天使が振り向いたその日「フェリクス、私たちはこれ以上仲を深めてはいけないと思うの。ごめんなさい」
女王試験が始まり50日目。
自分たちの仲はすっかり深まり、そしてそれはこれからも変わらない。
そう信じて想いを告げた矢先にアンジュから向けられた言葉。それをフェリクスは信じられない想いで聴いていた。
「なぜ……」
なんとか声を振り絞りそれだけを聞くが、目の前のアンジュは悲しそうな顔をする。
「言えない。でも、私たちは結ばれてはいけないと思うの」
「そう、わかったよ。君の気持ちは」
何とかそれだけを伝えてフェリクスは森の湖から離れることにする。
なんとか歩を進めるものの、本当は今すぐにでもうずくまりたい。だけど、それは美しくない。そう思い、自分を奮い立たせて館へと向かう。
「ごめんなさい」
離れ際に聞こえてきたアンジュの声がいつまでも耳から離れなかった。
その日の夜、フェリクスは自室のベッドで横になり、天井を仰いでいた。
思い出すのはアンジュと過ごした日々のこと。
最初こそアンジュの認識の甘さが気になっていたが、ともに過ごしていくうちに意外とひたむきであることに気がつき、そして時おり見せる表情は可愛いと思った。
そして、土の曜日には大陸視察にともに行き、日の曜日には約束をして会うことも多くなっていった。
気がつけば彼女と会えることを楽しみにしている自分がいて、そして会えないときは会いたくて仕方がないと思うようになっていった。
初めて味わう感情ばかりで、とまどっていったがある日、それが「恋」であるということに気がつく。
自分の中にある感情に名前がつくと、次の瞬間から世界が輝いて見えるから不思議だ。
そして、そんな想いを感じていたのはおそらく自分だけではない。
彼女も自分と接するときの様子からするとおそらく似たような気持ちでいただろう。ただ口にはしないだけで。
だけど、もしかするとそれはフェリクスの思い過ごしだったかもしれないし、気持ちの変化があったのかもしれない。
どっいみち彼女に想いを拒絶されたことで、今度は世界が真っ暗にしか見えてならない。
過去における嫌な思い出は忘れるようにしている自分であるが、今回ばかりはそうもいかない。
「僕はここにいていいのだろうか」
ふと口にした言葉。
それは単純に好きな女性から拒絶されたという思いから出てきたものであるが、急に実感を伴ったものとして自分に襲い掛かる。
サクリアの減少。
今のところはっきりと目に見える形で現れていない。
だけど、カリタスをはじめとする一部の惑星でオリジナルを産み出されることがなくなり、模倣ばかりが出回るなど、宇宙においては少しずつ影響を及ぼしている。
そして、それが形になるのは時間の問題だろう。
いずれサクリアは自分の身体からなくなり、女王となったアンジュの傍でいつまでも守護聖としていられるかわからない。
それを考えると彼女からこれ以上仲を深めるのを避ける言葉を聞いたのはちょうどよかったのかもしれない。
それに彼女に好意を持つ人間は自分だけではない。
きっと近いうちに彼女は他の守護聖と親しい仲になるだろう。
もしかするとそれを見届けることとなるかもしれないが、おそらくそれもわずかな辛抱。
そんなに遠くない未来に自分は聖地から去る。
だから大丈夫。きっと。
そう思いながらフェリクスは目を閉じる。
脳裏にはアンジュの桃色の髪の毛とそして自分に向けてきた笑みを浮かべながら。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「アンジュとの大陸視察だけど、今後僕を指名しないようにしてほしいんだ」
次の日、フェリクスは王立研究院へ足を運ぶ。
彼女が仲を深めないと話してきた以上可能性は限りなく低いが、今後も何らかの事情でアンジュは自分との視察を希望するかもしれない。
飛空都市に置いてはわずかな時間ではあるが、育成地で流れる時間はそれなりのものとなる。
自分が思い描く守護聖像としては決して美しくないのはわかっているが、長い時間を彼女と過ごすことに耐えられなかった。
そこで先手を打って自分からそのことを伝えることにした。
「はい、かしこまりました」
半ば事務的に受け入れるタイラーの声を聞き、フェリクスは安堵の溜め息を吐く。
これで大丈夫。
少しずつ彼女との接点を減らせば、いつしか彼女の想い出は過去のものとなる。
そしてその頃自分は……
そう考えをめぐらせ王立研究院を去ろうとしたとき、アンジュがやって来るのが見えた。
「フェリクス……」
ばつの悪そうな顔を見せる。
最近はあまり見せなくなったが、思ったことが表情に出るところは相変わらずだ。
「フェリクスもここに用事があったのね」
「ああ」
感情を出来るだけ殺したと思われるアンジュの声を聞きながらフェリクスも簡潔に答えて会釈だけする。
