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    inu_hebi

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    inu_hebi

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    お犬マン6話 公園で見かけた謎ナマモノ「センさん!!おはようございます!!!」
    朝っぱらからうるさい声を上げて僕の家の扉を開けてきたのはお犬マンだった。
    「……ん、ああ、おはよ」
    僕は眠そうな目を擦りながら返事をした。
    「今日もいい天気ですね!」と、お犬マンが話しかけてくる。
    僕は「そうだな」と曖昧に答えた。
    「今から散歩に行きませんか?」
    「……やだよ。一人で行ってこいよ」
    寝起きで頭がうまく働かない僕は、そう答えるしかなかった。
    「そんなこと言わずに行きましょうよぉ!!」とお犬マンは僕の腕にぶら下がった。
    「わかった、行く、行くって……だから引っ付くなって……」
    「やったあ!それじゃ行きましょっか」
    お犬マンは僕の腕を引いたまま走り出した。
    「おい、待てって」
    僕は慌てて靴を履いて外に出た。そして、「お犬マン、ちょっと落ち着けって」と言って頭をポンッ、と軽く叩いた後、お犬マンの頭を撫で始めた。
    すると、お犬マンはとても気持ち良さそうに「わふぅ~」という鳴き声を上げた。
    「落ち着いたかい?」
    「はい!ありがとうございます!」
    しばらく経って、やっと落ち着いてきたようだ。
    「それでセンさん。どこに行くんですか?!」
    「そうだなぁ……。とりあえずは公園でも行こうよ」
    「わかりました!ではいきましょー!!」
    お犬マンは尻尾をブンブン振って楽しそうである。
    「センさん!早く!置いて行っちゃいますよ!!」
    「はいよ、すぐいくよ」
    僕たちは並んで歩き始めた。
    「センさん!見てくださいよ!あの雲の形面白いですよね」
    「いわれてみれば確かに。なんかひょうたんみたいだよね」
    僕らは他愛もない話をしつつ、歩いていた。
    しばらく歩くと、広い場所に出た。この辺りでは一番大きい公園である。
    お昼時なので人は少ないが、それでも結構な人が遊んでいる。
    「何だろう、この張り紙は…大蛇に注意…?」僕は看板に書かれた文字を読んでみた。
    「違いますよ、センさん!いぬへびって書いてあるんですよ!」お犬マンは興奮した様子で看板を見ている。
    よく見ると、書かれている絵は、大蛇ではなく、白い犬の頭の付いた蛇…犬蛇だ。
    どうやら、ヘビのお化け(?)が出る、という噂が流れているらしい。
    「センさん!ちょっと探してきますね!ここで待っていてください!絶対に動かないで下さいよ!!」
    「え、ちょ、お犬まっ……ああもうっ、しょうがないなぁ。少しだけならいいかな。それにしてもいぬへびねぇ……どんな奴なんだろうか……」
    「センさん!!いぬへびさん、いましたよ!!」
    お犬マンが息を切らせて戻ってきた。
    「おお、早かったじゃないか。で、そいつはどこにいるんだ?」
    「センさんの後ろに居ますよ!」
    お犬マンが指差す方向を見ると、そこには一匹の犬の頭の付いた蛇がいた。
    「あれがいぬへび……なのか……?」
    「あ、どうもー、人間のひとが話しかけてくるなんて珍しいっスね」
    いぬへびは、こちらの方を見ると、普通に挨拶をしてきた。
    「お、おう。こんにちは。ところで、君はどうしてこんなところにいるのかな……?」と、僕は疑問に思ったことを素直に聞いてみた。
    「いやー、最近散歩してると、そっちの犬のひとによく追いかけられるんで…直立してしゃべってやたらに足の速い犬とか怖いっスよ!」なるほど、そういうことだったのか、僕はお犬マンを軽く睨んだが、お犬マンはニコニコ笑ったままだ。
    「あ、そうだ。君の名前はいぬへびっていうらしいけど、いぬへびってどういう意味なんだい?」と聞くと、いぬへびは首を傾げた。
    「んー、いぬへびはいぬへびですから……特に意味はありませんなあ……」と、いぬへびは答えた。
    「そうか……じゃあさ、いぬへび。僕はこれから君の事を『いぬへび』と呼ぶことにするよ。だから、僕の事は好きに呼んでくれ」
    と僕は言った。
    「はい、わかったっス。それではセンさんと呼ばせてもらいましょうかねぇ……」といぬへびは答えた。
    「ああ、それで構わないよ」と僕は答えた。
    「センさん!私を忘れないでくださいよ!!」とお犬マンに袖を引っ張られた。
    「はいはい、わかってるよ。ってことでじゃあまたね、いぬへび」
    「はいはい、さよならっスー」
    そう言って僕らは別れた。それから僕と犬お犬マンは、しばらくの間、公園で過ごした。
    「さて、帰るか」
    「はい!帰りましょうか」
    ふと空を見上げると、夕日が沈みかけていた。
    「センさんセンさん!今日は楽しかったですね!!」とお犬マンに言われた。
    「うん、まぁ、たまにはこういうのもいいかもな……」僕たちは並んで歩き始めた。
    僕は疑問に思ったことを言った。「ところで、いぬへびに注意ってどういう意味で注意だったんだろう…?」
    「さぁ?普通の人には何か注意することでもあったんですかね?」とお犬マンは不思議そうな顔をした。
    「まぁいいや、そんなに危険なやつには見えなかったしな、逆にお犬マンは、いぬへびをあんまり追い回さないであげてくれよ、怖がってたよ?」
    「ええ!?本当ですか!?うわぁ……それは申し訳ないことをしてしまいました……でも、仕方がないじゃないですか……いぬへびさん、ああ見えてめちゃめちゃ早く走るんですよ……それに、なんか楽しそうにしてたのでつい……」
    「はは……確かに、あいつも楽しんでたかもな。ま、仲良くしてくれると嬉しいんだけどな。っと、もうすぐ家だな。そろそろ帰らないとな。んじゃ、また明日な!」
    「はい!お疲れ様でした!」

