すぎる。
    それは斑のほうも同様のようで、他人との間に一線を引いている。
    こはくに対してもその「線」は存在していて、この触れ合いにだって欲の処理以外の意味なんてないと、考えていたのに──
    回数を重ねていくうちに増える所有の印を見ていると、まるで自分が特別なものにでもなったような錯覚に陥ってしまう。
    我ながらくだらない幻想だ、と一笑に付すにはこはくは斑の体温を知りすぎてしまった。
    「こはくさん」
    不意に呼ばれて目を合わせれば、斑がこはくの左手を持ち上げた。
    なにを、と思う間に、こはくの薬指が斑の口に含まれる。
    「……っ……!」
    かり、と指と手の付け根を軽く食まれ、反射的にこはくの背がしなる。
    そのまましばらく口内でこはくの指を弄んでいた斑の意図がさっぱりわからず、怪訝な顔で斑の行為を見つめているとしばらくしてようやく指が解放された。
    「ほんまになんなん、ぬしはん……」
    思わず手を引っ込めようとしたが、未だにしっかりと握られ叶わない。
    唐突な行動についていけないこはくを後目に、斑は先程まで噛み締めていたこはくの指を掲げ無邪気に笑った。
    「やっぱりこはくさんの肌は白いからよく目立つなあ」
    ──噛み痕が指輪みたいだ。
    なるほど、言われて見れば薬指の付け根に円を描くようにしてくっきりと残った歯形は、指輪を填めているかのよう。
    「……ぬしはん、それ、わし以外のおひとに言わんほうがええで」
    寒いわ、と口では吐き捨てながらも、昨夜掻き乱された体が震えるのを感じてしまい、悔しさに唇を噛む。
    いくらこはくが世事に疎いからといっても、左手の薬指に指輪を填める意味は知っていた。
    それは、想いの永遠を誓う証。
    辛辣だなあ、と苦笑いする斑にこはくは不意打ちでくちづけた。
    「こはくさん?」
    「……斑はんのせいですっかり目ぇ覚めてしもたわ」
    きょとんとする斑に責任取ってや、と誘えば、心底愉しそうな笑みを乗せた唇がこはくの薬指に優しく触れる。
    そのまま大きな体に覆い被され、こはくは再びシーツの海に沈んだ。

    翌朝、斑の薬指にも小さな噛み痕がしっかりと刻まれていた。
    仲良く眠る双頭の猟犬が微睡みから目覚めるのは、もう少し後のはなし──


    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🙏👏👏💖🍌❤💖💖💖💖💒💘😍💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖💒💘💘😭💖🙏💖💖💖😭😭💖💖👏👏💖💒💒💞💘💯😭😭🙏💒💞💞💞💞💞💞🙏🙏🙏🙏❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    tobari_2p

    DONEそうたさんの斑こはアステカ文明生贄ぱろ漫画の三次創作文。
    遅ればせながら、お誕生日おめでとうございました!漫画を読んだとき一人燃え上がって、衝動のまま勝手に書いた文に快く公開許可くださったそうたさん及び原案のお二方に感謝🙏

    ・こはく視点
    ・タイトルの通り、恋愛感情の色が強い二人
    ・一部台詞や展開は漫画を抜粋(許可戴いてます)

    以上が許せる方のみお読みください!
    七日間恋話一生に一度、最初で最後の恋をした。

    こはくが新たな贄として神を祀る神殿に引き立てられたのは、儀式の数週間前のことだった。
    この国の神は民を庇護する代わりに、常に新鮮な若い血を求める強力な荒神である。
    よって、生贄は順繰りに領地の村々から選定される。
    そうして此度はこはくの村の番が回ってきた、というわけだ。
    両親や姉たちはこはくの選定を密かに嘆いたが、こはくは自身が選ばれたことが誇らしかった。
    贄の選定を受けた一族は、その後の暮らしを一生国から保証される。
    自分の命で家族全員の身代が贖えるなら、この身を捧げても惜しくはない。
    そう割り切って、こはくは迎えの神官に連れられ故郷の村を後にした。
    輿に乗せられ村から村を経由し、程なくして国の中心である王都へと辿り着くと、往来には贄としてのこはくを一目見ようと大勢の人間が集まっていた。これから神殿入りするこはくを盛大に讃え、歓声を上げる者もいる。
    6437

    tobari_2p

    DONE斑こはゆるワンドロワンライお題『自己犠牲』『拗ねる』
    珍しくお題混合。窮地の際に庇われて盛大に拗ねるこはくんと、自分が犠牲になることを厭わない三毛縞の話。捏造のテレビ番組の話があります。結成してすぐならともかく春宵以降は、無自覚にお互いの存在が大切になっていたらいいなあ…という願望。タイトルは相変わらずフィーリングだけど、結局お互い様なんだよなあ君たち…という意味を込めて。
    相互作用エゴイスティック『──こはくさん。後は、頼んだ』
    トン、と軽く背中を押されたと思ったら、ひどく優しい男の声が耳に届き。
    ──その瞬間、すべてがスローモーションになった。
    次いで聞こえてきた破裂音にこはくがゆっくりと振り向くと、自分の背中を押した男の胸元に真っ赤な染みが広がっていく。
    『……斑はんっ……!』
    どこか穏やかかつ満足気な表情で後ろに倒れていく男の名前を、自分でも驚くほど悲痛な声で叫ぶ。
    必死に伸ばした手は、虚しく空を切るだけだった。


    ****


    慌ただしい新年度始めも過ぎ行き、徐々に初夏へと移り変わろうとしている晩春の夜。
    都内某所に建つマンションの一室にて、桜河こはくはリビングでソファに凭れかかりながら、仏頂面で目前のテレビを眺めていた。
    2652

    tobari_2p

    DONE斑こはゆるワンドロワンライお題『真ん中バースデー』バースデー当日ぶっちぎり大遅刻だけど、ワンドロお題にあったので…許されたい…。真ん中バースデーって概念を知らないこはくがたまたまらぴに教えられてなんかそわそわしちゃう話。斑こはどっちも若干キャラ崩壊してるからご注意ください。ちなみに桜の日ネタも絡めてあります。斑こはの真ん中バースデーが桜の日って出来すぎてると思うんだよね…デキてる…?そう……。
    今日が特別な日だと知ったのは、まったくの偶然だった。
    『ねえねえ、こはくっち、知ってた?』
    今日って三毛縞先輩とこはくっちの真ん中バースデーなんだよォ!
    たまたま空き時間にシナモンでばったり顔を合わせた藍良から、無邪気にそんなことを言われこはくは首を傾げた。
    こはくにはそもそも『真ん中バースデー』なる単語すら初耳である。
    『バースデー』という単語が含まれることから誕生日に関係する何か、という推察はさすがに出来たのだが──
    『わしの誕生日はとっくに過ぎたし、斑はんの誕生日はもうちょい先やけど……?』
    『うん、だからねェ、二人の誕生日のちょうど中間の日が真ん中バースデーなんだよォ!』
    ファンの子がSNSで取り上げているのを見たのだ、と藍良は実際にスマホの画面を見せて力説する。
    2417

    related works