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    fkm_105

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    fkm_105

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    ※死ネタ
    先生の首を絞めるタル

    ワンライ「嫉妬」 最初はもう、そりゃあ可愛い嫉妬だった。
     それこそ生まれたばかりの弟に母親をとられた兄、そのくらい純粋で、初めて触れたその感情は対処の仕様がなく。それはどうしようもなく、やるせなく、かと言って恨むでもなく、とはいえ受け入れられるわけもなく、ただこちらを見てほしい、その程度の可愛らしさで、タルタリヤの胸中にちょこん、と納まっていた。最も、タルタリヤの嫉妬というのは、母親でもなく、恋人でもなく、ただの仕事相手の男だったわけだが。
     往生堂の客卿、鍾離というのは馬鹿みたいにモテる男だった。語弊のある言い方だが、街を歩けば鍾離先生、鍾離さん、と呼び止められるのだから、あながち間違いでもないはずだ。
     タルタリヤと鍾離が出会った頃などは、周囲から頼りにされている先生、くらいのものだった。その程度で亀裂が入るような深い関係はそこに存在していなかった。だというのに、タルタリヤがその執着と信頼と愛情を、鍾離の素知らぬところで積み上げ始めた。積み上げられていくそれの前にいるのは、タルタリヤと、タルタリヤの頭の中に存在している鍾離の姿だけ。空しいものだ。それでも良かった。積み上げる手は止めることはできなかったし、止める気もなかったのだから。
    「鍾離先生」
     鍾離を慕う輪の中に、旅人が加わり、おチビちゃんもといパイモンが加わり、それに比例してタルタリヤが鍾離を食事に誘う日も増え始めた頃。鍾離がタルタリヤの誘いを断った。
     些細なことだ。往生堂の仕事がまだ残っていた、たったそれだけの理由で嘘でないのもわかっている。だというのに溢れた嫉妬心は制御を失って、蓋をすることもできないまま積み上げた塔は崩壊した。
    「こ、しどの……」
    「……は、」
     グ、と柔い首筋に手を掛けた。人間らしい肌色の下に、何が詰まっているのか分かりやしないけれど、このイキモノが愛おしいのは確かだった。
     力を込めた。
     頸椎が歪む。カヒュ、と酷い音が鍾離の喉から零れ落ちていく。やがて濁った声を出して、タルタリヤへと伸ばされたその腕が崩れ落ちた。漸くその男が死んだと気が付いたのは、それから日が昇って、再び日が傾いて、雨戸の隙間から鍾離の瞳によく似た夕日が差し込んでからだった。
     呼吸が楽だった。脳髄に染みついて、いつまでも姿ばかりが浮かぶこの男を、ようやく捕まえられた気がした。そうしてまた、鍾離への愛情と、執着と劣情とを積み上げ始めるのだ。
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    fkm_105

    DONE1月23日オンリーにて頒布予定だったレン彼タル鍾小説本の書き下ろしサンプルです
    姉活(兄活)をしているタル×レンタル彼氏(?)の先生の話です
    レン彼タル鍾小説本の本編はR18ですが書き下ろしは全年齢です
    書き下ろし「今夜19時万民堂で」 どうしたらいいと思う? フライドポテトをケチャップに潜らせながら、赤毛の男はため息をつく。本当にため息をつきたいのは俺なんだけど、なんて言ったところでこのモテ男、アヤックスにはさして効果はないことを空はよく知っていた。よくある放課後のファストフード店らしく、アヤックスを見た暇そうな女子高校生たちがキャア、と黄色い声をあげている。耳障りで仕方ない。ろくな男じゃないぞ、と冷めた目でそれを見て、空は奢られたハンバーガーに歯を立てた。
     中高一貫の男子校。それでも他校の女子にモテまくったアヤックスは、バレンタインになれば校門で出待ちなんてざらで。その分トラブルも多かったな、と中等部のごく平凡な一生徒の自分と高等部の有名人、アヤックスとのひょんな出会いを思い出す。あの時も傍迷惑なストーカーもとい、他校の女子に追われているところだったはずだ。そして今回も。チラリ、と窓の外を伺えば、アヤックスに捕まった十分前と同じ影が視界の端に映る。
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    fkm_105

    DONE※死ネタ
    先生の首を絞めるタル
    ワンライ「嫉妬」 最初はもう、そりゃあ可愛い嫉妬だった。
     それこそ生まれたばかりの弟に母親をとられた兄、そのくらい純粋で、初めて触れたその感情は対処の仕様がなく。それはどうしようもなく、やるせなく、かと言って恨むでもなく、とはいえ受け入れられるわけもなく、ただこちらを見てほしい、その程度の可愛らしさで、タルタリヤの胸中にちょこん、と納まっていた。最も、タルタリヤの嫉妬というのは、母親でもなく、恋人でもなく、ただの仕事相手の男だったわけだが。
     往生堂の客卿、鍾離というのは馬鹿みたいにモテる男だった。語弊のある言い方だが、街を歩けば鍾離先生、鍾離さん、と呼び止められるのだから、あながち間違いでもないはずだ。
     タルタリヤと鍾離が出会った頃などは、周囲から頼りにされている先生、くらいのものだった。その程度で亀裂が入るような深い関係はそこに存在していなかった。だというのに、タルタリヤがその執着と信頼と愛情を、鍾離の素知らぬところで積み上げ始めた。積み上げられていくそれの前にいるのは、タルタリヤと、タルタリヤの頭の中に存在している鍾離の姿だけ。空しいものだ。それでも良かった。積み上げる手は止めることはできなかったし、止める気もなかったのだから。
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    fkm_105

    PROGRESSレン彼たるしょの進捗
    デート途中まで~~~~
    12月までに終わらせるんだよ!!!!!!
    地獄の進捗 深海の瞬くタルタリヤの瞳が今日ばかりは濁った泥濘の色をしていた。しかし大学生らしく課題や成績に追い詰められているのではない。言ってしまえば不健全な話で、人生二度目の貞操の危機だった。正確にはお金をもらって男とデートをするのだが、なにせ相手の素性がわからない。いかにもなチンピラが来るとも、人のよさそうなビジネスマンがくるとも知れない賭けをしていた。なお一度目の貞操の危機は同じくバイトでデートすることになった年上の女性に服をひん剥かれた時だ。センスは悪くないけれど、こっちの方が似合うわよ、と女王様然とした振る舞いの彼女、シニョーラによって見事着せ替え人形にされたタルタリヤは、その日総額十三万円の服の数々をプレゼントされ、慄く他なかった。閑話休題。カーテンを引いたように暗がりが訪れ、電車はトンネルへと入る。のっぺりと塗りつぶされた車窓には、天使だなんだとちやほやされた幼少期の面影のすっかり吹き飛んだ、疲れ果てた青年の顔が映るばかりだった。タルタリヤは手持無沙汰にメッセージアプリを開いては閉じる。やがて、はあ、と大きく息を吐き出すと、メッセージアプリの開かれた画面に指を滑らせた。
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