こころの一時避難所 AM2:00。
スマホの画面が示す時間を見て、大和タケルはため息をついた。
部屋は明かりが点けっぱなしでいやに眩しい。寝転がったまま、殺風景な部屋を眺める。荷物が入ったままのダンボールがそこかしこに積まれているのを見てげんなりする。
あんまり疲れていたので、ベッドに潜って数分眠るだけのつもりだったのに。空っぽの胃がぐうっと鳴る。
初めての一人暮らし。社会人初日。まだ顔も名前も一致しない社員たち。
「はぁあ……」
怒涛の一日を思い出して、もう一度ため息をつく。
学生時代、タケルはただの一度もバイト経験がなく、初めての仕事は初めてだらけで大変気疲れしてしまった。これから毎日、『働く』を繰り返さなければならないのか。
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