自分の用は終わった。そして、彼女も多忙な女王試験の合間を縫ってここに来たのだろう。だからフェリクスはそれ以上何も話すこともなく王立研究院から立ち去る。
―大丈夫。きっと大丈夫。
つらいのは今だけ。
彼女はやがて宇宙の女王となる。
そして、そのとき僕は……
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
それからの日々は少なくとも表面上は普通に流れていったかのように思える。
アンジュも数日間執務室に姿を見せなかったが、やはり育成のバランスが崩れることを懸念したのだろう。育成のお願いにやってきた。ただし目線は決して合わせて来なかったが。
その日の夜、夢のサクリアが無事エリューシオンに満たされるのを見届けて安心する。
体内から徐々に消え失せようとしているサクリア。だけど、それがまだ残っていて、そして女王になろうと邁進している彼女の力になることができる。
いつまでこうして力になることができるのかわからない。
だけど、少なくとも今は役に立てている。そして、自分らしくないと思いながらも、今はそれが少しでも長引くことを願うようになっていた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「公園に行きません?」
もうひとりの女王候補レイナが誘いに来たのはさらに数日後のこと。
「ああ、構わないよ」
アンジュと過ごすことを避けているため、必然的に空いている時間は増える。
ひとりの女王候補に肩入れをしていたため、もう片方の女王候補と疎遠になっていたのは否定できない。
だけど、彼女も女王候補のうちのひとり。
現時点での育成状況では厳しいがもしかすると女王になるかもしれない。それに仮に女王にならなくても補佐官に就く可能性がある。その場合、ある意味女王になる以上に接点は増えるであろう。
遠くない未来に聖地を去ることになるかもしれないが、今はまだ夢の守護聖だ。多少の交流はしておくべきかもしれない。
そう思い、フェリクスはレイナの誘いを受け入れることにした。
公園につくと片隅にあるカフェに桃色の髪が揺れているのが見えた。
…アンジュ。
彼女に想いを拒絶されてもなおもこう彼女の存在に気がつき、心動かされる自分がいることに内心呆れる。
アンジュはこちら側に背中を向けていた。
そして、アンジュが席をともにしているのは光の守護聖ユエであった。
金の眩しい髪、そしてそれに見合う誇りを持った表情。ただし、その表情は彼が本来の明るいものではなく、首座の守護聖として真摯に取り組むときのものであったが。
「アンジュったらいつの間に」
目の前のレイナの声が羨ましそうに感じるのは気のせいだろうか。
そして悔しいながらそれに同意する。
思えばアンジュに対して一方的に注意することはあったが、ユエのように対等に何かを議論していることがあったかはあやしい。自分も彼女と同じ年にも関わらず。
女王のあるべき姿について話すことはあったが、あの頃は彼女に対する感情は今のようなものではなかったため、議論というより教えたと言ったほうが正しいのかもしれない。
考えを巡らせていると目の前のレイナがこちらを見つめていることに気がつく。
その視線の真っ直ぐさに竦みそうになるが反らすまいとして見届ける。
「フェリクス、単刀直入に聞くわ。あなたの身体に異変が起きているのではないかしら」
レイナの言葉を聞いてフェリクスは心臓が撃ち抜かれたような気分になる。
その反応を見て図星だと思ったのだろう。
レイナは神妙な顔をして口を開く。
「エスポワールには全然夢のサクリアが届かないの」
やはりか、と思う。
彼女もやはり女王候補。宇宙の、とりわけサクリアの異変には気がついていたのであろう。
「サクリアがなくなった守護聖の末路は知っているわよね?」
レイナの言葉にフェリクスは頷く。
「彼女はそのことを恐れていると思うわ。
それにあの子は私以上に女王としての素質があるわ。もしかするともっと先のことを見据えているのかもしれない」
レイナは自分を見ず、どこか遠くを見つめていた。
そしてその瞳で真っ直ぐ自分を見つめてくる。
「そして、私も恋愛に関しては不器用だけど、あの子はきっとそれ以上に不器用なのよ。
今あなたは未来が見えなくて真っ暗かもしれない。だけど、きっと近いうちに状況が変わると思うわ」
目の前の彼女には自分とアンジュの関係がどのように見えていたのだろう。そして、もしかすると今の自分には見えていない未来が見えているのかもしれない。
彼女が思い描く未来がどのようなものなのか。未来どころか今ですら真っ暗な世界に立たされているような境地の自分には想像もつかない。
ただ、このもがくような日々を乗り越えれば何かが見えてくるのだろうか。
それが仮に永遠の別れだとしても、きっと受け入れられる未来に違いない。