    「ただいまー!」
    僕は元気よく玄関に入った。
    一人暮らしの僕には、ただいまを言うような相手はいないのだが、僕は家に帰る時には、ただいま、と言うようにしている。
    ブーツを脱いで、玄関のコート掛けに上着を掛けて、家に上がる。
    「ただいまー」
    僕は誰もいない部屋に向かって声をかけた。
    勿論、誰の返事もない。
    僕はそのまま洗面所に行って、手を洗い、うがいをした。
    そして、台所に行き、冷蔵庫を開けた。
    中には、昨日の晩御飯がラップに包まれたまま入っている。
    それをレンジに入れて温めている間に、僕はテレビをつけた。
    街に出来た新しい店や、明日の天気などの情報をぼんやりと眺めながら、僕は晩御飯を食べ終えた。
    食器を流し台に持っていき、食器を洗い終え、
    「ふう、ごちそうさま、今日は…風呂はいいか」
    僕はそう呟くと、テレビをなんとなく流し見しながら、この間の買出しのときに貰ったフリーペーパーをぺらぺらとめくった。
    「ふーん、最近、こんなのが流行ってるのか……あ、これ美味そうだな……今度行ってみようかな……」
    僕は独り言を言いながら、雑誌を読み続けた。
    「そろそろ寝るか……明日も仕事だしな」
    僕はそう言うと、歯を磨き、顔を軽く洗って、布団を敷いて、布団に潜り込んだ。
    「おやすみなさい」
    僕は部屋の電気を消して、眠りについた。

    -----あとがき----
    今回もキャラクター紹介を載せます。今回は、いぬへびです。
    【いぬへび】
    白い犬の頭の付いた蛇の姿をした謎の生物。
    人間の言葉を話すことが出来る。
    人間の言葉を喋れるようになった経緯は不明。
    普段はのんびりとしているが、お犬マンなどに追われたりすると、凄い速さで逃げる。
    「いぬへびはいぬへびっスから、特に意味はないっスよ」
    と本人は言っている。
    身長は100cmほど。
    好きな食べ物は肉と魚、甘いもの。
    嫌いな食べ物は辛いもの、酸っぱいもの。
    趣味は散歩。
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