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    とびうお

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    とびうお

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    シチカル小説進捗③

    なにがどうしてこうなった…?
    きっとここから🌹が本気出し始める…のか…?
    シリアス消えていく未来しか見えない



    ごめんねお仕事溜まっちゃってたと放課後になって汗を流しながらバラムが謝ってきた。
    少し残業するから終わったら迎え行くからキミの家で待っていてくれと頼まれた。
    仕事は計画にしろよと舌打ちをする。まあ風呂にも入れて身だしなみを整え直せたから良しとするかと、タオルで頭を拭きながら寝室に入った。

    「確か読みかけの本をここに…」

    チラチラと部屋を見ても見当たらない。
    何せ記憶がなくなる前の曖昧な記憶なので仕方ないのだがと肩を落とす。

    「あ……日記」

    そうだ。なんでそんな大事なことを思い出さなかったのか。俺は昔から日記をつけてる。なら抜け落ちてしまった記憶のことも、バラムのことも…そしてアイツことも書いてるに違いない。魔法陣を手に出して、鍵を一つ取り出す。机の引き出し二段目、鍵を差し込み開けばお目当てのものはそこにあった。分厚めの本のような日記を取り出せば奥からコロコロと瓶が転がってきた。

    「…なんだこれ」

    日記帳を机に置き、瓶を見てみれば「眠剤」と書かれている。俺が最近飲んでいたということか。確かに昔から寝つきは良くない方だが、薬に頼るほどになっていたとは。

    「一日四錠服用…っということは」

    瓶を振ってみればコロコロと小さな音を鳴らす。

    「きっちりあと一回分残ってるじゃないか」

    しかし記憶をなくしてからは俺は別に寝つきはも悪くないしそれなりに睡眠は取れてる。
    ならこれは今は必要ないか。それに何より覚えてないものを口に入れるというのはなんだか気が引けた。もう一度瓶を振り、俺はそれを近くのゴミ箱に投げ入れた。

    コンコンと部屋の窓が叩かれる。見上げればそこにはヒラヒラと手を振って羽を広げているバラムがいた。
    ため息を吐きながら、俺の身長より高いその窓を開ける。

    「お前な…玄関から来い」
    「ふふだって早く会いたかったしちゃんと脚拭く用のタオルもここに…あ、お風呂入ってたんだ」

    バッと俺は慌ててタオルで自分の頭を隠した。
    それを不思議そうにバラムは見つめてくる。

    「どうしたの?」
    「セットも何もしてないだらけた姿を他人に見られてたまるかッ」
    「……うん、ごめんねぇ」
    「今準備してくるッ勝手に入ってろ」
    「はーい」

    走るように俺は隣の部屋へと行った。

    『早く会いたかったし』
    「な、何をアイツを恥ずかしげも無くあぁも…」

    足音をたてて鏡の前に座れば、火照っている顔が映る。

    「????」

    汗ばんだ顔に触れれば、顔は風呂上がりより熱い。ブルブルと顔を振って、気合いを入れるように自分の頬を叩いた。

    「(__今俺は何を考えた…?)」

    やめだやめだともう一度頭を振る。
    髪に櫛を通しながら乾かしては、髪を固めようとワックスを手に持った瞬間背筋がピンっと張った。じわりと汗をかいては先程までの自分の行動を思い出して、"アレ"をどこに置いたか。髪を固めることなく椅子を倒して俺は走り出し、もう一度寝室の扉を勢いよく開けた。

    「バラム!!」
    「___」

    お約束すぎるほどにバラムは机に置いたままの日記を手に持っていた。じっと奴は俺を見てくる。

    「中身見てないだろうな!?」
    「見てないよ」
    「そ、そうか。ならいい」
    「これ日記?」
    「あぁ。書いていたことを思い出してな。記憶を戻すきっかけになると思って見ようと…」