フェリクスはそう感じた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「もう少しで試験は終わりだな」
それからアンジュは育成のスピードを上げ、レイナとの差を一気につけた。
そして、エリューシオンの建物の数は79となり、もう間もなく試験が終了することを暗に伝えていた。
おそらく今夜試験は終了する。
そのような大切な日、アンジュが夢の守護聖の執務室を訪れてきた。
「最後の力はフェリクスに送って欲しいの。虫のいいお願いだとはわかっているけど」
「いや、他でもないあんたからの頼みなら断れないよ」
アンジュの瞳の中には恐れがチラチラと見えていた。
女王試験中盤に自分に向かって放った言葉。それを彼女はまだ気にしているのだろう。
フェリクスも正直なところなぜ自分だろうという気持ちはある。他に訪れるべき相手がいるだろう。例えばユエとか。
そう思うが、やはり彼女に抱いていた憧憬、そして思慕はなかなか消すことが叶わない。
そのためフェリクスは彼女の来訪を受け入れた。
それは少し前のレイナの言葉が引っ掛かっていたこともあるかもしれない。もしかすると女王試験終了に伴い、何かが変わるのかもしれない。
その夜、フェリクスは全身全霊の力を振り絞り指先からサクリアを放つ。どこまで自分の力が育成地に届くかわからない。ただ決して目に見えるわけではないが、まるでサクリアが虹の色のように輝き、そしてエリューシオンに降り注ぐのが見えたような気がした。そしてそれはまるで女王誕生の瞬間を祈っているような気がした。
そして、次の瞬間、フェリクスは自分の中に衝撃というべきものを感じる。
…まさかな。
だけど、決して悪くない感覚。それどころか懐かしさすら感じる。
これが新しい女王が誕生し、そして宇宙の秩序が戻っている。そんな証なのかもしれない。
自分の身体に起こった変化を感じとりながらフェリクスはそう思った。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「女王就任、おめでとうございます」
エリューシオンに建物が建ち並び、間もなく迎えた即位の儀。
ユエを筆頭にそれぞれの守護聖が祝辞を述べる。
そしてフェリクスも8番目に声を掛ける。
すると、アンジュはフェリクスにだけ気づくような声と仕草で話し掛けてくる。
「あとでバルコニーに来て欲しいの」
空耳かと思いアンジュを見つめると瞳がかすかに笑っていたような気がした。
それはかつて森の湖で自分との距離を置こうとしたアンジュからは考えられない優しさであった。
飛空都市は気温がコントロールされているとはいえ、やはり夜になれば多少の肌寒さはある。
ストールをまといながらバルコニーに出ると、同じくストールをまとった彼女がいた。
フェリクスの姿に気がつくとアンジュは瞳を輝かせる。そして、駆け寄ってこようとするが、公私ともにそのような立場ではないと判断したのだろう。その足は途中で止まる。
「フェリクス、確認したいことがあるの。サクリアだけど元に戻ったのよね?」
アンジュからの言葉を聞き、フェリクスはそもそものことに気がつく。
ほとんどの者に隠していたサクリアの減少。
だが、レイナすら気がついていたくらいだ。アンジュも当然気がついているであろう。
「ええ」
この間まで対等な口をきいていたが、アンジュが女王に就任したとなれば無意識に敬語になる。
彼女に対してキツい物言いをしていたはずだが、そんな日々は遙か遠くに過ぎ去った気がする。
「しばらくの間、陛下のために身を尽くしたいと思います」
アンジュが自分を呼び出した意図は読めない。
サクリアについて確認したいのであれば、別に今でなくてもいい。
だけど、会話の意図が何であれ、女王試験中の予想よりも自分は長く聖地にいることとなる。
すると、目の前のアンジュが泣きそうになりながら口を開くのが見えた。
「あなたとの近いうちの別れを覚悟していたのに、そんな必要なかったのね」
そしてアンジュは空を仰ぐ。満天の星が輝いている空を。そしてそこには彼女が守るべき数多の星たちが瞬いていた。
「僕との別れを望んでいたのであれば、不本意な状況を迎えたことお詫び申し上げます」
思わず出た言葉。自分は言葉こそキツいが、卑屈な物言いはしてこなかったつもりだ。こんなことを言ってしまうのも、サクリアが戻るという予想しない出来事があったからなのかもしれない。
そう言い訳をすることにした。
「あ、そうじゃないの。フェリクスともう少しともにいられる未来。それを信じられなかった自分を恥じているの。私にとって都合の良い考えでしかないけど」
アンジュの言葉を聞いてフェリクスはまさかと思う。
アンジュの言葉を借りれば自分の都合良い解釈なのかもしれない。
だけど、少なくとも彼女は自分とともに過ごすことを望んでいたように受け止められる。
すると、アンジュはフェリクスの瞳を真っ直ぐ見つめて口を開く。
