いずレオ短文。やきもち 人類全てに好きと言って回るような奴に、いちいちやきもちなど焼いていたら、いくつ身があっても数日と持たないことは知っている。
自分のことをこいつは好きでいるだろうという自信はある。もしかすると、一番ではないかもしれない。けれども、捕まえておかなくても急に居なくならないのだなと、最近ようやく実感できたところで、自分の心も落ち着いているのを感じている。去年はぽっかり居なかった空間も、レオのいる生活によって埋められていっているのだ。
他の誰からも霊感を湧かせていても目くじらは立てないし、むしろそのくらい自由な方が、彼にとっても良いのだろう。
「れおくん、次は誰の曲作ってるのぉ?」
「ン~? ママの新曲」
床に這いつくばっているレオからさらりと返事があって、自分のこめかみがピクピクと動くのを感じた。
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