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    ギギ@coinupippi

    ココイヌの壁打ち、練習用垢
    小説のつもり

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    ギギ@coinupippi

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    続くは解らないが書いてみた。
    ココイヌが契約結婚する話。
    同性婚が承認されている世界の話。

    ココイヌ契約結婚1俺はイヌピーだ。勿論本名じゃない、昔からそう呼ばれているし今もそうだからイヌピーで良い。
    本当は青宗なんていう大層な名前を持っているが、今となってはその名で呼ぶ人間は居ない。
    何故ならば俺は所謂天涯孤独の身というやつだからだ。
    家族は小学生の頃、家が燃えて姉が死んでそのまま一家離散してしまった。
    ガキだった俺は父方の祖父母が気の毒がって引き取り育ててくれた。
    そのせいか偶に年寄り臭い、と言われたりもするがそれは祖父母が俺を哀れんで大事に育ててくれた証でもあるから悪くないと思う。
    高校まで出して貰ってそれから2年地元でバイトして俺は働き先の無い田舎から東京へと職と住む所を求めて上京した。
    祖父母はとても心配していたが、暫くは高校時代の友達の所に世話になると伝えめてある。
    自分でも思う程無愛想で無気力な俺に友達等、勿論一人も居ない。居ないが年老いた祖父母を心配させない為に架空の友達を作り出した。
    就職先が決まって落ち着いたら連絡するからと告げて家を出た。
    玄関の先まで見送りに来た祖父母はいつの間にか俺よりも小さく丸まっていて、苦労を掛けたのだろうなと思った。
    そんな感じで天涯孤独とは言ったが、祖父母は居る。
    だがもうあの人達には十分に世話になったので、迷惑を掛けないように今後二度と会わないつもりだ。
    金が出来たら匿名で仕送りとかはしたいけど。
    だが俺には何の資格も無ければ特技も無いから当然仕事にもありつけないのだろう。
    東京の片隅で野垂れ死にするのがせいぜいなんだろうな。
    この世に未練も無ければ希望も無い。俺の人生は家が燃えて姉と共に終わったのだと思う。
    その頃からもうずっと何も楽しく無かったから。
    行く宛も無く東京に着いて有名な繁華街を彷徨いていたら、男に声をかけられた。
    黒髪で細身のスーツの如何にも東京のビジネスマンといった風貌のその男は、見知らぬ男だった。

    「あんた暇してるだろ?金欲しくない?」

    見知らぬ男はとんでもなく怪しい言葉を初対面の俺に投げ掛けて来た。
    金は欲しくないと言ったら嘘になるが、俺みたいな奴が金になる事と言えば犯罪の片棒を担がされるか臓器を売られるか。多分そんな所だろう。

    「…犯罪者にはなりたくねぇ」

    他を当たってくれ、そう告げて立ち去ろうとしたが男は整った目鼻立ちに胡散臭い笑みを浮かべて俺の進路に立ち塞がった。
    一見細身の優男に見えるのにその身の熟しからコイツは普通のビジネスマンとかじゃないなと思った。
    祖父母にはバレない程度だったが、中高と俺もそれなりに喧嘩とか不良みたいな事はしてきた。
    だから何となくそういう雰囲気を察する事は出来る。

    「犯罪とかじゃないんだって。…バレなきゃ犯罪じゃないし絶対バレない。平気だから話だけでも聞いて」

    「あんためちゃくちゃ怪しいぞ」

    「いや解ってる、確かに今の俺は怪しいな。いつもならもうちょい上手くやれるんだ本当だ。」

    余裕そうに笑みを浮かべては居るが何だか少し焦っているような様子でどうしようか、と目の前で男はスーツのポケットを探りながらこれ、と1枚の名刺を差し出してきた。

    「東京卍プロダクション…」

    「そ、モデルとかコンパニオンを派遣したりイベント企画とかやってる会社の一応経営者ってやつ」

    「きゅ、…い、いち」

    「九井一、ここのいはじめな。ココで良いぜ」

    「俺はイヌピーだ」

    こんな怪し気な男に本名を名乗る筋合いは無いからあだ名で返してやるとイヌピーか、可愛いなと笑われた。
    俺と歳も変わらなさそうな若い奴の癖に社長なんてやってて凄いとは思うが、そんな奴が俺みたいなフラついてるだけの男に声を掛けるなんて増々碌な用件じゃ無いだろう。

    「それじゃ、イヌピー。どっかで飯でも食いながら話し聞いてみない?飯何でも好きな物奢るからさ」

    そんな事を言われても着いて行く訳がねぇ、と言おうと思ったのだが俺は腹ぺこだった。
    地元のガソスタで安い時給で稼いだ金なんて置いて来たし、一万円だけ持ってきたのも交通費だけで殆ど無くなった。
    もしかしたら人生最後の飯になるかもしれないのなら、うんと高い物を奢って貰うのも有りかもしれない。