「私はあなたに惹かれていたわ。好きと言ってもいいのかもしれない」
好き。
彼女から聞くとは思わない言葉をフェリクスは信じられない思いで受け止める。
だけど。そう言ってアンジュは続ける。
「やっぱり宇宙の女王の座は諦められなかったし、そもそも役目を放棄してはいけないと思った」
仲を深めていく過程においてふたりで議論した女王という立場について。
彼女がその後どのように考え、そしてどのような結論にいたったのか直接は聴いていない。
だけど、女王になったという事実が何よりもはっきりとした答えなのだろう。
そしておそらくそのために犠牲にしたものもあるのだろう。
そう考えを巡らせるとあの日、アンジュが自分の想いを受け入れなかった理由も見えてきた気がする。
ただし、それは自分にとってとてつもなく都合のよい考えに思えてならないが。
「本当は気づきたくなかった。フェリクスのサクリアがなくなっていることを。
でも、たくさん育成するようにお願いしても、守護聖になったばかりで力の扱いに慣れていないカナタと同じ程度のときもあった。
それで王立研究院に行ったり、ユエに聞いたりしたの」
聞いててなるほどと思う。
彼女をあちこち見掛けることがあったが、おそらく自分のことを探っていたのだろう。
「みんな思うことはいっぱいあるし、実際口でもいろいろ言うけど、でもフェリクスが大切な気持ちは本物だったかと思う。たくさん考えてくれた。だけど、『自分たちではどうしようもできない』というのが結論だった。
……だから私も覚悟を決めたの。女王になることがあっても、フェリクスと過ごせるのはほんのわずかだって」
今にも泣き出しそうな顔を見て思い出す。自分が想いを告げたときの彼女もこんな感じで戸惑っていたことを。
「私だってフェリクスが聖地からいなくなることを考えるとやりきれない思いになるわ。そしてその後、他の女性と幸せになるなんて、考えたくもない。だけど、そんな自分の気持ちよりもフェリクス、私はあなたに幸せになってほしいと思ったの」
アンジュはそこで一息吐く。そして続ける。
「フェリクス、前に話していたでしょ。過去の嫌なことは忘れるって。だからもし聖地から離れることがあったとしても、私との想い出を嫌なものであればすぐに忘れられると思ったわ」
その言葉を聴いて実感する。
彼女はやはり女王になるだけの器を持った人物だと。
自分の気持ちよりも広い視野で物事を見つめる。
そしてだからこそ宇宙意思に選ばれ、そして守護聖の信任を勝ち得た。
出会ったばかりの頃の考えの浅いアンジュに辟易としていたことを考えると彼女の成長は喜ばしい。
だけど、だからこそ個人としての彼女が気がかりになる。そして、そんな風に思っているひとりの男性がいることを忘れないでほしかった。
「あいにくだけど、君という存在は簡単に忘れることはできないよ」
その言葉をどう受け止めたのだろう。
アンジュは目を見開きながらフェリクスを見つめてくる。
「僕は君に出会えてよかったと思っているし、君を好きになれてよかったと思っている。もし聖地を離れることがあっても、君という存在はいつまでも僕の心の中で輝き続けるよ。美しい夢としていつまでもね」
アンジュに想いを告げ、そして拒絶の言葉をもらったその日、実感したことはアンジュという存在の大きさ。
そして、彼女と出会ってよかったという心から感じた。
そんな大切な女性をやすやすと簡単に忘れられるわけがない。
「それに君も気づいているだろう。僕のサクリアが不安定になっていたのは女王の不在が多かった。先のことはわからないけれど、しばらくの間は安泰だよ。何せ君という存在がいるからね」
先ほどは不安で泣きそうになっていた瞳であったが、今度は別の感情が込もっているような気がする。ほんのわずかに頬が赤みを帯びていた。
「もし君が君自身の幸せを手放したことの原因が僕であったとすれば本当に申し訳なかったと思う。
だけど、許されるのであればこの力ある限り僕は君の傍にいたいんだ」
おそるおそる放つ言葉。
さすがに同じ女性に二度も振られることは避けたい。
そう思っていたが、アンジュも似たような想いを抱えていたのだろうか。声を震わせながらフェリクスを見つめてくる。
「私、あんなにひどいことしたのに、それでもいいの……?」
その言葉にフェリクスは首を横に振る。
「こうして女王になって、そして僕のサクリアを安定化させた。それだけで僕は十分だよ」
「フェリクス……」
自分の名を呼ぶその声に甘さが含まれていることを感じ、フェリクスはアンジュの顔に自分の顔を近づける。
今回の別れは避けられたものの、守護聖と女王という立場上、いつ別れが来てもおかしくはない。
だけど、たとえ今の幸せが刹那的なものであったとしてもせめて今だけは甘受したい。
そして、そのためにふたりで手を取り合っていきたい。
そんな誓いのような口づけであった。