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    vi_mikiko

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    vi_mikiko

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    降志ワンライ27回開催のお題お借りしました
    そろそろ書き始めないとやばいのでリハビリ
    CP:降志
    時間:30mくらい
    お題:「卒業 家探し 嘘でも良いから」

    卒業 家探し 嘘でも良いから 引っ越しとなると突然部屋が広くなる。比喩ではなく事実だと思う。ラベンダー色のベッドもサッカーチームのマグカップも、機能性を追い求めたデスクも研究所顔負けの薬品分析装置も、この狭い空間にあったと思えない。
     彼女の存在がこの部屋に質感を与えていた。時には麗らかに、時には冷ややかに、時には柔らかに。宮野志保は、空間を彩る芳香剤のような女性だった。
     規則の通り公安警察が用意していた家に住み、一日の行動を報告し、与えられた任務をこなしていた。もう、国家の庇護から卒業する時期だった。
     ブラインドから差した細い光が細かい埃を捉える。瞬きした瞬間、家主をなくした彼らが自然と群れを成し、その影を形作る。
    『来年からも、一緒に住む?』
     彼女の顔が目に霞み浮かぶ。
    『なーんてね』
     その眼差しは、壁掛けのカレンダーの四月一日を捉えていた。
     カレンダーを見る前、彼女は僕を見ていた。
     僕の反応を見ていた。一瞬の間が、命とりだった。
     嘘でも良いから一緒にいたかった。
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