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    ゆめの

    @x_yumeno_x

    浮唯中心で唯受を書いています。

    カップリングごとにタグを分けていますので、参考にしてください。

    少しでも楽しんでいただければ幸いです。
    よろしくお願いします🙇‍♀️⤵️

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    ゆめの

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    ##ユエアン
    ##アンミナ

    「レイナ、頼む」
    「ユエ、あなた、自分が何言っているのかわかっているの?」
    「ああ、最低だとわかっているけど、これが一番手っ取り早いんだ」
    「そうわかったわ。じゃあ、仕方がないわね。では『妨害をお願いします』」

    光の守護聖ユエの執務室で行われているのはユエと女王候補のうちのひとりレイナとの攻防戦。
    レイナが育成のお願いをしに来たところ、ユエから逆にお願い事をされてしまった。しかもその内容は「アンジュの育成の妨害」。
    誇りを司る光の守護聖らしからぬ願いにレイナは呆れ果てながらも、彼とアンジュの間に起こっていることを察して承諾する。

    「ふう、よかった。助かったぜ~ アンジュのヤツ、さっき育成をお願いしにきやがってよ。しかも『たくさん』だぜ」

    今、アンジュが育成しているエリューシオンの建物の数は77。女王になるために必要な数は81であとわずかに迫っている。
    しかも最近では一部の守護聖は大陸にうまくサクリアを送ることができるのか、一度のお願いで建物が2個建つことも珍しくはない。
    そのため、アンジュがあともうひとり育成をお願いしていれば今夜にでも女王になってしまう可能性すらある。
    自分も奮闘したつもりであるが、育成にしろ人間関係の構築にしろ素質はアンジュの方が上だったらしい。どちらの数値も彼女に劣っている。
    彼女が女王になるとしてもそれは素直に認めることができる。
    だけど、彼女を近くで見てきたものとしては心残りがひとつ。
    『ユエのことは好きだけど、私の役目は女王になることだと思うの』
    ダイヤモンドのネックレスと指輪を身につけながら自分でそう話してきた桃色の髪の女王候補のことをふと思い出す。
    縮められそうで縮められないユエとの関係は、いつしか生まれた不文律のせいではないかと勘繰ってしまう。
    ー女王は恋をしてはいけない。
    彼女なら、しかも相手がユエとなればそんな不文律など無視して新たな時代を作れそうなものなのに。
    だけど、慣れない土地でそこまでのことをする気力は湧かなかったのかもしれない。
    それにしても、機会はあったはずなのに、切羽詰まってから騒ぐユエに既視感を覚える。

    「ユエって、学生時代、テスト直前に焦るタイプだったでしょ?」

    思わずそんなことを言ってしまう。
    学生時代クラスによくいたタイプ。
    ユエは他のことに関してはおそらく優秀だろうが、恋愛にいたってはギリギリまで腹が煮え切らないタイプのように映る。
    彼の表情が一瞬ドキリとしたようだが、すぐに取り繕いレイナの方を向く。

    「あいつがあまりに女王になりたがっているから、力を貸しただけだ!」

    そのムキになる様子が首座の守護聖らしからず思わずかわいいと思ってしまう。そして、きっとアンジュは自分が今まで見たことないユエの様子をたくさん見てきたのだろう。そんなことを想像してしまう。

    「とはいえ、俺もカッコつけてばかりではっきり言わなかったのが悪いんだけどよ……」

    頭をポリポリとかく。
    そして、窓から外を見下ろし何かに気がついたかのように呟く。

    「間に合うかわからねーけど、森の湖でも行ってくるわ」
    「そう。健闘を祈るわ」

    レイナはここに来る途中、どこかへ向かう様子のアンジュの姿を思い出す。
    自分の思い違いでなければ向かった先は森の湖。
    もしかするとやはり彼女も心残りがあり、最後のお願いとして森の湖に自分の恋の行方を託したのかもしれない。
    いくら妨害をしたところで彼女の素質を考えるとおそらく女王試験はまもなく終了する。
    そのときにどのような結末を迎えているのか。それを楽しみにしながらレイナは公園へと向かった。
    午後の光が眩しいのが印象的だった。
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    ゆめの

    PROGRESS最近デビューしたばかりの黒橡が気になっている葵。
    そんな彼女のクラスメートの朝日奈唯は最近暗い表情を浮かべているのが気になるところ。
    だけど唯は正統派クラシックを嗜むため、黒橡に興味はなさそう。
    そう思っていた葵であるが、彼女が初めて黒橡のライブを予定していたそのとき、唯から意外なことを言われるが……

    ※書きかけです
    現時点ではふたりの進展はほぼなく、浮葉様の出番すらないです💦
    香りが教えてくれた恋の行く末「葵、今度の土曜日暇?」
    「あ、ごめん。その日は黒橡のライブチケット発売日なんだ」
    「黒橡、黒橡って、ちょっと時代遅れのビジュアル系どこがいいのよ」

    クラスメートの里穂の言葉に思わず苦笑してしまう。
    黒橡。堂本大我さんと御門浮葉様のふたりによるクラシック系ユニット。
    今年初めにデビューしたばかりで、ふたりが奏でる音色はクラシックのことがわからない私でも引き込まれてしまう。
    そして、演奏以外でもふたりはそれぞれ違った意味でカッコよく美しく私は見惚れてしまう。
    ネットやテレビ越しで見ていたふたりだけど、ようやく念願のライブ参戦が叶いそうで私は浮かれていた。

    「いいよ。わからなくて」

    里穂の言葉ももっともだ。
    黒橡のふたりは高校生でありながらも人生をどこか達観したところがある。
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