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    yugetsu1341

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    yugetsu1341

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    フォロワーとの先生に関してのあれこれで考えついた話。
    甘さは低め(多分)
    先生のそこはかとなく仄暗いとある願い。

    朝さに小話「先生、朝尊先生」
     考えに耽り呼ばれていたことに気づかなかった。視線を上げると、そこには心配そうにこちらを見つめる主の姿があった。
    「おや、主。どうしたかね?」
    「もう夕餉の時間ですよ。肥前君に頼まれて探しに来たんです」
     はて、そんな時間なのかなと窓を見やると橙色の光が差していた。確か昼餉を食べてすぐこの書庫に来たから、長い時間居座っていたことになる。実際、手にした書はもう少しで読了だ。
    「それはすまなかったね。主の手を煩わせるなんてと肥前君に怒られそうだ」
    「先生は今までどんな本をお読みに?」
    「鉱物の本だよ。主が宝石を使った魔術はもちろん、御守りや魔除けを作っていたのに興味を持って、どういった金属や鉱石があるのか気になってね。あわよくば刀剣にも利用できないかと考えて」
     そこまで言うと、主は困った顔をしてしまった。なんとなく、僕が考えていることを察したのだろう。
    「……先生、まさか刀に宝石を混ぜるとか言いませんよね?」
    「おお、その通りだよ主。あれだけ交換意見帳でお互いの考えを深めただけあって流石だね」
    「でも、先生。刀は玉鋼で作られること刀であるのであって……宝石などを混ぜたら不純物のようなものですから、上手く出来ないのでは?」
    「だからこそ試してみたいんだ。確かに理論上はそうかもしれないが、宝石でも僅かな成分の差で名が変わってしまうように存外上手くいくものがあるかもしれない」
     すると、主の顔が困った顔から深々と考えを巡らせる思慮深い表情に変わった。彼女も学者気質故、こういった考えさせられる話題を投げかけられると、自分なりの考えを提示しいつもの学術トークに発展するという流れだった。
    「確かにごく少量であればそれは……ですが、一度高温で溶かしてしまうのですから中には消えてなくなって混ざったも何もなくなるのでは……」
     ご覧の通り彼女も乗り気になってきた。夕餉ということで呼ばれたが、こう二人きりの書庫だと彼女とつい話し込んでみたいという気持ちが強まる。彼女とは延々こういったことで話し続けてみたい。彼女の知識に僕はとても深く興味を持っていた。
    「論より証拠とも言うだろう。君が監督役として鍛刀の式神に指示をするなり、はたまた僕が鍛刀してみてもいい。とりあえずやってみたいとは思うのだがね」
    「やってみたいなんて……水心子君がとても怒りそうですよ」
    「我が師はきっとそうだろうね。しかし、例えば力が込められた宝石を混ぜて作られた刀はどうなるのか。戦乙女ならば馴染み深いルーン文字を銘に打ったら効果は現れるのか。うん、いろいろと興味深い案がたくさん出てくるね。だから主──」
    「とても興味はありますが、許可できるものではありません。軍部はその手のは食いついて協力してくれそうですが、政府側ですと酷く面倒なことになります。それに」
    と続けて言おうとした主が口を噤んだ。そのまま踵を返して夕餉が遅くなりますと言って去ろうとする。
    「それになんだね、主」
     僕は彼女の手を掴んで止める。
    「先生、肥前君に怒られますよ」
     振り向かないまま促すその様子に僕は一つの考えに行き当たる。
    「まるで僕が術師のようかね。いや、人のようだとも。まず刀剣男士らしからぬかもしれないがね。いや男士ならもっと純粋に力を求めるかな。刀で戦うことが全てではないと考える僕だからこそというか」
     そのままぐいと腕を引張り、彼女を背から抱きすくめた。
    「僕が怖いかな?」
     耳元で囁やけば、彼女はびくっと身体を震わせる。ただ怯えを見せたのはそれだけで、彼女は僕の手に小さな手を添えた。
    「いいえ、むしろ私が先生と様々な話を交えたことで辿り着いたものであれば、それは私の責任でもあるでしょう。人によって刀剣男士に余計な知識を与えたとも。私はそれを間違いとは思っていません。むしろ、先生でしたら私と関わっている時点で何れ至るものと考えておりましたから」
     だから怖くはありません、そう話す彼女は毅然としていた。これがもし普通の人なら、訳のわからぬことを並べつられて混乱のまま僕を突き放していただろう。しかし、彼女はそうしない。いつもいつも他であれば適当にあしらわれるような話題でも真摯に向き合ってくれる。彼女とならどんな研究も出来る、自分がまだ知らない未知へ連れて行ってくれると思わずにはいられない。
     ああ、これでは僕は君に甘えてばかりだ。
    「主」
     添えられた彼女の手をそのまま取り、僕の頬へ当てさせる。その温もりが心地良くて、すり……と頬ずりしてしまう。
    「僕は君と出来る限り長く共に在って、可能な限り研究を究めてみたい。それが倫理から外れようとも、僕と長く居てほしくてらしからぬ手段を取っても……一人でもね、研究は出来る。でも君の意見はとても興味深いから」
     語らう相手がいないのは寂しいといつ気づいただろうか。人の命は短い、けれど彼女は魔女でもあるから。魔女ならば僕たちほどではないけれど、多少長く生きられると聞いた。