    「んじゃ、普通じゃ食えないデカイ肉とかでも良いの?」

    「肉が食べたいの?いいよ、それなら俺の行きつけの鉄板焼き屋に行こう」

    ここのい、ココとか言った男はあっさり了承すると俺を逃がすまいとするみたいに手首を掴んであっという間に近くに止まっていたタクシーに乗せた。
    それが俺とココの始まりだった。






    ココと出会ってから1ヶ月。
    俺は東京という大都会でどうにか生きていた。
    どうにかどころでは無いくらい豪華なマンションで贅沢品に囲まれて暮らしている。
    何でかと言われれば、東京に上京して来て3日後には俺は人妻になっていたからだ。
    人妻と言ったが俺は男だ。何でも東京ではつい2、3年前に同性婚が正式に認められたとかで俺もその仲間入りをしたらしい。
    と、言うのも東京に来て直ぐに俺に声を掛けて来た怪し気な若い男。九井一という男に金も払うし衣食住も約束するから、結婚してくれないかととんでも無い話を持ち掛けられ俺がそれに乗ったからだ。
    あの日目の前で脂の乗った見た事も無い厚さのステーキを焼かれながら、ココに突然プロポーズをされステーキに気を取られていた俺は別にいいけど、と適当に相槌を打った。
    結婚たって、どうせ知らない者同士な訳だし戸籍を貸せとかそういう事だろうと思ったからまあ良いやと思ったのだ。
    借金背負わされたり土地売られたりするのだけは無理だけど、と言えばそんな事しないしちゃんと弁護士立てて契約書も作るからと言われた。
    つまり、契約結婚というやつだった。
    ココは会社をいくつか経営している若手社長というやつらしく、鉄板焼き屋にもココが表紙になってる小難しそうな雑誌が置いてあった。
    そういう立場になった途端、ココには見合いだのなんだのと煩わしい話題が毎日のように持ち掛けられるようになったらしい。
    それをいちいち断ったり、相手に依っては見合いの席に顔を出せねばならかったりととにかく煩わしくてどうにかしたかった。
    そして考えたのが、結婚してしまえば良いという事のようだ。
    しかも相手は女ではなく、男であれば尚都合が良い。
    ココが女では無く男が好きなのだと広まれば今度は男が送り込まれてくるんじゃないのかと思ったがココの狙いは正にそれらしい。
    相手が男であれば心の底から断れるし良心も痛まない。その上万が一薬を盛られ…なんて事態が起きても男ならば妊娠したなんて事も避けられる。
    それに結婚してしまえば堂々と自分は妻一筋で妻の尻に敷かれてるなんて言い訳も出来るから都合がとても良いらしい。
    ココ曰く、イヌピーくらい上玉なら余計な口出して来る連中も居ないだろうとの事だがそこは同意しかねる。
    コイツは俺の顔にある火傷痕が目に入ってねぇのかと思って聞いてみたが、そんなもの気にならないくらいの美人だからな、と調子の良い事を言ってきた。
    よほど誰でも良いから結婚してくれる男を探して切羽詰って居たのだろう。
    そんな感じで運が良いのか悪いのか、俺は上京1日目で見知らぬ男に契約結婚を持ち掛けられ路頭に迷うような事にはならなかった。

