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    七iro.

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    七iro.

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    めちゃくちゃむしゃくしゃしてたので正味2時間くらいのバカ勢いで書いたあほえろ。
    8位型取りの話でヴァシ尾だけどソロ尾。
    推敲全くしてないのでおかしな所があるかも。
    まぁそれ以前に話がおかしいのだが。


    R18

    18歳以下(高校生以下)は読んじゃダメです。

    #ヴァシ尾
    vasiTail
    #ソロ尾
    soloTail

    love/copy.「行きたくない…」
     週末、リビングの中心に置かれた、荷物を纏めて詰め込んだスーツケースの前にヴァシリが座り込んでいる。
    「仕方ないだろ」
     尾形はそんなヴァシリに向かってため息混じりに唇を尖らせた。
    「いつまでガタガタ言ってんだ」
    「行ったらヒャクに会えない日が続く、だから行きたくない」
     実はヴァシリは来週から海外で個展の開催があり、明日には日本を発たなければならなかった。国内で画家として成功している彼が海外で開催される個展があるのは大変名誉な事で、本来なら喜ぶべき事である。だが、当のヴァシリは大きな体を丸めてまるで子供のようにイヤイヤと海外出張を渋っていた。
    「大きな仕事じゃねぇか、画家先生よ」
    「でも、ヒャクに会えない」
    「仕事と俺とどっちが大事なんだよ」
    「ヒャクに決まっている」
     愚問だとばかりに堂々と胸を張り返して来るヴァシリに、尾形はガックリと肩を落とす。答えは大方想像出来ていたが、こうキッパリと返されると尾形も返答に困ると言うものだ。
    「…ガキじゃねぇんだから、やる事はやらないといけねぇだろ」
    「ヒャクの側にいる事が私にとっては何よりの優先事項だ」
    「いやお前も俺も大人だし、大人なら仕事はちゃんとしないと」
    「大人も子供も関係ない、私はこんなにもヒャクと離れなければいけない事が嫌なんだ」
     これはもう聞き分けがないどころではない。
     ヴァシリがここまで駄々をこねるのも、海外出張の期間が一ヶ月と長期に渡るせいだ。尾形にしてみたら一ヶ月くらいどうにでも、と思うのだが、ヴァシリにとってはそうではないらしい。
    「責任はちゃんと果たさねぇと。今回の個展はお前がいないとダメだってイリヤも言ってたじゃねぇか」
     今迄海外での仕事は大抵マネージャーでもあるイリヤに任せてしまって、ヴァシリはリモートのみでどうにかしていたが、今回ばかりは個展という事でそうも行かない状況にある。自分の名誉な個展に恋人といたいから行きたくない、などど言う言い訳がまかり通るものか。アーティストは自由だと行っても程がある。
    「でも嫌だ、行きたくない」
    「ガキかよ」
    「ヒャクが一緒に行ってくれるなら」
     尾形は深々とため息をついた。勿論尾形を連れて行くという選択肢もあった訳だが、尾形とて仕事がある。まさか自身の仕事をほっぽり出してヴァシリについて行くわけにも行かない。そんな事をしたらそれこそ社会人失格だ。尾形はその辺りの分別はしっかりつける人間だった。
    「行ける訳ねぇだろ」
    「じゃあ行かない」
     これでは子供、しかも幼稚園児以下だ。ヴァシリの頑固さは知っているが、ここまでの様はそうある事ではないしやぶさかでない。
    「たった一ヶ月だろ」
    「一ヶ月も、だ」
     大きな体を丸めたまま、ヴァシリが振り向き眉尻を下げる。精悍な顔に何とも情けない色が浮かんでいた。
    「一ヶ月だぞ、一ヶ月。その間にもしヒャクが浮気したらどうする?他の男にヒャクを取られたら私は生きて行けない」
    「は?」
     飛び出した言葉に尾形は顎が外れそうな程驚いた。
     浮気だって?誰が?誰と浮気するって?
    「ヒャクは可愛いから、私がいないうちに変な男が寄って来るかもしれない。私はそれが心配だ」
     ーーー大丈夫だろうかこの男は。
     尾形の事を愛しすぎるが故に過ぎる心配に心を悩ますヴァシリに、尾形は心底嫌そうに顔を歪めた。
    「…何言ってんだ、お前」
    「ヒャクの事を信用していないわけではない。ただ、ヒャクに変な男が寄ってこないか心配で仕方がない」
     何とも馬鹿げた理由だろうか。一緒に暮らして長いが、まさかここまで心配性だったとは思いもよらなかった。そもそも普段から家と会社の往復のみでまともに出掛ける事など殆どない。その稀な外出もヴァシリと一緒だから出掛けるくらいの尾形にとって、ヴァシリの杞憂は呆れを通り越す程に馬鹿げている事だった。
    「あるわけねぇだろが、そんな事」
     飛躍した考えに面倒すら覚えて尾形は吐き捨てるように言った。
     他の男とだって?冗談じゃない、ヴァシリ以外に誰があんなーーーーー。
     と、不意に先日抱かれた時の事を思い出し顔に血の気が上がった。
    「赤くなった」
    「うるせぇ!」
     指摘に、照れ隠しの苛立ち紛れで丸まった背を軽く蹴ると、尾形はフンと腕を組んだ。
    「馬鹿な事言ってねぇで諦めろ」
    「…ゼッタイ、浮気シナイ?」
    「…するわけ、ねぇだろ」
     すると、ヴァシリがガバッと立ち上がり尾形をぎゅうと抱き締めた。いきなりのそれに尾形が思わずのけぞりフラつくのをそのままに、ヴァシリはぎゅうぎゅうと尾形を囲い込んだ手に力を込める。
    「ゼッタイ、ヒャク、ゼッタイ、約束」
    「しねぇって言ってんだろが!!」
    「約束、ゼッタイ、浮気しないでくれ」
     ジタバタと暴れる尾形を抱き締めたまま、首筋や肩口にフンフンと鼻を突っ込み確認を繰り返すヴァシリの拘束が解けぬ焦れに、尾形はヴァシリの腕の中で盛大な諦めの息を吐いた。


