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    saku2442

    pdl 荒新の字書き
    幸せな推しの妄想をするのが日課です

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    saku2442

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    高校生荒新+黒田くん
    着替え中に荒北さんの体にあるものを見つけて、はぁ?となる黒田くんのお話

     いつもの放課後、いつもの部室。そしていつも通り先輩が着替えをし、オレも同じように着替えている。
     そういつもと変わらない風景だが、ひとつだけ違うのは今オレはこの人と二人きりだということだ。部員数が多いこの自転車部で、ロッカーで誰かと二人きりなんてまずない。あったとしてもよっぽど早いか、遅いかのどちらかだ。ちなみに今はそのどちらでもない。かといってこの状況に困っているわけでもないので、特に気にすることもなく着替えている。
    「あ、そうだ! 荒北さん、今日久しぶりにしょう、ぶ……」
     してくれませんか。そう続けるはずだった言葉を、オレは最後まで告げられなかった。
    「あァ、んだって?」
     さっきまで着ていた制服のシャツは脱ぎ捨てられ、今荒北さんは上半身裸になっている。バッグの中のジャージを探しているのか、背中を向けたまま聞き返してきた。
     その背中には、どう見ても引っかかれたとしか思えない傷が何本かみみず腫れになってついる。まぁ、それはいいや。いつものことだから……いや、本当はよくない。自重しろよ! 塔一郎や葦木場に見つかったらってハラハラすんだからな。なんでオレがあんた達の性事情に気ィ使わなきゃなんねぇんだよ! といつも心の中ではツッコミを入れている。
     あぁ、話が逸れた。それよりも、今オレが驚いているのはこの人の肩にくっきりとついた歯形のことだ。
     えーと、これは新開さんがつけたのか?
     新開さんじゃなきゃ誰がつけんだよ! あの人にベタ惚れの荒北さんが浮気なんかするわけねぇじゃん。だからこれは、新開さんがつけたってことで間違いないはず。そう、なんだけど……新開さんが噛みつくってどういうことだ? 逆はよくある(着替えの時や風呂で見たくもないのに、見えてしまう)けど、これは初めて見るぞ。
     荒北さんが新開さんに噛みあとをつけるのは、絶対マーキングだ。独占欲の強いこの人がやりそうなこと。でも新開さんはどうなんだ? たまにキスマークつけてるのは知ってたけど、噛みあとつけてまで独占するようには見えないのに……。
    「おい、黒田! だからなんだつーの」
     オレが思考の渦にのまれている間に、荒北さんはすっかり着替えを済ませていた。そして腰に手をあてダルそうにたちながら、急に黙ってしまったオレを怪訝そうに見据えている。
    「あ、いや」
    「んだヨ! ハッキリしねェな」
     ハッキリ言っていいのかよ! 昨日はずいぶんお楽しみだったんですね、とか言うぞ。それとも、もう少し気を使わなきゃいけないこっちの身にもなって下さい、のがいいか。
     人の気も知らず面白くなさそうに、こちらを睨む荒北さんにだんだんイライラしてくる。この人がこういう人だってのはわかっている……わかっていても、カチンくることはあるんだ。
     こうなったら言ってやる! 幸いここにはオレとこの人しかいないんだ。たまにはオレだって、この人をからかってもバチはあたんないだろ。
    「いえね、珍しいなって思ってたんですよ」
    「あ?」
    「ここ、昨日は新開さんずいぶん積極的だったんですね」
     トントンと自分の肩を指で叩きながら、挑発するように口端を上げてやる。そんなオレを眉根を寄せ見ていた荒北さんは、視線をすっと自分の肩口にずらした。そうして何かに気づいたのか、またこっちを見てニィッと口角を上げおもむろに口を開く。
    「あいつ昨日、スッゲー敏感になってて声我慢できなかったんだよなァ。だから噛ませたんだヨ。……オレが」
    「は?」
    「じゃねェとあいつ自分の唇噛むんだぜ。あのやわけー唇に傷とかつけたくねェだろ」
     くつくつと楽しそうに笑い、荒北さんはオレの肩に手を乗せた。
    「ま、それ知ってんのはオレだけ……なんだけどなァ」
     耳元にひどく雄臭い声で囁き、荒北さんはそのまま部室を出て行く。
     なん、だよ……あれ! くそっ、完全にオレの負けじゃねぇか……。つーか、あんなん勝てるわけねーだろ。あーーーーっ! 余計な首突っ込むんじゃなかった。
     今となっては後悔しか出てこない。結局オレは塔一郎が扉を開け部室に入ってくるまで、悔しさにひとり頭を抱えていたんだ。
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    saku2442

    DOODLE大学生荒新
    お昼時にメッセージのやり取りをする荒新のお話。待宮さんも登場します。
    だって、君は特別。
     うどんを一口すすったところで、テーブルの上のスマホが震えた。すぐに止まったそれは、通知を知らせるためにピカピカ光る。箸を置き、代わりにそいつを手に持った。素早くロックを解除し、送り主を確認すると想像していたヤツからのメッセージ。
    『うまそうだろ!』
     その一言と共に送られてきた写真。そこには分厚いカツの乗ったカレーが写っていた。昼食にしては中々のボリュームだが、こいつなら平気で平らげるだろう。口いっぱいに頬張り、幸せそうに食べる姿を思い浮かべ自然と口元が緩む。
    『うまいからって早食いすんなよ』
     そう文字を打ち込んでから、テーブルへスマホを置き食事を再開させた。
     新開はこうして、自分の食べる物を撮ってよこすことがある。それ以外にも澄んだ青空、季節の花や路地裏の野良猫。何気ない日常を切り取ったようなそれらに、オレはいつも癒やされている。本音は恋人の写った写真の方がいい。けど自撮りが下手なこいつは、まともな写真をよこしたことがなかった。たまに福ちゃんが送ってくれる写真の方が、よっぽど上手く撮れている。
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