夜の静寂に溶けて---
グッドネイバーの夜は静かだった。外のざわめきが遠のき、部屋の中には、互いの呼吸だけが響いていた。
ハンコックはベッドに仰向けになり、いつになく無防備な表情を浮かべていた。ヒューゴの指が、ゆっくりと彼の胸元をなぞる。
「なあ、ヒューゴ……今日はずいぶんと強引だな」
そう呟いたハンコックの声には、僅かに震えが混じっていた。だがヒューゴは静かに微笑み、彼の顎先を指でそっと持ち上げる。
「今日はあなたを、俺が甘やかす番だ」
その低く落ち着いた声に、ハンコックの喉が音を立てて鳴る。普段は自信に満ちた男が、今はその指先ひとつで翻弄されている。ヒューゴの唇が喉元に触れ、舌先で円を描く。ハンコックの背筋が小さく震えた。
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