     明けて翌日。
     出発前夜だと言うのに結局明け方まで好きにされてしまった尾形はボロボロの体だった。とは言っても出発するのは尾形ではなくヴァシリの方だ。当のヴァシリは好きなだけ尾形を抱いて満足したらしく、それでもまだ一ヶ月の別離が納得行かないとグズグズ文句を言っていたが、迎えのタクシーと共に訪れたイリヤに「こいつを頼んだ」と、押し付けた。出掛けに「毎日連絡する」「毎日声を聞かせてくれ」「写真も毎日送ってくれ」などとのたまっていたが、尻を蹴飛ばして玄関の外に出した。イリヤもすっかり理解しているようで「ヒャクも大変だな」と気の毒そうな目を向けられたが、これから先一ヶ月、滞在先でこの大きな駄々っ子の面倒を見るイリヤの気苦労も相当なものだろう。だが、ヴァシリが子供の頃の付き合いであるイリヤにとっては慣れた事であろうし、尾形にとっては滞在先の事は関係のない事だ。
     ヴァシリを送り出してからガランとした部屋の中を見渡して、尾形は二度寝を決め込んだ。何せ昨日は朝まで付き合わされたのだ。身体は重いし腰は痛いしで仕方がない。
     広く感じるようになったダブルベッドに再度潜り込むと、尾形は瞼を閉じ、そのままうとうとと微睡に落ちた。


