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    きたはら/しま

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    きたはら/しま

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    アーロンのプロフィールにテンション上がって書いた
    ED後、エリントンで二人がご飯食べてる話

    #アロルク
    allRounder

    家に帰れば明かりがついているなんていつぶりだろう。

    ミカグラ島のオフィスナデシコでは誰かしら居て、おかえりただいまは当たり前のように降ってきた。チェズレイとモクマは今は居ないけど、アーロンが無愛想に出迎えてくれるだけで一日の疲れが飛んでいくようだ。
    リビングに向かう途中、おいしそうな匂いがルークの鼻をくすぐる。どうやら、アーロンはデリバリーを頼んでいてくれたらしい。テーブルにはLサイズのミートパイにペペロニ、香ばしい匂いのフライドチキンと濃厚なマカロニ&チーズ。そこにちょこんと置いてある一個だけのチョコレートドーナッツにルークの頬は緩みっぱなしだ。

    「へへ、ありがとうアーロン。おいしそうだ」
    「ん」

    ネクタイだけを外すと、急いで椅子に腰を下ろした。ピザにはコーラだよな、と少し悪い顔をしたアーロンがペットボトルを放り投げてきた。もしかして振ってないだろうなこのボトル、とアーロンの方に向けて蓋を開けたが、シュワシュワと小さな音をたてるだけであった。へへ、とごまかすように笑うルークにアーロンは呆れたような顔をすると、ミートパイを口に放り込んだ。
    今日あったこと、アラナの見舞いのこと。昨日の夜ルークがすすめておいた本を読み切ったこと。そんな事を話ながら、ルークはマカロニを口に運ぶ。濃厚な塩気と、チーズ独特の風味がたまらなくおいしい。ぶつりとマカロニを噛みしめる。ペペロニピザの最後の一枚を口に運びながら、アーロンがぽつりとこぼす。

    「そういえばよ、昨日の朝メシ」
    「昨日の? どうかした?」

    一人だけならシリアルやコーンフレークで済ませることも多いルークだったが、今はアーロンがいる。アーロンにコーンフレーク。しかもチョコ味。絶対に食べないぞ、と予想したルークは、時々であるが朝ご飯を作ることにしている。
    アーロンが作ってくれることもあるが、彼が作る朝食は少しばかり茶色が過ぎるのだ。

    昨日は、バケットサンドイッチを作った。パン屋で買ってきておいたバケットがちょうど二人分残っていたので、バターを塗って、肉食なアーロンのためにコンビーフと細く切ってある玉葱とマヨネーズを混ぜたのを塗って、レタスを挟んで、少しだけオーブンで焼いたやつ。皮はバリッと、具材の水気を吸った中はもっちりとしていて、我ながらおいしく出来たなぁ、なんてココアを飲みながら自画自賛した一品だ。

    「あれ、うまかったからよ、また作れよ」

    アーロンは、普段するような口元だけを弧を描くような笑い方ではなく、目を細めて、にっこりと笑った。アーロンの深い緑の瞳が、きらきらと光っている気すらする。ルークは、アーロンが時々見せる子供みたいに無邪気な笑顔に弱い。とても、弱い。

    (嬉しいなぁ……、うん、嬉しい)

    「薄切りパンならまだあるから、普通のサンドイッチなら明日の朝でも作れるよ? ピーナッツバターと、ブルーベリージャムの組み合わせは最高だよ」
    「あぁ? んな甘いモン朝から食うかよ……それに、あんなうっすいパン、歯応えがなさ過ぎて食った気にもならねーわ」
    「……君、顎までビーストだったか?」

    おいしいのに、からかうように笑ったルークを、アーロンは凪のように静かな目で見つめた。そして、ルークを見つめたまま、おもむろにフライドチキンに手を伸ばすと齧り付いた。

    ルークの知っているフライドチキンは、大きな口でかぶりつく料理だ。手を油とスパイスまみれにしてしまいながら、ジューシーな衣と肉を口いっぱいに頬張るのも楽しい。どれだけ骨に肉を残さずに食べるかも大切だ。部位毎に難易度が違うし、世の中には上手なフライドチキンの食べ方口座なんて動画だってあったりするくらい、重要なポイントなのだ。

