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    星明かりの交響曲展示物置き場。
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    【鷲上源一郎×朝日奈唯】
    スタオケ版深夜の60分コンサートのお題【記念日】で
    源唯を書かせていただきました。

    #源唯
    yuanwei
    #鷲上源一郎
    genichiroWashigami
    #朝日奈唯
    asahiNayoi

    anniversary鷲上源一郎×朝日奈唯



     今日は朝から唯の様子がどこかおかしい。
    どこか落ち着きがない、それでいて自分の様子をチラチラと伺っては目が合うとふい、と逸らされてしまう。
    何か唯にとって、バイオリンの演奏もそぞろになってしまう程気がかりなことがあって、その原因に自分が大きく関わっているであろうことまで、源一郎は見当がついていたが、肝心の原因については皆目見当がつかなかった。
    「コンミス、俺は何か気に障ることをしただろうか?」
     源一郎にそう切り出されると、唯の肩がピクリと跳ねた。
    「……やっぱり、源一郎君は今日が何の日か忘れてるよね」
    「今日?」
     気落ちしたような唯の言葉に、源一郎は片方の眉を上げて思案を巡らせる
    何か特別な約束をした覚えはないし、唯の誕生日はこの間祝ったばかりだ。
    「……ピンと来ない?」
    「すまない、何かヒントをくれないか」
     唯の望む答えを導き出せないことを申し訳なく思いながら、源一郎は眉間に皺を寄せる。
    「今日はね、源一郎君とお付き合いしてちょうど3か月なんだよ」
     少しだけ拗ねたように、唯が口を尖らせた。
    「ああ、そうだったか……」
    「そ、そりゃね、源一郎君はあんまりそう言うの気にしないタイプかなって思ってたんだけど、でもほら、やっぱり3か月記念日って女子はちょっと気にしたりするから……あ、でも私が勝手に期待してただけだから、別に怒ってる訳じゃないんだよ?!」
    「いや、すまない……コンミスとの関係を蔑ろにするつもりはない、俺にとって君と過ごす時は日毎に特別なものになって行くから、付き合い始めた日を祝うと言う発想に至らなかったんだ……すまない」
     源一郎が深々と下げた頭を上げると、目の前に立っていた唯は顔を真っ赤にして小さく体を震わせていた。
    「す、すまない……そんなに怒らせてしまうとは思わなかったんだ」
    「ち、ちがいますッ!」
     ぼすッ、と音を立てて唯は源一郎の胸に飛び込んだ。
    唯の行動の真意を分かりかねて、源一郎は戸惑いながらもその背中にそろりと手を回す。
    「げ、源一郎君ってたまにすっごい恥ずかしくなるくらいキザなこと言うよね」
    「気障……そんなつもりはないのだが」
     そんなことくらい、目の前の恋人が、料理上手な後輩や人たらしの人気ミュージシャンのように、狙って砂を吐くような言葉を紡げるタイプの人間でないことくらい、唯だって百も承知だ。
    だからこそ困るのだ。
    この生真面目で朴訥な恋人は、嘘偽りない心からの言葉でそれを紡ぐから凶悪なのだ。
    真っ赤になった顔を見られたくなくて埋めた胸から聞こえる鼓動は、心なしかいつもより早く感じる。
    「そうだコンミス、良かったら今から出かけないか?」
     唯が顔を上げると、源一郎は穏やかに口角を持ち上げた。
    「それって記念日デート?」
    「ああ、今日がまたこれから先の記念日になるように新しい思い出を作りたいんだ」
    「……やっぱり源一郎君はずるい!」
     笑いながらそう言うと、唯は彼の大きな背中に手を回してぎゅっと抱きついたのだった。





    ─了─
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    しんや

    DONE源唯/バレンタインデーのネタ。

    ※リリース前の幻覚。LINEバレンタイン動画の台詞ネタバレ、創作台詞追加、独自解釈、捏造設定↓

    ・両片想い?
    ・やや鈍い天然かもしれない鷲上くん
    ・料理ど下手なりに頑張ったコンミスちゃん
    不器用な二人 二月半ば。最近は冷える日が多かったが、なぜか今日は少し気温が暖かかった。これならば昨日よりは良い音が出せるかもしれないと、俺は淡い期待を抱きながら準備を始めたのだが。
     ――そう、うまくはいかない、か。
     オーボエの音色が響く。管内外の温度差によって、ひびが入ったり割れてしまったりする事を防ぐために、演奏前に充分に温めておいたものの……やはりと言うべきか、望むような良い音は出せなかった。
     寒い季節柄、外で演奏するとどうしても楽器が冷えて音程が下がってしまうのは避けられない事だとは分かっている。ただそんな状況でも、良い音を奏でる方法はあるはずなのに――。
    「……はぁ」
     あまり長引かせるとまた楽器が冷えてしまう。どこかすっきりしない気持ちで一旦、演奏を終えると、ぱちぱちと近くから拍手が聞こえた。音のした方を振り返ると、そこにはコンミスの姿があった。拍手の主もどうやら彼女らしい。
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