    ココは俺と同じ歳の20歳らしい。それなのに会社経営なんかしてて金持ちででっかい家に住んでる。
    なんでも高校生の頃から既に経営を始めていたというから増々住む世界の違う人間という感じだった。
    庭からは山と畑と田んぼしか見えなくて夜中になると獣の声が聞こえて家の中にはしょっちゅう虫が入って来て、隣近所は先祖の代から末代までほぼ認知しあっているような田舎から出てきた俺とはまず育ちが違う。
    俺も一応小学生の中頃までは東京に暮らしていたがそれよりも祖父母の田舎に住んでた時間の方が長かった。
    それでもあの変化の無い田舎では俺はずっと東京者扱いで馴染む事は無かった。
    祖父母に引き取られたばかりの頃は顔の半分は包帯が覆っていたからそれが気味が悪いと遠巻きにされたり、同情されたりもしていた。
    包帯が取れたあとも火傷の痕は残ってたからそれはガキには格好の揶揄いネタだったらしくそれはもうゾンビだの何だのと色々言われてきた。
    それでも何とか20歳まで成長出来たのは祖父母が愛情を掛けて育ててくれたからだ。
    あの田舎に思い入れなんて特に無いが祖父母だけは大切にしたいと思えるのはそういう事があったからだ。
    ココと会ったあの日、そのまま自宅だというマンションに連れて来られて空いてる部屋があるから好きに使ってくれと俺にも個室が与えられた。
    清潔で真っ白なベッドとソファとテーブルとテレビまであるその部屋はテレビでしか見た事が無いような物たちばかりで居心地が悪く初日は床で毛布に包まって部屋の隅っこで眠ってしまった。
    少ない着替えしか入ってない薄っぺらいリュックの中を見てみると底の方に封筒が入っていて、中には万札が数枚とばあちゃんとじいちゃんからの手紙が入っていた。
    老夫婦二人決して裕福なわけじゃないのに、俺がバイトして家に入れてた金を殆ど貯金して手渡してくれたらしい。
    手紙にはい体に気を付けて、元気に生きろと書かれていた。
    きっと二人は俺がもう帰る気が無い事を解ってたんだと思う。
    二人の気遣いに感謝と切なさが込み上げて来て、少しだけ泣いた夜だった。
    朝俺を起こしに来たココは床で寝てる俺を見て驚いた顔をして、ここで寝ても良いんだ、ベッドって解るか?とまるで未開の地から来た人間に接するように話し掛けて来たから笑った。
    次の日には本当に弁護士を名乗る男がやって来て俺と結婚がするに当たってのこんぜんけーやくってやつを色々細かく取り決めていった。
    小難しい言葉遣いが理解出来なくて面倒で、好きにしてくれと投げやりに言ったらココからこういうのはちゃんとした方が良いんだと真面目に諭されてしまった。
    やっぱりそういう所はココはもうしっかり社会人なんだなと思わされた。
    とはいえ、殆ど内容は覚えていない。覚えているのは入籍してもお互いに別にパートナー、つまり恋人とかを作るのは良いってのとか外では夫婦として振る舞う事とか、なんかそんな感じだったと思う。
    そして次の日には婚姻届に名前を書かされあっという間に俺は乾青宗から九井青宗になってしまった。
    展開が早すぎてよく解らないがココという男が変わってるのだけは解った。
    だって幾ら切羽詰ってるからってその辺を歩いてる得体のしれない男と結婚しようなんて普通は思わない。
    しかも衣食住は保証するなんて聞いたけどこんな金持ちだなんて、もっと警戒してもおかしくないと思う。
    俺は調べられても特に困る経歴は無い。両親は居ないし家族と呼べるのは祖父母だけで、その祖父母に迷惑掛け無いように警察沙汰とかも起こしてない。
    逆に何か特殊なスキルがあるだとか高学歴だとか言うわけでも無い。
    文字通り俺には隠すべき過去も何も無い。
    だからこそこんな金持ちの家に放り込まれたら例えば高価な物を窃盗さて逃げるとかそういう事を考え無いのだろうか。
    気になって聞いてみたらココは無くなっても買い換えられる物ばなりだし別に良いと何でもないように言ったから金持ちっていうのはそんなものなのかと思った。

