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    inu_hebi

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    inu_hebi

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    お犬マンの5話です。

    #UTAU
    #AIのべりすと
    aiBellisto

    お犬マン5話 対決!お犬マンVSきの子!---
    今日はいい天気だなぁ……。
    空を見上げながら僕はそう思った。
    雲一つない快晴で、太陽が眩しい。
    湿度も低く、とても過ごしやすい気候だった。
    ……こんな日には外を歩くに限るよな。
    せっかくだし、ちょっと遠回りして帰ろうかな?
    そんなことを考えていると、後ろから声をかけられた。
    「あら、あるじぃじゃない。どうしたの?」
    振り向くとそこにはきの子が立っていた。
    おきのこ族は、気に入った人間を『主様』と呼ぶ習性があるらしい
    それで、きの子は僕の事を『あるじぃ』と呼ぶようになったらしい…嫌だなあ。
    相変わらず傘には紅い模様があり、軸の模様は楽しそうな笑みを浮かべているように見えた。
    その様子はまるで、新しいおもちゃでも見つけた子供のように無邪気なものだった。
    「いや、特に用事ってわけでもないんだけどね。家に帰る途中なんだ」
    「ふぅん……ねぇ、暇なら一緒に遊ばない?久しぶりに体を動かしたい気分なの」
    「うーん、まあいいけど。何して遊ぶのさ」
    きのこが身体を動かすとかいう事には、もはや突っ込む気も起きなくなっていた。
    「鬼ごっこしましょ。きの子が逃げる方だから、あるじぃが捕まえたらきの子が何でも言う事を聞いてあげるわよ」
    「私を差し置いて、何を面白いことやってるんですか!ずるいですよ!」
    突然横合いから誰かの声が聞こえてきた。
    そちらを見ると、いつの間にかきの子の横にお犬マンがやって来ていた。
    「え、あれ!?なんできの子と一緒いるんだ!?」
    驚いて思わず叫んでしまった。
    「たまたまそこで会ったんですよ。それより今の話本当ですか?私が勝ったらセンさんと結婚しても良いという話は……」
    「あんまり大声で言わないでくれるかしら。恥ずかしいわね……もちろん嘘なんかつかないわ。きの子は約束を守るきのこよ。それに、元々そういう話だったでしょう?負けるのが怖いの?だとしたら、はっきり言って見損なったわ。所詮はただのオス犬ということなのかしら?」
    きの子は傘をぶんぶん振りながらお犬マンを煽っている、こころなしか、軸にある顔っぽい柄もなんだか嘲笑しているように見える。
    「ふんっ、吠え面かかせてあげますよ。センさんと結婚するのはこの私です!!」
    お犬マンはやる気満々だ、えー何、なんでこのクリーチャー2匹の間で話が付いてるんだ?
    「……とりあえず、話はまとまったみたいだけど、僕の意思はどこにいったんだろう」
    「細かい事は気にしないの。早く始めましょう。時間は有限なのだから」
    こうして、唐突に始まった『おばけきのこvs.犬妖怪』の異種格闘戦が始まった。
    ルールは特になく、どちらかが降参するか気絶するまで戦うというシンプルなものだ。
    「じゃあ、行くわよ」
    スタートと同時にきの子が物凄い速さで走り出した。
    「逃すかぁあああっ!!!」
    それを追うようにお犬マンも猛スピードで追いかけていく。
    お犬マンの足は速いようで、みるみると差が縮まっていた。
    「そろそろいいかしら。本気で行くわよ?」
    きの子が立ち止まり、お犬マンに向き直った。
    今までより更に速く動き始めた。きの子が動いた瞬間、辺りに風が巻き起こり砂埃が舞う。
    きの子が地面に手を着くと、地面が隆起し巨大な土の壁が出来上がった。
    壁はどんどん大きくなり、やがて山のような大きさまで成長する。
    きの子はそれを足場にして、空中へ飛び上がった。お犬マンもそれを追いかけるようにジャンプするが、高すぎて届かないようだ。
    「く……くそう……絶対に捕まえてやる」
    お犬マンは悔しそうに地団駄を踏むが、やはり届きそうになかった。
    「……そろそろ飽きたわね」
    [きの子の能力]
    ・自身の身体を巨大化させる。
    ・巨大化させた部位を自在に変化させられる。
    ・土を操って防壁を作ることができる。
    [お犬マンの能力]
    ・俊足
    ・嗅覚
    ・爪による攻撃
    お犬マンときの子のお遊びが終わった頃には日は傾きかけており、空は茜色に染まっていた。
    きの子が巨大化していた部分はすぐに元に戻ったため、特に被害はなかったが、お犬マンがめちゃくちゃになっていた。
    あちこち傷だらけになっており、ボロ雑巾のようになって、白目をむいて倒れている
    きの子は満足したのかとてもいい笑顔を浮かべているが、対照的にお犬マンは死んだような表情をしていた。
    ……どっちが勝者かは言うまでもないだろう。
    「いやあ、久々に暴れたわ。スッキリした」
    「うーん、でも、本当に結婚するなんて約束してないよね?騙されないぞ」
    僕は腕を組み、きの子を睨み付けた。
    「あら、バレちゃったかしら?ちょっとからかっただけなのに」
