君無しじゃいられない「ケンチンさぁ、なんかタケミっちの後ろ陣取ってない?」
マイキーに指摘されてはっと気が付く。
オレが抱き着くのにチョー邪魔!とお冠のマイキーを尻目に、かなりのショックを受けるドラケン。
あの背中にまた背負われたいとか。
体格差を考えれば相手にとって迷惑極まりないだろう。同じくらいの体重であるマイキーが飛びついただけで半泣きになっているのだ。
大型犬にリードごと引きずられる子供の図が浮かぶ。
やめだやめ。あいつは1個下の、どこにでもいる泣き虫のガキだ。
頼りたいなんて。そんなわけ。
ケン坊はきっとでっかくなるね。
あたしも息子がいたんだ。でも置いてきちゃった。
熱を出して寝込む幼いドラケンを看病してくれた嬢がいた。20代半ばのヤンキー崩れ。男に騙されて借金まみれ。そういう身の上だったと思う。
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