call！call！call！ワンコール、ツーコール、スリーコール。その先は数えるのをやめた。もう何度目だろう。ワークデスクの隅で震える携帯は一向に静まりそうにない。ワールズエッジの亀裂のような見事な皺を眉間に刻んだクリプトは渋々、渋柿どころか渋そのものを食べたような表情で、うるさいそれを手に取った。電話主は画面を見ずともわかる。それでも念のため確認すれば案の定、顎に手を添えていやらしい流し目でこちらを見る胸焼けしそうな面と目があった。
ミラージュから着信がある度にディスプレイにデカデカと表示されるそれは、連絡先と共に勝手に登録されたものだ。これといったデータも入れていない仕事用の端末とはいえ、ノイズはないに限る。その場で連絡先ごと削除しようとしたら、折角の撮り下ろしのキメ顔が！と大騒ぎされて、結局クリプトが根負けしてそのままになった経緯がある。

《物歸原主》事情到底是為什麼會發展到如今這個地步呢？
伊得本來只是跟隨著商隊來尋找本應送到王室卻半路遺失的寶物，中間卻突然發現商隊接洽的沙漠地帶接頭人身上有貓膩，對方竟然攜帶了偵測魔力的魔法沙漏！

他親眼目睹對方用沙漏靠近裝載貨物的駝車，從中取出了幾顆商隊剛交易回來的魔法石，爾後又在身上掏出了幾可亂真的幾顆人造魔石補了上去。
這明擺著就是偷竊啊？！

本來外地來使想帶來給宮廷魔法團交流的寶物也正是一座稀有的魔法儀器，半途卻被不明的盜匪團攻擊，人命傷亡不少，寶物也丟失了，但因為被襲時已經進入了王國境內的火之區域，使者當然就是跟卡萊因王室追責了。

因為火之地域的政治情況並不太樂觀，事件也涉及到魔法相關的知識，於是國王便委派使者秘密向大魔法師求助，這才有了伊得混在商隊里出行的緣由。