"ついてきてほしいところがあるの"と言われシービーの向かう場所について行くこと数時間。彼女のそういうところにはもう慣れたのだからいいのだが、あっという間に陽は落ちて辺りを見渡せば辺りは見知らぬ土地。
「シービー、これちゃんと帰れるの?」
「うん、トレーナーがいるから大丈夫」
それは大丈夫とは言わないのではないのかと言いたくもなったが自信に満ち溢れている顔を前にしては何も言い返せなかった。
もう少し歩けば駅に到着し、恐らく帰宅できるであろう電車に乗れた。電車に揺られること数分、突然肩に感じた重みの正体はシービーの頭だった。彼女も今日は長い距離を移動して疲れたのだろう。こうして寝顔をみるとやはりどこか幼さが残っていて。シービーがちゃんと眠っているならそのまま堪能してもよかった。そう、ちゃんと眠っているならだ。
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