    だから、な?返してくれとゆっくり近づき手を差し出せばボンと大きく音を鳴らした。

    「____は?」

    目の前で日記は赤く燃え上がる。

    「はァァァアアア!!??」

    分厚い日記帳は黒い炭となって宙に舞っていくそれをバラムは気にした様子もなくただ見つめると、燃え尽きた瞬間炎を消しては手に着いた炭をはらった。

    「おまッ…な、なにを…」
    「あ、ごめん床汚しちゃった」
    「そこではないだろうが!?」

    態とバラムは目を細めた。あぁそうかそういう事か。

    「私に喧嘩を売りたいと…そういう事だな?」

    人の私物を勝手に燃やすとはいい度胸だ。手をかざせば、稲妻が走り背後からゆっくりとケロベロスが顔を覗かせる。一歩、ケロベロスが足を出した瞬間、バラムに向けた腕、バラムに怒りを向けようとした口は太い植物に阻まれる。

    「ッ!?」
    「ねぇカルエゴくん、そんなに"アイツ"を思い出したい?」

    体どんどん植物の縛られる。力が抜けた瞬間、ケロベロスも姿を消してしまった。いや、俺が無意識に消してしまった。光を無くしたバラムの瞳に完全に呑まれたのが俺の敗因。
    ゆっくりバラムが近づいてきては、俺の頬をデカい手で包んだ。

    「ッ…」
    「…記憶を無くす前のキミは、僕がこうすれば耳を赤くしたんだ。__あぁよかった、前は拒否られちゃったけど、少し赤いね」

    離せよと振り払いたくとも、バラムの瞳から目を離せない。カチャリと音を鳴らしてはバラムはマスクを床へと落とし、むき出しになった牙を鳴らしてじっと俺を見つめ続けた。
    記憶をなくしてから初めて見た、怒りに満ちているであろうそのバラムの顔に、頭で違うと拒否をしても体が熱を持ち始める。
    口だけでも拒否りたくとも塞がれたままで何もできない。俺自身がそれをしようとしない。

    「(__なんでだ…ッ)」
    「キミ、僕にずっとそんな反応するのに他の悪魔にもしてたの?」
    「(違う!!俺はそんな反応お前にしてないッ!!)」
    「……他の悪魔を思い出すくらいなら、僕のこと忘れたままでいい」
    「ン"ゥー!!」
    「…欠けたキミの記憶は僕が教える。それじゃダメ?」

    ゆっくり静かに魔力が消えていく。体が解放され床に座ったと思うと、今度はバラム本人に体を強く抱き締められる。

    「僕のことずっとシチロウって呼ばなくていいから…だから」
    「___」

    正直状況が飲み込めないまま、バラムの牙だけが首に当たったことだけが理解できた。
    このままこの大きな背中に手を回していいものか、俺は手を浮かしたまま固まる。

    「…悪い、私はまた何かお前を傷付けることをしたのか」
    「……」
    「なぁ私はどうお前と接するのが正しいんだ。…今この状況は本当に正しい接し方なのか?私は…今…お前に何をしてやるのがいい」
    「…そんなのわかんないよ」

    きゅっと伸びかけた手は再び下げては拳を作った。強くバラムの胸を押し返せば、バラムはまた情けなく目を細め見つめてくる。

    「__ただ僕だけを隣にいさせてほしい」
    「___」

    こうやって手を取られることが本当に正しいことなのか?また抱きしめられることが許させることなのか?

    「(__そんなことしていいのも、してもらいたいのも全部"アイツだけ"なのに)」

    求められるこの声が、抱き締めるこの腕が、俺の体温を上げる。
    今すぐ「いいよ」と「わかった」と伝えたい。お前が隣にいたいと言われた俺の心は強く跳ねては喜んでしまっている。きゅっと奴の髪を掴んだ。

    「……お前のそれに応えることはできない」
    「_____」

    俺が好きなのは、俺が本当に隣にいて欲しいのは"アイツ"だけだから。

    「お前が辛いのなら記憶を忘れたままでもいい。アイツを思い出せなくてもいい、会えなくても、それでも構わない。けれど想いだけはアイツを好きだという気持ちだけは変えさせないでくれ」
    「…………………うん、わかった」

    小さな声でバラムはそう答えた。

    ズルい言い方だったろうか。
    けれど、それでも俺はこんな形でも少しだけでもお前の隣にいたいと思ってしまった。言葉なんてただの建前だ。

    「(__本当はもう"アイツ"の事はどうでもいい。それでも俺はお前にその先の言葉を言えない)」

    俺はアイツを"好きでいなくちゃダメ"なんだ。だから__バラムの顔にかかった髪を撫でるようにしてはらった。顔は下を向いていてこちらを見ようともしない。
    今の俺と初めて会った時からずっとお前にそんな顔ばかりさせてしまっているな。