    「……お前なぁ」
    「ごめんなさいね。許してちょうだい」
    きの子は傘を広げ優雅に一礼をした。
    その仕草はとても洗練されており、どこか上品さを感じさせるものだった。
    「……まあいいか。別に怒ってないしさ」
    「ふふ、ありがとう。優しいのね」
    「センさん、私には優しくないですけど、おきのこにはそんなに優しくしてるんですか!?」
    横からお犬マンが割り込んできた。
    「うるさいなぁ。お前だって勝手に家に上がりこんで散々好き勝手やってただろ」
    「やっぱりセンさんは私の事が好きなんですね!愛されてるって感じます!」
    「おいこら調子に乗るんじゃない。そんな事は言ってないだろう、あと僕の話をちゃんと聞け」
    「はいはい、分かったわよ。それで、これからどうするつもり?私はもう帰るわ。疲れてしまったもの」
    きの子は肩をすくめながら言った。
    確かに、今日は随分遊んだので少し眠たくなってきたかもしれない。
    「そうだなぁ。僕も帰ろうかな。お犬マンも来るかい?」
    「え、良いんですか!?行きます!!ぜひ!!」
    お犬マンは元気よく返事をする。
    「じゃあ、決まりだ。帰ってゆっくりしようか」
    「……ところで、結局なんできの子と一緒にいたんだ?偶然会ったわけじゃないんだろ?」
    歩きながら、隣にいるお犬マンに聞いてみた。
    「あ、それはですねー。私、センさんの家に忍び込んでました!!」
    お犬マンは堂々と言い放った。
    「なんでまた……」
    「えっと、その、最近全然会ってくれないので寂しくなってしまって、つい出来心で……」
    「……はあ、お前なぁ、普通にインターホン鳴らしてくれれば良かったじゃないか」
    「いや、それだと警戒されると思ったので」
    「玄関先に土産と称して変な形の木の枝とか木の実を置いたりするよりかは警戒しないよ」
    「……なるほど、次からはそうします!!」
    「まあ、別にいいんだけどさ。今度から気をつけてくれよ?流石に不法侵入は困るから」
    「はい、分かりました!!」
    「……絶対分かってないな、これ」
    きの子と別れてから家に帰るまで、 僕はお犬マンと話をしながら歩いていたが、
    途中でお犬マンが何かを思い出したかのように口を開いた。
    「そういえば、センさん、今日の事、他の人に言っちゃダメですよ?」
    お犬マンは人差し指を立て、念を押してきた。
    「ああ、わかってるよ。誰にも言わない」
    「本当ですか?約束してくださいね」
    「大丈夫だよ。心配性なんだな、お犬マンは」
    「いえ、そういう訳では……。とにかく、内緒にしてくださいね。約束しましたからね!」
    「はいはい、わかったってば」
    「それなら良かったです」
    お犬マンは安心したように胸を撫で下ろした。
    「それでは、私はこの辺で…」と帰ろうとするお犬マンを僕は制止した
    「いや、僕の家に寄っていくんだろう?それに、怪我だってしてるし…手当てをさせてくれよ?」
    「いいの!?やったー!ありがとうございます!!」
    お犬マンはピョンピョンはしゃぎ回った。
    とても嬉しそうだ。
    「全く、子供みたいな奴だなぁ」
    苦笑しながらお犬マンの頭をポンッと軽く叩いた。
    お犬マンは嬉しそうに尻尾をブンブン振って、僕の家に入っていった。
    「さて、これでよし、っと」
    お犬マンに応急処置として消毒液を塗って、包帯を巻き終えたところだ。
    「わぁーい、ありがとうございます!」
    「はいはい、どういたしまして」
    僕は救急箱を片付け始めた。
    「あっ、センさん。私にもやらせてください」
    「いいのか?じゃあ、お願いするよ」
    「任せてください!こういうの得意なので!!」
    お犬マンは張り切って、片づけを始めた。
    しばらくすると、片付け終わったようで、こちらを見てニコニコして尻尾を振っていた。
    「ふぅ、終わりました。センさん、ありがとうございました」
    「はい、お疲れ様。本当に手際が良かったね。助かったよ」
    「へへんっ!どういたしまして!それでは、私は帰りますね」
    お犬マンはぺこり、と何度も礼をして、僕の家から出て行った。
    「ふう……。あいつは本当に騒々しいな」
    僕はため息をついた。
    ……しかし、お犬マンやきの子には随分と振り回されたけど、久しぶりに楽しく過ごせたような気がする。
    たまにはこんな日があってもいいかもしれないな、そう思いながら、布団を敷いて、眠りについた。
    -----あとがき----
    今回も登場したり登場しなかったキャラクター紹介を載せます。

    お犬マン: 身長120cmくらい 犬獣人(雑種)
    いつも元気いっぱい!
    普段は元気だが、 怒らせると怖いらしい。
    センさんの事が大好き。
    センさんに優しくされると喜んで尻尾をブンブン振る。
    センさんにストーカー行為をしている。
    センさん以外の人間にはわりと凶暴。

    いぬへび:身長100cmくらい犬の頭のある蛇。
    蛇なのに手足があったりする事もある。
    性格は好奇心旺盛で、食いしん坊。
    よくお犬マンに追われている。
    きの子が苦手。

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