次までお預け「おい、ちふゆぅ大丈夫か、家ついたぞ」
場地さんの声が聞こえ、薄らと目を開けると見慣れた玄関。
やっと家に帰ってきたという安心感と同時に気持ち悪さが込み上げてきた。
完全に飲みすぎたと後悔しても今更遅い。
目を瞑っても世界がグルグル回ってる感覚にさらに吐き気を催した。
「…ぅう、きもちわりぃ…」
「酒弱いくせに見栄張って飲むからだろ…」
隣からは呆れたように、場地さんの深いため息が聞こえた。
「あとはもう寝るだけなんで…すみません…」
これ以上は迷惑をかけられない。
場地さんにお礼を言うため、頭を下げようとした瞬間、ぐわんと一気に視界が揺れる。
思っていたよりも足がふらついていて、バランスを崩し、玄関の段差に躓いてしまった。
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