    「……もう店は閉まってしまっただろうか」
    「…うんそうだね」
    「夕飯、食っていくか」
    「うん」
    「待ってろ。簡単なものしか作れんが、用意してくる」

    ゆっくり立ち上がり、服についた砂埃をはらった。

    「…お部屋綺麗にしておくね」
    「あぁ頼む」

    _________________

    あの日から三日経った。早朝、ドンっと寝室の机に頭を打ち付け俺は項垂れた。

    「俺は…また…ッ」

    あの日から俺の夢にバラムが出てくるようになった。いつも抱き締められる夢だ。優しく頬を撫でられては、あの強い眼差しで俺を見てくる。

    「あんなッ酷なことを言っておいて、俺という奴はッ…!!!」

    ドンドンと何度も頭を机にぶつける。
    上手く寝れていない自覚はある。何度も自分に悪態をついたあと、ふとあるものを思い出した。

    「__そうだ。眠剤」

    ゴミ箱に捨てたあの謎の眠剤、もうそれに頼ろうとゴミ箱を除けば、綺麗にゴミ一つなかった。

    「あ?…そうかバラムがこの部屋を掃除したな。その時に捨ててしまったか」

    あぁとなると新たに眠剤を買ってくるべきだろうか。睡眠が深いと夢を見づらいという。このままアイツといい関係でいたいのならこんな夢を見るべきではない。時計を見てため息をついたあと、俺は制服に身を包んだ。




    「おはようカルエゴくん!」
    「!お…はよぅ」
    「何かキミ、今日髪乱れてない?」
    「あー…少し寝坊してな」
    「へぇ珍しいこともあるんだね」

    はは…と乾いた笑い声を出した。バラムは覗き込むように俺の顔を見てきたが思わず顔を背けるとバラムはむぅと目を細め、髪をふわっとさせた。

    「もーなんで目逸らすの!」
    「いや…なんとなく」
    「そんなに寝癖恥ずかしいの?」
    「…そういう事にしておいてくれ」
    「仕方ないなぁ」

    はいっと声を出すと、優しくバラムは俺の頭を撫でた。

    「ッ!!」
    「はい直ったよ」

    ビュンと素早くバラムと距離を置いた。今朝の夢のあとのせいかドッドッドと俺の心臓はうるさくなり思わず胸を掴む。

    「あ、あぁ…ありがとう」
    「どういたしまして。今日のお昼のBランチ、カルエゴくんが好きな物でるよ。よかったね」
    「そ、うか」
    「じゃあまたお昼に」

    バイバーイとバラムは笑顔で手を振ったので俺も恐る恐るそれを返す。

    「(__早急になんとかしなくてはッ!!)」

    早足で職員室に入れば、早速仕事に手にかかる。精神統一、もうこれしかない。ここ数日溜めてしまった書類に一気にとりかかる。この申請はダメ、この申請もダメ、ええい!!まともな申請書はないのかこの学校は!!!
    理事長から相も変わらず訳の分からない書類も数多く、余計にイライラが募っていく。何が精神統一だ。こんな仕事内容でそんなことできるかッ!!!!

    「ァ"ーーー!!!!」





    「はいダリ先生、これ頼まれてた資料です」
    「はいはーいどーも。っとねぇ、アレどういう状態?」
    「え?」
    「カルエゴ先生のこと」
    「あぁ…さぁ?僕も知りません」
    「ふーんそっか」

    ______________

    「カルエゴくーん!!髪結んでー!!」
    「………」

    昼食を持って来てみれば、バラムはやたらと書類に囲まれててんやわんやとペンを動かしている。

    「まとめるだけでいいのか?」
    「うん!おねがい!!」
    「…こ、こうか?」

    言われるがまま近くにあった、細いツルでバラムの髪をひとつに少し上にまとめてやるとニッコリと微笑んでありがとうと言ってきた。
    やたらと動く手を見ていると、知らぬ間にバラムは大きく息を吐いた。

    「お、終わったぁ…」
    「レポートか?」
    「へへ…うん溜めちゃってて」
    「お前なぁ」
    「そんなこと言って、キミも今朝仕事慌てて片付けてたくせに」
    「んぐッ…あ、あれは先払いだ」
    「なにそれー」
    「ささっと飯、食べるぞ」
    「はぁーい」