    ココという男の事は何も解らない。
    会社を幾つも経営していて、同じ20歳で髪は黒くて清潔感のみある短さ。
    目元がスッと涼し気で頭良さそうな感じのイケメンだと思う。
    身長は俺より少し低いけど平均で体は痩せ気味でなんか良い匂いがする。多分香水をつけている。
    田舎にはまず居ないタイプだ。ココが田んぼに囲まれて牛の世話してる所なんてまるで想像がつかない。
    生まれながらに都会の男といった感じか。
    そんで難しい言葉をいっぱい知ってて頭の回転も早いし口も達者だな。
    俺は祖父母以外と話す事は殆ど無かったし、1日全く声を発しない日だってあるくらいには無口だからココを見てるとよく喋るなと思う。
    だからと言ってうるさいというタイプでも無く、相手を楽しませる話術を知ってるみたいなそんな雰囲気だ。
    社長だから金持ちだろうし頭も良くてイケメンだから多分凄くモテるんだろう。
    それなのにわざわざこんな野暮ったい俺みたいな田舎者と結婚してしまうのだからやはり変わっている。
    それからココは物凄く忙しいらしく、スケジュールは分刻みで組まれているらしい。
    朝になると秘書だとかいうガタイの良い男がやって来て社長の本日の朝の予定は〜とか言ってくる。
    きっちりスーツを着込んだ秘書だというその男は元ラグビー部で見た目は体育会系だが高学歴の頭の良い奴らしい。
    あまり笑わないが丁寧な口調の男は寝起きでぼけーっとリビングのソファに座っている俺に「おはようございます奥様」って言ってくる。
    奥様って誰だってぽかんとしてたらココが笑ってイヌピーの事だよって言ってたから俺は奥様らしい。変なの。
    そんな感じでココとは結婚したとはいえ、殆ど一緒に居る時間は無いからあまり会話らしい事もしていない。
    だから全然ココという人間の事は解らない。
    解らないがマメらしく、毎日リビングのテーブルに花束を持って帰ってくる。
    それを毎日11時にやってくる家政婦のおばちゃんが花瓶に活けてるのを何となく見てたら、おばちゃんが奥様にいつもこんな綺麗なお花ご用意して素敵ですねと微笑まれた。
    意味がわからず首を傾げてるとおばちゃんは花束にいつもメッセージカードが入ってると教えてくれた。
    おばちゃんが全部リビングにある棚に綺麗にしまって置いてくれたらしく今までの数枚のカードを見せてくれた。
    それにはイヌピーへ、と書いてあって初日の物らしいカードには『今日からよろしく ココ』と印字されててそれからも毎日今日は寒いから暖かくとか、ちゃんとベッドで寝るんだぞ、とかそういう他愛も無い内容が書かれていた。
    時間が合わず会話が出来ない事へのココなりの配慮なのかも知れない。
    どういうつもりかは真意は解らないが結婚したとはいえ、契約結婚なのだからそんなに気を使わなくても良いのに律儀な奴だと思った。
    俺はそのカード達を受け取って部屋のテーブルの引き出しに突っ込んだ。
    それから毎日朝はテーブルの上の花束を確認する事にしている。
    その間俺は何もする事も無くぼんやりと1日を過ごしている。
    朝は一応ココが起きてきたら俺も起きて挨拶してココが家を出るまでリビングに居るが、お互い知らない者同士だから会話らしい会話も無い。
    ココは朝は新聞や雑誌に目を通すのに忙しそうだし、俺は朝の情報番組をぼんやり見てるだけ。
    おはよう、いってらしゃいぐらいしか会話をしてないと思う。
    家事は祖母から仕込まれて人並みには出来るが家政婦のおばちゃんが来るからやる事は無い。
    自由に出掛けても良いと言われ、クレジットカードを渡されたが東京に知り合いなんて居ないしクレジットカードなんて怖くて使えない。
    東京は詐欺が多いから直ぐ金を騙しとられたりすると聞いた事があるから尚更だ。
    それに特に不自由はしてないし欲しい物だって無い。
    下着から服から一通りの物はココが初日にデパートに連れてって全部揃えてくれた。
    寝る時だけは着慣れた毛玉だらけのスウェット着てるけど。
    つまりやる事が何も無い。暇で暇で仕方が無い。
    何かバイトでも、と思ってコンビニの面接に行ってみたが住所がこの高級なマンションだから冷やかしかと思われて断られてしまった。
    このまま無意味に時間を過ごしてていいのかと毎日思うから次にココと話す時間が出来たら相談してみようと思った。
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    💘💘👏💖👏💖👏💗💗💗💗💗💒🈁🐶💒🇱🇴🇻🇪👏😭💯💯💯👏👏👏💖💖💖👍👏👏💖💖💖💞❤👍👏☺💖💖💖💯💯💖😭💗💗💗💯🙏☺🙏💖💖❤
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    ギギ@coinupippi

    DONEココイヌだけどココは出て来ない。
    またモブが出張ってる。
    パフェに釣られてイヌピーがJKからココの恋愛相談を受ける話。
    逞しく生きる女の子が好き。
    特大パフェはちょっとだけしょっぱい。乾青宗はその日の夕方、ファミレスで大きなパフェを頬張っていた。地域密着型のローカルチェーンファミレスの限定メニュー。マロンとチョコのモンブランパフェは見た目のゴージャス感と、程良い甘さが若者を中心に人気だった。
     そのパフェの特大サイズは3人前程あり、いつかそれを1人で食べるのが小学生からの夢だった。しかし値段も3倍なので、中々簡単には手が出せない。もし青宗がそれを食べたいと口にすれば、幼馴染はポンと頼んでくれたかもしれない。そうなるのが嫌だったから青宗はそれを幼馴染の前では口にしなかった。
     幼馴染の九井一は、青宗が何気なく口にした些細な事も覚えているしそれを叶えてやろうとする。そうされると何だか青宗は微妙な気持ちになった。嬉しく無いわけでは無いのだが、そんなに与えられても返しきれない。積み重なって関係性が対等じゃなくなってしまう。恐らく九井自身はそんな事まるで気にして無いだろうが、一方的な行為は受け取る側をどんどん傲慢に駄目にしてしまうんじゃ無いかと思うのだ。
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