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    shiraseee

    @shiraseee_0108_

    気ままに更新しています。
    サイレント更新&修正は常習。
    凪茨ばかりですが、たまに他CPなども。

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    shiraseee

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    素直じゃない茨と、そんな茨をかわいがる凪砂
    ついじっと見入ってしまって、気付いた時には触れていた茨。
    ナチュラルに同棲しています。凪砂視点

    ##凪茨

    触れる、見つめる────────


    リビングのソファで読書に耽っていた。
    次のページへとめくったはずの手が、同じページで止まる。正確には私の手にそっと、茨の指先が触れたから進むのを止めた。
    隣に座ってお互いがお互いの時間を過ごしていたのだけど、いつの間にか茨にじっと見つめられていたらしい私は、顔をそちらに向ければ正面から目が合う。

    「あ、えっと」

    そこでハッとした茨が何か言い訳を探す。いつもならすぐ何でもかんでも饒舌に話せているのに。
    今のは完全なる無意識だったようで、あの茨が取り繕うことも出来ていない。茨自身も何故そうしたのか分からないといった様子で私から目を逸らしてしまう。
    手を離されたがすぐに掴み、逃がさないようにするりと指を絡めた。親指で指の付け根を撫でたり、やわく何度も握る。さっきの行動も相まっていっそう恥ずかしいのか、茨はこちらを見ようとしない。照れちゃって、かわいいね。見える頬や耳は赤らんでいる。つい口元が綻ぶ。
    …そこで興が乗ってしまった。
    少し手を引いて、甲に触れるだけの口付けを落とす。するとぴくりと肩を震わせる、その反応を盗み見た。かわいい。
    まだこちらを見ないから、ちゅ、ちゅと音を立てて、私より薄くて白くて普段より熱を持ち始めた手に、口付け続けていく。
    居た堪れず全身ふるふると震え出した茨が、「何なんですか、もう!」とやっと私を見てくれた。
    羞恥で揺れる青い瞳が、いつもより美しい。耐えきれなくて赤く染めた頬が、とても美味しそう。…でも、力を込めて握っているわけじゃないから、嫌なら離せばいいのにそうしない。むしろ指を少し曲げて握り返そうとしていたくせに、ううん、きっとこれも無自覚なんだろうな。

    「…かわいい。あんなにじっと見つめてくれてたのは嬉しいけど、声を掛けてほしかったな。…寂しくなっちゃったんだね」
    「──はぁっ!?うぶっ」

    抵抗される前に思い切り引き寄せ、茨を胸に沈め抱き締める。それ以上何も言わずにいると、観念して私に体重を預けてくる。握ったままの手を強く握り返された。

    「気付いてほしかったわけじゃ、ありませんし」

    後頭部しか見えない私のかわいくて愛しいこの子は。
    あれ程な熱視線を送っておきながら、今更そんなことを言うものだから。それならばと。

    「…嘘は駄目だよ、茨。顔を上げて」

    先程の茨と同じくらいの熱量で、いや、私はそれ以上で。
    時間を掛けて見上げられた少し潤む青色を、至近距離で捉えて離さなかった。


    ─────────
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    Replies from the creator

    shiraseee

    DONE凪砂くんが眠る茨を見つめて、かわいいなぁ、好きだなぁ、と思うおはなし。同棲している凪茨。
    茨は眠ってるだけになってしまいました。

    新年書き始めとなりました。とんでもなくふわふわとした内容ですけども…こういう凪茨が好きなので、今年もこんな感じのを書いていきます。
    暇つぶしにでもなりますと幸いです。
    拙作ばかりですが、たくさん書いていきたい!どうぞ今年もよろしくお願いします。
    しあわせの風景────────

    薄ら開いては閉じを繰り返す瞼に、注ぐあたたかな陽射し。まだ少し重たいけれど、微睡みから目覚めていく意識が次に捉えた柔らかな匂いに幸福感すら覚え、覚醒していく。
    日向より私に近しい匂いは、すぐそこにある。
    すん、と小さく鼻を鳴らして吸いこんだ。再び眠りに誘われてしまいそうになる安堵感と、心地良さ。この匂いにほだされ、自然と求めてしまう。
    随分そばにあったぬくもりも抱き締め漸く開いた私の視界は、見慣れた暗紅色が埋め尽くしている。
    「……茨…」
    「……………」
    「……?」
    ───珍しい。ぴくりとも反応がない。
    普段なら名前を呼べば起き上がるとまではいかずとも、私の声を聞けば、ふと長いまつ毛を持ち上げ茨の美しい青に私を映してくれることが常だった。その時の、茨の世界にまず私が在れるひとときに期待して暫く様子を見ていても、瞼は開くどころか、かたく閉ざされたまま。どうやら茨は、無防備にも私の腕の中で熟睡している。
    2000