    だが、アーロンは骨ごと口にくわえると、そのまま噛みちぎった。そう、骨ごとである。ばりんと食事中とは思えない音が響く。唖然とするルークを見ながら、ごりごりぼりぼりと鈍い音をたてながら、一口、もう一口。アーロンはあっという間にチキンを食べ尽くすと、汚れた指先を舐めた。

    その昔、学校のイベントで訪れた動物園で、黒豹の食事シーンを見たことがある。初めて間近で見る大型肉食獣に興奮するルークの前で、のそりと我関せずといった堂々とした態度。あのときの黒豹に重ねてしまうくらい、無言でフライドチキンを食べるアーロンには迫力があった。

    (……これは作らなかったら次はお前だという脅しだろうか?)

    青ざめるルークを見ると、アーロンは満足げに笑っていた。
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    きたはら/しま

    DONEはみ通をよんで我慢できなくて書いた
    部屋ではなく屋上で寝ているアーロンと、なにかものを買ってあげたいルークの話
    アーロンにとって、世の中には嫌いなものばかりだ。餓え、争い、怪我、略奪、銃撃、腐ったパン、泥水。

    いつだったか。「アーロンはどうしていつもそんなに怒っているんだ?」と聞かれたことがある。決まっている、アーロンの世界には許せないことばかり目に入ってきたからだ。怒らなければ、立ち上がらなければとっくの昔に死んでいただろう。

    いつだったか。潜入した国で情報をあさるために図書館で情報収集していたとき。迷子になった子供になぜか懐かれて、絵本を読んでやったことがある。古ぼけた図書館の、これまた古ぼけた木枠ががたついている窓ガラスは、表面があめ玉みたいに波打っていた。そこから入り込む午後の光は揺らめいていて、机にぼんやりとした影を落とす。それがあんまりにも砂漠の日差しと違いすぎて、アーロンの気が迷ったのだ。その子供が、死んでしまった仲間と同じ髪の色をしていたのもいけない。
    アーロンはそのとき読んだ話も大嫌いになった。三兄弟がそれぞれ家を建て、狼が襲いに来るというおとぎ話。わらの家と木の家は吹き飛び、煉瓦の家だけが安全だったという、くだらない夢物語。

    コンクリートとガラスで出来ていた砂漠の家は、 2522

    きたはら/しま

    DONEアーロンのプロフィールにテンション上がって書いた
    ED後、エリントンで二人がご飯食べてる話
    家に帰れば明かりがついているなんていつぶりだろう。

    ミカグラ島のオフィスナデシコでは誰かしら居て、おかえりただいまは当たり前のように降ってきた。チェズレイとモクマは今は居ないけど、アーロンが無愛想に出迎えてくれるだけで一日の疲れが飛んでいくようだ。
    リビングに向かう途中、おいしそうな匂いがルークの鼻をくすぐる。どうやら、アーロンはデリバリーを頼んでいてくれたらしい。テーブルにはLサイズのミートパイにペペロニ、香ばしい匂いのフライドチキンと濃厚なマカロニ&チーズ。そこにちょこんと置いてある一個だけのチョコレートドーナッツにルークの頬は緩みっぱなしだ。

    「へへ、ありがとうアーロン。おいしそうだ」
    「ん」

    ネクタイだけを外すと、急いで椅子に腰を下ろした。ピザにはコーラだよな、と少し悪い顔をしたアーロンがペットボトルを放り投げてきた。もしかして振ってないだろうなこのボトル、とアーロンの方に向けて蓋を開けたが、シュワシュワと小さな音をたてるだけであった。へへ、とごまかすように笑うルークにアーロンは呆れたような顔をすると、ミートパイを口に放り込んだ。
    今日あったこと、アラナの見舞いのこと。昨 1863

    きたはら/しま

    DONE第8回アロルクワンドロ
    お題【童話】

    赤ずきんパロを演じることになった四人が配役決める話。アロルクはほんのり成分
    「BOND諸君。これが新しい台本だ」

    表紙に犬ずきんと書かれた冊子を受け取りながら、ルークは首を傾げた。
    確かにルーク達は一応は一度はバックダンサーとして舞台に立ったし、現在の身分も駆け出しのショーマンではある。だが、あれはあくまで潜入調査のためではなかっただろうか。