     翌日から、予想通りヴァシリからの連絡は凄かった。朝昼晩と欠かさずアプリのメッセージを送って来て、隙あらば電話までして来る。例えそれが数秒の間であってもだ。尾形が電話を取り「もしもし、ヴァシリ?」と言っただけで、「ヒャク、声が聞けて嬉しい、愛している」と次の瞬間通話が切られた事すらあった。こいつ何がしたいんだ、というレベルである。
     そんな事が一週間程続いた。これならまだ一緒にいた方がマシではないか、と思える程の心配っぷりであった。
     そして尾形の方も、最初は一人の生活をのんびり満喫していたが、だんだんと物足りなさを感じて来ていた。
     帰宅しても灯りが点いていない、一人きりの食事、一人で寝そべるベッドの広さ、温もりのない夜。
     そんなものに常々側にいる恋人の不在を実感して、ふと一抹の寂しさを感じつつもそれを打ち払う。
     そんな風に思っている事がヴァシリに知れたら、ヴァシリは大型犬さながらに興奮して喜ぶだろうが、それはそれで何か癪だった。蹴り出して送り出した身としては、不在も何て事のない振りをしてやり過ごしたい。そう思っていた。
     そんなある日、自宅に荷物が届けられた。
     荷物ーーーギリギリ片手で持てるくらいの大きさの箱である。
     ーーー何だこれ。
     尾形は首を傾げた。
     宛名を見ると『尾形百之助 様』となっており、差出人は見た事のない会社の名前がデジタルの文字で印字されている。商品名は『雑貨』
     これは噂で聞く送り付け詐欺かと一瞬思うも、荷物を受け取った時に求められたのは受領サインだけで、代引きという訳でもなかった為詐欺と言う訳ではなさそうだ。しかし何かを購入した覚えはなかった。
     リビングまで持って行き、しっかりと梱包された段ボール箱を開く。目に飛び込んで来たのは箱いっぱいに詰められた緩衝材。益々分からない。歪な形のそれをかき分けるとまた更に箱があった。引っ張り出すと縦30㎝横15㎝に満たないくらいの簡素な白い箱が出て来た。とりあえず開けて見ようと開封したところで、尾形は思わず固まった。
    「…は?」
     そこに収められていたのは、それはもう立派なディルドだった。
    「…何…っ…」
     咄嗟に放り出す。無造作に投げられたディルドの箱は、床にぶつかり衝撃でゴロリと中身ーーーつまりディルドを床板の上に転がせた。
     ーーー待て待て待て待て、何だこれは、こんなもん頼んだ覚えはないぞ!!
     尾形は慌てた。確かにヴァシリに抱かれている立場ではあるが、特にオモチャ的なものを必要とした事はない。そもそもそんな物はなくてもヴァシリのヴァシリが尾形の中を満たすのだから全くもって必要ないのだ。
     まぁ確かにしばらくヴァシリは不在だ。だからと言って代わりにオモチャを使おうなんて思わないし、仮にそんな物を使ったら、物相手でさえヴァシリがヤキモチを妬きそうで思いもよらなかった。
     ーーー…こんなもん、一体誰が送って来たんだ…。
     尾形は床に転がったディルドを呆然と見ながら慄いた。悪戯にしても最悪のチョイスだ。あまりにも度を超して趣味が悪過ぎる。
     と、そこで鈍い振動を立てながらスマホが鳴った。画面を見るとヴァシリの名前が出ている。尾形は慌てて電話を取った。
    「もしもし!」
    「ヒャク、今日も声が聞けて嬉しい。会いたい、愛している」
    「そんな事より!…今…、変なもんが届いて…」
    「変な物?」
     一瞬の間の後、ヴァシリが電話の向こうで、ああ、と得心したように言った。
    「届いたのか、そろそろだとは思ったが」
    「は?」
     ヴァシリの声は心なしか弾んでいる。何故だ、と思うと同時に疑問符が尾形の頭の中に溢れて来た。嫌な予感がする。
    「…まさか、とは思うが」
    「私のペニスのコピーを送ったのだが?」
