【緋色】 招待状「別に結婚したいワケじゃないけど、ウエディングドレスは着てみたいわよね」
「そういうモンなの」
とてもうっとりとは形容しがたい表情の野薔薇に、虎杖がよくわかんないと顔に書いて返事をしている。
「あんな豪華なドレスなら一回とは言わず、何回も着てみたいじゃない」
「何回もって、それ、あんまりいいことじゃないんじゃない」
誰もが納得で同意してくれそうな突っ込みを受けた野薔薇は、コント見たいなやり取りをほぼ無表情で聞いていた伏黒に、矛先を向けてにやりと笑う。
「あんたは、タキシードって言うより紋付きの方が似合いそうね」
「どーでもいいし」
「相手もいないのにって。別にそこがどうでもいいわよ」
面倒そうに顔を顰める様子にばっさりと切って捨てた様子に、既に結婚式の要素はなくなりつつある。
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