anniversary鷲上源一郎×朝日奈唯
今日は朝から唯の様子がどこかおかしい。
どこか落ち着きがない、それでいて自分の様子をチラチラと伺っては目が合うとふい、と逸らされてしまう。
何か唯にとって、バイオリンの演奏もそぞろになってしまう程気がかりなことがあって、その原因に自分が大きく関わっているであろうことまで、源一郎は見当がついていたが、肝心の原因については皆目見当がつかなかった。
「コンミス、俺は何か気に障ることをしただろうか?」
源一郎にそう切り出されると、唯の肩がピクリと跳ねた。
「……やっぱり、源一郎君は今日が何の日か忘れてるよね」
「今日?」
気落ちしたような唯の言葉に、源一郎は片方の眉を上げて思案を巡らせる
何か特別な約束をした覚えはないし、唯の誕生日はこの間祝ったばかりだ。
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