    「…はい?」
     何を言っているのだこのロシア人は。
    「…何だって?」
    「だから、私がいない間にヒャクが寂しくなって他の男に抱かれたりしないよう、私のペニスの型を取って、私のペニスと全く同じ物を作った」
    「………」
     目眩がした。言葉も発せぬ尾形に反して、スマホのスピーカーからはヴァシリの上機嫌が声が聞こえて来る。
    「世の中には全く便利なキットが売っているものだな、勃ったままでいさせるのは簡単でないと思ったが、ヒャクの事を考えてたら簡単に出来た。それもこれもヒャクが可愛いからだ」
     ああもう、この男が何を言っているのか良く分からない。尾形は頭を抱えた。
    「…ヴァシリ、…お前…」
    「細部まで私のペニスと同じ物だ。だからヒャク、寂しくなったらそれで…」
    「ふざけんな!!!!」
     尾形は勢い良く通話終了ボタンをタップすると、思わずスマホを投げ出した。変人だ変人だとは思っていたが、まさか自分の陰茎の型取りをして送り付けて来るとは、変人にも程がある。
    「…何、なんだよ…あいつ…」
     ひとしきり頭を抱えた後、放り投げたままのディルドにチラリと目をやった。床の上にディルドが落ちている様は何ともシュールである。捨てるにしても、このままにしておくわけには行かない。しばらく遠目に眺めてから、恐る恐るディルドを手に取った。手のひらの皮膚に触れたシリコンの感触に一瞬動きが止まるも、そのままそろりと目線の位置まで持ち上げた。
    ーーー…うわ、デカ…。
     手のひらにあまりまくる大きさのそれ。覚えのある質量は確かにヴァシリのペニスだった。
    ーーー何か、これだけ見るとすげぇな…。
     身体に付随されている状態でなく、陰茎が陰茎のみで鎮座ましましていると言うのは何とも妙なものである。大きいとは思っていたが、こうして見ると本当に大きい。もうこれは凶器ではないか。
    ーーーこれで人殴り殺せるんじゃねぇか。
     そんな馬鹿げた事を考えながら、手にしたディルドをまじまじと見た。シリコン製の表面は肌色。色はいかにも人工的で嘘くさいが、良く見ると笠の張り方や血管の浮き具合、裏筋の部分までしっかりと見覚えのある形状をしていた。
    ーーーすげ…、リアルじゃん…。
     脳裏にヴァシリの姿が浮かぶ。自分をとろとろに蕩かせて、これで中の奥深くまで突いて、抉って。
     そんな記憶がぼんやりと頭の中に浮かんだ。
    ーーーいや、何考えてるんだ、俺は。
     シリコンで作られたそれは硬さも覚えがある硬度で、握っているうちに体温が伝わりじんわりと温まって来ていた。汗ばむ手のひらの感触が余計に生々しく記憶を蘇らせる。ヴァシリが不在になって二週間近く。当然誰にも肌は触れさせていない。自分で慰める事もせずにいた尾形の身体の奥がずくりと疼いた。
    ーーーちょっと、だけ。どんなもんか試してみるだけだ…。
     自分自身に言い訳するように小さく口を開くと、ディルドの先端を口に含む。ちゅぷ、と舌を使いながら飲み込むと、良く知っている大きさが口蓋に伝わる。途端、ぞわりと背筋を何かが駆け抜けた。
    「ん…」
     思わず一心不乱にディルドを舐った。味や匂いはないものの、形は慣れ親しんでいるヴァシリのそれに間違いない。しゃぶりながら服の裾から手を入れ、自分の乳首を弄った。指先が触れてすぐに固くなる胸の突起。目を瞑り、いつもされているようにつまんでこねたり引っ張ったりすると、熱い吐息と共に甘い声が漏れるのを抑えきれなくなった。
    「ぁ…ヴァ…、そこ…」
     脳内で鮮明に映し出される映像。記憶。
     触られる。肩に、首に、鎖骨に、胸に。
     頭の中で無意識にルートが繋がる。
     それで、ヴァシリのペニスを舐めて、吸って、しゃぶって、それから。
     それから?