    (……そういえば、特訓大変だったよなぁ)

    正真正銘ショーマンであるモクマはともかく、素人のはずのアーロンとチェズレイの動きも美しさの種類こそ違えど夢のようにきれいだった。そもそも、あの二人は立っているだけで魅力的であるし、視線一つで人を引きつけることができる。いつだったか、そんな事を言ったら「あんな詐欺師と一緒にすんじゃねぇよ」と凶悪な舌打ちをいただいたことがあった。

    でも、アーロンの動きってすごいんだよな。こう、歩き方一つ野生動物染みているっていうか、獰猛さがのぞくっていうか……嘘みたいに長い足が、嘘みたいに速く振り抜かれて、ぴたりと静止する。無造作な動作一つ一つがかっこよくて……、うん、僕、よく一緒のステージに立てたな……。

    そんなことをつらつらと思い出していたルークを、不機嫌そうなアーロンの声が現実に引き 2983

    きたはら/しま

    DONE第七回アロルク版深夜の創作60分一本勝負
    お題:【噛み付く】

    ED後、恋人関係にある二人でビースト特番を見ながらいちゃいちゃしているお話になります
    カツンカツン、と音をたてて煉瓦道を駆け抜ける。夜のエリントンは外灯やビルの明かりで煌めいていて、眩しいくらいだ。遠くから聞こえるクラクションを背に、ルークは腕時計をそっとのぞき込む。どうやら目的の時間までには家に帰れそうだ。ふふ、と自然に頬が緩まる。

    警察の仕事はある意味体力勝負だ。
    いつ事件が起きるか予想は出来ないし、犯行は待ってくれない。エリントン中を走り回ることもあれば、逮捕のために立ち回ることもある。それでいて書類仕事も大事だ。メールや報告書を作成していると腰や目が痛くなる。それでもこの仕事はルークの夢でもあるので、ちっとも辛くない……いや、それは嘘だ。辛いときだってやるせない思いをすることだってあるが、それでも前に進むと決めた男の足を止める理由にはならない。

    ある意味仕事中毒ともいえるルークが、ほとんど定時で家に急ぐ理由。今日は、テレビで怪盗ビースト特集なる番組が放映されるのだ。



    ぜえぜえと息を切らしながら玄関にたどり着いたルークを迎えたアーロンは、理由を聞いた後空をあおいでぼそりと呟いた。

    「……頭沸いてんじゃねぇか?」
    「何てことを言うんだアーロンっ……げほっ 2923

    きたはら/しま

    DONE第6回アロルク版深夜の創作60分一本勝負
    お題:【〇〇しないと出られない部屋】

    ED後、酔っ払いルクに捕まったアロで
    アロ(自覚あり)→←ルク(自覚なし)です
    どうしてこうなった。

    アーロンは、横でキャンキャン騒いでいる金髪をなるべく見ないように目をそらしながらグラスを傾けた。ストレートの蒸留酒。胃を焼くような強いアルコールも、芳醇な樽の芳香も、今のアーロンには何の意味もない。隣から伝わるいつもより高めの体温や、少し薄くなった整髪料の匂い、そんなものに五感を支配されようとしている。

    何の反応も返さないアーロンにじれたのか、ルークの手がアーロンの肩を揺さぶる。好きなようにさせてやりながら、アルコールの所為では頭痛がアーロンを襲う。どうしてこうなった。

    「アーロン、ねぇ君聞いてるのか」
    「聞いてねぇ。酔っ払いの戯言なんざ誰が聞くか」
    「僕は酔ってないぞ!いいか、君が好きだと言ってくれるまで絶対この手を離さないからな!」
    「勘弁してくれ……」

    フィジカルお化けというあだ名をつけられるぐらい人間離れした身体能力を誇るアーロンにとって、酔っ払いの拘束なぞ目を閉じていても抜けられる。肩を少し傾けて、指が浮いたところでさっさと立ち上がれば良い。ついでに腕を引っ張って相手の重心も崩してしまえば、ソファに倒れ込むだろう。これだけ酔っているのだ、そうした 2989

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