OL女子は見たツイてない1日だった…、平日にいつもの様に仕事していたはずが、まさかの後輩ちゃんが発注数を間違えるというミスで、本当は友達と仕事の後に予定していた女子会をキャンセルして関係各所に謝罪参り。
後輩ちゃんは半泣きだったものの、何とか堪え最後まで泣かなかったのは偉かった。
謝罪参りが終わって職場に戻ると、定時の17時はとうに過ぎていて何人か残業している人くらいしか居なかった。後輩ちゃんとは最後に軽く反省会をして、帰宅させた。
今からだったら急げは女子会間に合うかな?
掛け時計を見ると18時半。
うん、間に合う!
急いでスマホを取り出し女子会に参加する事をメッセージ送ると歓迎のお返事。
残業している人達に軽く挨拶を交わして、トイレに寄って軽く身なりを整えて、化粧も直した。
うん、バッチリ。
トイレから出ると急いでエレベーターに乗り躊躇いなく1階のボタンを押して閉まるボタンを押す。
今日は大変だったけど、これから女子会だし、週末はワンダーランドのショーステージ!
実はワンダーランドのショーステージを見に行くのは久しぶりで、それを頼りに今日も乗り切った様なものだった。
もちろん女子会は楽しみなんだけど、ショーをやってる子達がみんなキラキラしていて、舞台で演じられていくショーには本当にドキドキワクワクが止まらなくて疲れた時とかにショーを見ると元気になるんだよね!
そんなウキウキ感を心に潜め、少し早足で街中をあるいていると、ふと視界の端に映った人に目が引かれた。
えっ…えっ?!あれってショーステージに出演してる確か類君と司くん?!!
2人は仲良さそうにウィンドウショッピングをしていて、思わず凝視してしまった。
すると類君がこちらに気が付いたのか視線が合うと、ゆっくりと人差し指を口元に持っていきシーとジェスチャーをされて、さりげなく司くんの腰に腕を回して、街中へと消えていった。
私はもう緊張と同時に2人が街中で見れた喜びで口角が上がってしまい、ただ背中を見送るだけだったけど、偶然とはいえ2人の姿を見れて幸せな気分になった。
「これで週末まで頑張れるわ」
独り言をぽつりと呟くと、ハッとして女子会の事を思い出しやっと足が動いた。
週末はどんなショーが観られるんだろう!
一度に今日頑張った分が報われた気がするけど、楽しみは週末に取っておこう!
「週末まで頑張れ、自分」
さっきの様にぽつりと呟くと私も人混みに紛れて行った。