    「ふ、ぁ…」
     身体が勝手に反応して来ていた。熱を持ち始めた中心。もう止まらなくなっていた。
     服を脱ぎ去りゆるゆると汲むと、とぷとぷと溢れ出して来る透明な蜜。腹の奥が切なく疼く。
     秘芯を汲んでいた指が雄を受け入れる後孔に伸びていた。
     四つん這いになり腰を高く上げる。先走りのぬめりを借りて、戸渡から入り口に触れた。それだけで期待にヒクつく蕾は浅ましく刺激を求める。堪えようもなく熱い吐息が漏れた。
    「っん…ふ…っ」
     すっかり快楽に支配されてディルドを咥えたまま指を一本中に入れる。自分の指なのにまるでヴァシリに弄られているかのような錯覚を感じた。濡れた内部を動かしながら指の本数を増やす。あの無骨な指とは違う自分の指なのに、尾形の頭の中では中を掻き回しているのは他の誰でもないヴァシリの指だった。
     頭の中でヴァシリの声が、囁きが蘇る。ヒャク、と名前を呼ぶ声。肉厚で大きな手のひらと存外に器用な動きをする指。自分より高い体温と柔らかな体毛と。
     一度思い出したらそれはとどまる事なく、まるで実際にヴァシリがそこにいるかのように感じ、頭の芯が溶けて行く。
     ーーーもっと、
     快楽にぼやけた頭が一人きりの狂宴をより淫らなものにして行く。膨れ上がる欲望。欲しい。奥まで欲しい。
     口蓋で感じている質量はすっかり覚え込まされたそれだ。これが身体の中心を貫き、奥を抉って犯される快感を知っているが為に、腰はゆるやかな動きで揺れていた。
     ーーーもう、我慢、出来ない。
     尾形はノロノロと身体を起こすと、熱に浮かされたような覚束ない足取りでジェルを取って来た。頭の片隅で、随分と間抜けな事をしている、と冷静な自分が呆れているが、それ以上に腹の奥が切ない。ディルドを床の上に置くとジェルを垂らす。全体に塗り込めてから自分の後ろにも手を伸ばして同じように塗り込んだ。
     テラテラとぬめつくディルドの上に膝立ちになる。何をやっているんだ、馬鹿じゃないのか、と思いつつももう止める事は出来そうになかった。息を吐きながらゆっくりと腰を落として行く。恋人のペニスを模したディルドの先端に入り口が触れ、つるりとした感触と触れたジェルの冷たさ思わずぶるりと身震いした。
    「ぁ、ぁ…」
     ずぶずぶと腰が沈んで行く。割り開かれ、凶悪なディルドを飲み込む蕾。久々に受け入れる大きさの雄は酷い圧迫感を感じさせる。内臓が迫り上げられて苦しい。それでも、腰から背筋を突き抜けるように感じる快感は待ち望んでいたものだった。
     しかしヴァシリのものを模しているだけあって、その大きさは簡単に飲み込めるものではない。同じように一番太い部分で引っ掛かり、それ以上は思うように入らない。実際に抱かれているのであれば徐々に慣らしながら根元まで埋め込むものの、ディルド相手ではそうは行かない。尾形は切なげに腰を揺らす。
    「ぅ、んっ、…っ」
     しかし、揺らした拍子に身体を支えていた手が滑った。自重でそのまま沈み、尾形は高い声を上げた。
    「ぃっ、あっっ!!」
     全てを飲み込んだ肉壺は限界まで開ききり、ぎちぎちとディルドを咥え込んでいた。半分尻餅を突きかけた体勢を何とか整えようと慌てる尾形だったが、その際にディルドのバイブのスイッチが入り、ディルドが振動を始めた。
    「はっ、ぁあっ!!ひ…っぁっ!!」
     暴れ回るディルド。これではまるで激しく抽送されているのと同じだ。手酷く穿たれる感覚に尾形は嬌声を上げる。
    「ぁあっ!!ぃあっ!!っん、ぁっ!!」
     そのまま奥を抉られて尾形は達した。しかしディルドの動きは止まらない。白濁に続き、透明な奔波を迸らせる身体がビクビクと痙攣を繰り返す。
     そのまましばらく恋人のペニスを模したディルドによって、尾形はその身を翻弄され続けた。



