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    リョウ

    エペとゴスワイ。暁Kの沼にドボン。
    @andandryo

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    リョウ

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    前置き:ED後、KKさんが生きている世界線で暁人くんとKKさんはラブラブだよ。

    キスの日な暁K。

    #暁K
    ##GWT

    キスの日「今日は何の日か知ってる?」
     無邪気な声で暁人が言う。手にした文庫本に落としていた視線を声の方へと向けた。ソファに座る俺を見下ろす暁人の表情は、声と同じくとても無邪気に微笑んでいる。
     こういう時のコイツは面倒だ。
     正直に言えば、無邪気に笑顔を浮かべる暁人を可愛く思う。だが、面倒なのはコイツがそう言った表情を浮かべる時は何かしらの企みがあることを経験上知っているからだ。年下の恋人はこれで意外と計算高いのだ。
    「今日?」
     何を企んでいるのか。思案しつつ質問の意図を考える。
     5月23日。ちらりとカレンダーに目をやるが、そこには予定の書き込みはないし、祝日というわけでもない。カレンダーに書いていない予定でもあったかと記憶をたどるが、思い当たるものは何もなかった。
     視線を暁人に戻す。変わらずニコニコ笑っている。ちょっと待て。さっきより近い。無言の圧を感じて身を引くが、すぐにソファの背にあたる。
    「なんか予定してたか?」
    「キスの日」
    「は?」
    「今日は、キスの日」
    「は?」
     意味がわからず疑問を浮かべる俺に、暁人は同じ言葉を繰り返す。やはり意味がわからない。側から見ればだいぶ頭の悪い会話だが、わからないものは仕方ない。
    「何だよ、キスの日って」
     繰り返し聞き返す俺に、暁人がずいとスマホを見せてくる。
    「5月23日はキスの日。KK知らないの?」
    「知るかよ」
     スマホに表示されているのはwebページだった。そこには5月23日はキスの日だということ。なんでも日本で初めてキスシーンがある映画が公開されたことに由来するという。
    「馬鹿らしい」
     俺は呆れたように言った。
    「だいたい、キスならいつもしてるだろ」
    「そうだけど、そうじゃなくて」
     俺の反応が期待通りではなかったらしく、暁人の笑顔を消えていた。
    「KKからして欲しいんだよ」
    「なん——」
     何でと言い終わる前に暁人の言葉が続いた。
    「KKからめったにしないじゃん。いつも僕からだしさ」
    「そんなことないだろ」
    「そんなことあるよ!」
     どっちからしたかなんて普通覚えてるか?
    「お前な……」
     言いがかりだろうと思うが暁人はいたって真剣で、ごちゃごちゃ言ったところでひかないであろうことは予想できた。なによりこちらをじっとみる目が、
    「ふはっ、なんだよ暁人。お預けくらった犬みたいだぞ」
     思わず吹き出してしまった。形の良い眉がハの字に下がってわざとらしく瞳を潤ませているのは計算なんじゃないかと思はないでもないが、それを指摘するのは野暮だろう。
     ったく、しゃーねーな。
     暁人の頭に手をまわし、こちらに引き寄せ唇を軽く合わせ、離す。キスの日のきっかけとなった件の映画は唇を合わせただけだったらしいから、同じようにしてやった。
    「ほら、これで満足かよ」
     息のかかるほどの距離で言えば、暁人がふっと笑って先ほどとは違い深い角度で唇を重ねてきた。
     キスだけで終わらせるつもりなんてないのだろう。予想はついていた反応だ。お預けの後はご褒美が欲しいってか? 本当に犬みたいだなと胸中で笑いながら2人してソファに沈んだ。
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    リョウ

    MOURNINGED後みんな生きてる世界線なのに幸せにならなそうな暁→→→→→Kくらいの暁Kです。
    病み気味な闇思考暁人くんの思考がうるさい話。需要はないだろうけど思いついてしまったから書きました。供養!
    繋がらない想い 繋がれた糸「僕はKKのことが好きです。付き合ってくれませんか」
     アジトの一室。夜もすっかり更けて室内には僕とKKだけしかいない。
     なんの捻りもない愛の告白を口にすれば、KKの目が見開かれた。けれどそれはほんの一瞬で、彼は目を細める。
     ついにきたか、とでも思ったのかな?
     そんな風に邪推してしまうのは、僕がKKに気があるということをあからさまに態度に出してきたから。

     あの事件の後——まるで何事もなかったかのように僕らは渋谷に戻っていた。みんな生きたまま。こういうのを奇跡と言うのだろう。そして、生身のKKを目にした僕は決意したんだ。絶対に彼を離しはしないと。
     適合者になった僕はKKのアジトに出入りするようになった。事件以降、頻度は落ちたとはいえ怪異は起きる。今まではKKが一人で解決していたみたいだけれど、無理をしていたのは明白だ。だから僕は手伝いを申し出た。KKは態々面倒事に首を突っ込むなって反対していたけれど、凛子さんが僕の援護をしてくれた。一人でやれることには限度がある、でも二人ならって。なにより、あの夜の実績が大きい。その話を出されたらKKもNOとは言えなくなったみたいで、試用期間の条件付きで仲間に加えてくれた。
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