ひまわりが似合う ひまわりは揺れる。
万浬の視界には、あざやかな黄色の花たちがならんでいた。そよそよとたよりなく吹く風にのって、太陽を模したような大きな花がゆらゆらと揺られているのがきれいだ。
駅までの道、通りかかった小学校の前、花壇にはひまわりがひしめきあいながら咲いている。目を奪われてしまう、万浬は思わず足を止めていた。あかるい黄色の花びらがあざやかだ。まるで真夏の太陽を模したすがた。まぶしく感じてしまって、目をすがめている。
「……あれ? 万浬?」
少し先を歩いていってしまった蓮が、振り返っている。これは万浬がわるい。立ち止まったのに、かれに、なんにも言わなかったからだ。蓮は不思議そうな顔をしつつ、万浬のところまで戻ってきた。どうかしたのかとたずねてくる。
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