    大きく背伸びをしたあと、バラムの腕は俺の脇を掴んだ。ん?と声をあげる前に俺の体は浮き、当たり前のようにバラムが座る膝の上へと体を乗せられた。

    「…お、おい…これはどういうことだ」
    「キミは忘れてるけど、実は毎日こうやって食べてたんだよ?」
    「んなわけッ…」
    「流石にいきなりやるのはアレかなぁって思ったんだけど、そろそろ戻すのもいいかなぁって。僕もこの食べ方で慣れちゃってたから落ち着かなくてさ」
    「____本当に言ってるのか」
    「うん、嘘でこんなこと言わないよ」

    おい、過去の俺、何をしてるんだ!?
    男が男の膝の上に乗って食事をするだと!?意味がわからなすぎるッ
    グルグルと目が回るほど混乱してきた俺を差し置いて、気にした様子もなくそのままバラムは食事を始めた。いや待て本当にこの食べ方なのか!!?

    「どうしたの?食べないの?」
    「バラム…こ、この食べ方は…」
    「あ!お礼はいいよ〜約束したしね、キミの欠けた記憶は僕が教えるって」
    「いやッちがっ…」

    すっとバラムが俺の頬を撫でたあと、スプーンで掬ったものを口に近づけてきた。

    「はい、あーん」
    「あー…ってするかッ!!!!」

    机を大きく鳴らしては立ち上がり、バラムから距離を取る。頭の警告音が鳴り止まず、呼吸が荒くなった。

    「もーなにさ、食事中に」

    さもこちらが悪いみたいに睨みつけてくるバラムに余計に頭を悩ませた。上がる熱を必死に抑え、顔を手で覆い隠した。

    「_な、なぁバラム、ひとつ聞いていいか」
    「いいよ」
    「私は…その確かお前を振ったよな…?」
    「振ったね」
    「だ、だよな。だとしたらこれは色々とおかしいんじゃないのか…?」
    「何が?」
    「いや全部だ」
    「だから何が?いつものことだよ。キミとただの同級生のときもしてたんだから何にも問題ないでしょ」
    「(おいィ俺ェェエエ!!!)」
    「……だって知りたいんでしょ」

    バラムは俺の手を取ると優しくそれを握った。
    触られた手がドクドクと脈打つ、手袋越しの手に伝わらないこと汗ばむ。

    「キミが言う"正しい接し方を"」
    「……は?」
    「僕はこれからもキミを抱き締めるよ。背中に手を回すのはキミがその度に決めたらいい」
    「ッ…!」

    強く引っ張られ、バラムより軽い俺の体は簡単に奴の胸に体が納まると肩を強く持ち抱き締められた。

    「ね、カルエゴくん」
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    ❤👏👏💴💴💴❤💴💴💕
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    Replies from the creator

    とびうお

    PROGRESSシチカル小説できたとこまで。
    結末も何も相変わらず決めてない。
    書き上げれるかもわからない。
    需要あるかしららら〜
    未定好き嫌い好き。そんな子供騙しな占いをした事は何度もあった。いつかそれが"嫌い"だと変わらないかと願った。けれどそれは変わることなどなかった。自分の心に嘘がないのなんてわかってる。自分の心を騙せないのなんてそんなの遠に知っている。いつか来る未来に怯えて、いつか来る未来を恨んで、そんな事をいつもキミの隣で考える。キミの抗う姿を見上げていた。頑張る姿をずっと隣で見ていた。一緒に笑って、一緒に泣き言を言って、一緒にボロボロになった。
    キミと身長を並べる頃からそんな視線は熱のあるものへと変わっていった。少し抜かした頃にはそれは明確なモノへ名前が付けられるものへと変化をして、そこからは真っ直ぐキミを見れなくなっていた。好きになった罪悪感、手に入れられないと分かていた絶望感、そして彼を手に入れることができる幸福な名前も知らない架空の悪魔に嫉妬する日々。常に一緒にいながらも、その幸福な相手はどいつだと頭を悩ました。そんな子供ならではの葛藤が過ぎた頃、僕達は同じ職場で働くことになった。
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