バレンタイン騒動「みっちゃん、ちょっと今いい?」
「大丈夫だけど……どうしたの? 主がここまで来るなんて珍しいじゃない」
「バレンタインのことなんだけど……なんかオススメのお店とかないかな」
「……誰かにあげるの? いつもは気にしてないよね?」
雪がバレンタインのことを相談したいから、と声をかけると目を丸くしながら燭台切は首を傾げる。声はほんの少し強ばっていて警戒をしているのか、恐る恐る問いかける。
「んー……そうなんだけど今年は謝謝くんとこからも雛花ちゃんからも貰ったし……いつもお世話になってるから今年はみんなにも送ろうかと思って」
「あぁ、そういうこと。良かった、本丸が血の海になるかと思った」
「やだ、そんなこと起こるわけないじゃん、そもそも手合わせ以外の抜刀禁止にしてるじゃん」
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