    『僕のために人を捨ててくれるかね』

     この果てのない探究心と共に、彼女を道連れにしたい言葉はまだ言えない。
     その代わり、
    「君にとっての既知は僕にとっての未知だから、もっと見せてほしい」
     そんな言葉で上塗りするしかないのだ。
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    yugetsu1341

    MEMO日中思いついた孫六さんの設定殴り書き。
    めちゃくちゃ弊本丸の設定準拠なので、北欧神話絡みます。
    大神に仕える狼が、戦乙女の護衛になる話。
    孫六さん狼言われる→壬生狼だ→北欧神話でも狼いたなと連想して出来た産物。
    則さにルートの孫六さんにするか、全ルート共通にするか悩み中。
    そして殴り書きなので、設定変わる要素ありまくり。
    戦乙女を護衛する狼の話(弊本丸特殊設定準拠)・鍛刀キャンペーンで天井が出来、ポイントが溜まると顕現できる→つまりポイントが溜まった時点で確定顕現出来る札的なのがこんのすけから配布されて鍛刀すると出来ると仮定しての設定。顕現札には既にその刀の分霊が封じ込められているとする。
    ・孫六兼元に関して思い入れがある、鈴花嬢の叔父(軍部司令部長官・つまり一番偉い人)は顕現札をあるルートで手に入れ、事前に封じられている分霊と対話しある命を任す事にした。まずこの分霊と対話ということ自体、叔父もまた一宮家という名門術師の出自で尚且つ実力主義の軍部、それもあの特務科を長官直属部隊としている程なので、力があるからこそ出来る業である(つまり顕現札に何かするということは、かなりの実力がないと難しい。それほどロックが頑丈)
    2030

    yugetsu1341

    MEMO気づいてたら考えていた。どうなるかは未定。
    いろいろこれから詰めるので設定とか変わるかもしれない。
    名前未定、弊本丸審神者ライバルの設定(政府側)・政府の高官(最高地位近く)の娘。霊力在り。超法規的措置で大般若長光を顕現。本丸を持たない。
    ・戦を何れ終わらせるという軍部と志は同じながら特務科とは反りが合わない。鈴花嬢が英霊に寄り添う戦乙女にして、人に寄り添う魔女なら、孤高の女王。
    ・政府機関に属している割に戦闘能力も術師としての能力も高く、軍部から特務科入りの打診はあったものの、「あんな奴らと馴れ合いごっこなんてごめんですわ」と拒否。生まれが普通とは違い、普通にはない力を持つのに、独りでいることを選んだ。大般若は「お嬢さんにも友達がいればなぁ」と常々思っている辺り、鈴花嬢も霧乃がいなかったらああだったかもしれない。
    ・鈴花嬢を目の敵にしている。似たような境遇なのに親友がおり、本丸を運営しているが、八方美人で一般人(霧乃)を戦に巻き込んでいるし、何よりあんなに寄り添っていて何になるのか。戦乙女?魔女??英雄ごっこは他所でやって、そう、あいつら特務科は英雄気取りが多くて嫌になる。おかげで敵に負けたでしょ?と毛嫌いしている。が、内心その裏返しは羨望なのだと自分も薄々気づいている。にゃーさんもわかっている。実際政府機関で働いていると、高官の娘、審神者の状況改善に努めるもやっかみを受けたり、にゃーさんと並んで遡行軍蹴散らす様に特務科行けば良かったのにと揶揄され、本人自身も威厳がなければこの小娘相手に動いてくれないと高圧的になりがちなので評判も悪い方が多い(もちろん状況改善に努めようとしているのを理解し、認めている者もいる)
    1402

    yugetsu1341

    PROGRESS怪談チャンネルやオカルト系番組を見ていて思いついた話。土佐三振りと審神者と補佐が令和で行われた呪物の展示会で、遡行軍が展示物奪取しようとしているからその防衛を任される話。短編のはずなのにいつも長くなるのなんでだろう(端折りが下手な人)
    呪物展防衛任務の話 時は令和。とある都会の一角に中規模のギャラリーがある。日頃は閑散としているのだが、ここ数日珍しく長蛇の列が出来ていた。開かれているのは動画サイトで人気の怪談師、オカルトコレクター、心霊研究家などが持ち寄った呪物の展覧会。実際に怪異や異変が起きた曰く付きの物や、存在そのものが呪いをかける為に作られた物、古今東西幸運や良縁が来るとあやかられている物など実に様々な物が展示されていた。
     以前から動画サイトなどで実際に起きた出来事や、所持している呪物の解説などが専門チャンネルや番組で取り上げられており今回初登場の物など話題性に溢れたこの展示会は、オカルト、ホラー好きはもちろんのこと、民俗学、文化研究家の著名人やそれらを専攻している学生達、昨今そういった物をテーマに人気を博しているマンガや映画、小説といったエンターテインメントから入り、興味本位や怖いもの見たで来た一般の人など幅広かった。
    4801

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