    「……何、やってんだ、…俺は…」
     事を終えた後、尾形はすっかり気だるくなった身体を横たえながら、転がったディルドを恨めしげに見た。
     ーーーこんなもんヴァシリが作って送って来るから、ヴァシリがいけないんだ。悪いのはヴァシリだ。
     確かに作ったのも送って来たのもヴァシリである。だがソレ目的で使うかどうかは尾形の問題であり、責任転嫁といえばそうである。それでも尾形は自らの狂態を思い返して顔から火が出る思いであり、それをヴァシリのせいにせずにはいられなかった。
     ーーーヴァシリの馬鹿野郎。
     さて、使ってみたもののこれをどうしたらいいのか処分に困る所ではある。仮にも恋人の陰部を精巧に模したものではある。変な話だが愛着のようなものがない訳ではない。むしろ、言ってしまえば愛着は大いにある。燃えないゴミに出すわけにも行くまい。
     何より、少しでも『勿体無い』と思ってしまった自分がいた事に多少の腹立たしさを感じていた。
     何故なら、悪くなかったのだ。それどころか、使ってみて『良かった』と言うのが正直な感想だろう。だがそれを素直に認めるのはどうにも自分自身納得が行かない。
     尾形は不機嫌な面持ちのまま転がっているディルドを見つめていた。
     と、そこでまたスマホが鳴った。相手は見なくても分かる。ヴァシリだ。
     のそりと手を伸ばしてスマホを手に取ると、画面には案の定ヴァシリの名前が出ていた。少し考えてから通話をタップする。
    「…もしもし」
    「ヒャク?」
     何で嬉しそうな声をしているんだ。
     ヴァシリが尾形に電話をかける時はほぼ確実に嬉しそうな声をしているのだが、今はそれが妙に腹が立つ。
    「どうした?声が疲れているようだが」
     言葉にぎくりとする。まさか『アレ』を使った事がバレるのは流石にプライドが許さない。押し殺したような治安の悪い声がでた。
    「…別に」
     しかし、ヴァシリはそれだけで察したのか、電話の向こうで含み笑いをするような気配を感じた。
    「良かったか?」
    「…何がだよ」
    「私が帰るまで私の形をしっかり忘れないでいてくれ」
    「ふざけんな」
    「ヒャク、愛している」
     そこまで聞いて尾形は一方的に通話終了ボタンをタップした。すぐにまた着信があったが無視を決め込んだ。
     ーーー知るか馬鹿野郎、ふざけやがって。
     苦虫を噛み潰した顔で目をやった先、視界に入ったのはディルド。
     ーーー…まぁ、…悪くは、なかったけどな…。
     誰に向けるでもなく心の内でそう呟いて、尾形は重くなった瞼を閉じた。
     
     ーーーところで『アレ』、回転とかつけらんねぇのかな。


     ヴァシリが帰って来るまで後二週間ちょっと。
     ヴァシリのコピーは活躍しそうである。
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    💴💞💞💞☺🍌🍆🍌🍆🍌🍆🍌🍆🍌🙏☺☺😍🌋🌋🍌🍌🍌🌋🍌🍌🍌👏👏👏👏👏😍🍆🍍🍍🍍🍆🍌🍌🍌🍌🍌🍌🍌🍌🍌🍌🍌🍌🍌🍌🍌🍌🍌🍌🍼🍑🍌
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