保健室の先生 俺は保健室が嫌いだった。あの先生に出会うまでは。そう、俺が大好きな菊先生に会うまでは。
俺は生徒会長で、何事にも一生懸命頑張った。でも、頑張りすぎて途中で倒れてしまったことが切っ掛けだった。
「……ここは?」
見慣れない景色。天井や壁が白い部屋。そして微かな消毒の匂い。
……あぁ、俺が嫌いな保健室だ。
「気が付いたみたいですね」
ふっと、黒髪の人が聞いてきた。
「……誰?」
「ああ、すみませんカークランド君。私は本田菊、保健医です」
見た目は女にも見えなくないが、声は低く落ち着いた感じなので、多分男なのだろう。
「……菊先生?」
「はい。皆そう呼んでいますね」
控えめに笑っている菊先生。若い見た目なのに、妙に落ち着いていて、菊先生の年齢が分からない。
「無理はダメですよ?カークランド君」
優しい口調で、俺に話しかけている。
「カークランド君は頑張っています。でももう少し、息抜きでもしないと。身体が持ちませんよ?」
菊先生は、俺の事よく知っているな、と思った。だって今までの奴らは、頑張るのは当たり前で、生徒会長はこれくらい当然でしょ?みたいな評価だった。
「はい……」
泣きそうになるのを堪えて俺は菊先生に返事をした。
「カークランド君は、とても良い子はです」
分かってくれる人がいるのってこんなにも良いものかと思った。それからだ。俺は菊先生のことが好きになってしまったのは。これが本当の。初恋だ。俺にとって、一回しかない恋。
俺は保健室が好きだ。だって好きな人がいるから。他のことは鋭いに、自分のことになると鈍くなる菊先生。
「ああ、カークランド君、いらっしゃい」
「菊先生」
俺の気持ちを、菊先生に伝えよう。
可能性はあるはず。
***
えっと、何故私はカークランド君に保健室のベッドで押し倒されているのでしょうか。何の前触れも無くですし……。それにしても結構体格は良いんですね。私は貧弱ですけど。ってそうではなくて!私、これ非常にヤバい状態です。
「……菊先生、俺」
「ハ、ハイ何でしょうか」
こんな状態で聞いてきますか、カークランド君。
「俺、先生が好きなんだ。もう先生のことしか考えられなくて……だから、先生をヤっちゃえば、分かるかなって思って…っちゃえば、分かるかなって思って……」
「え、え?」
え?私のことが好き?こんな三十歳手前の男ですよ?私。
「先生、抱かせて」
ん!?私が女役ですか!?私、そんな経験無いんですけど!
「あ、あのカークランド君、何故私を……」
「好きだって言ってます。もう俺、先生のこと考えるとムラムラしちゃって、夜なんか先生をオカズにしちゃうくらいに考えて……」
あー、さすが現役男子高校生ですねえ。私は専ら二次元の世界だったのでこんなことは余り無かったですけど。
「先生、好きだよ。好き過ぎて狂いそう。どうしたらいい?今、すっごい速さで脈打ってるよ、俺」
「こ、こんな体勢じゃ見れませんねえ、うん」
ど、どうしたらいいんですか、これ。というかカークランド君ってこんな感じでしたっけ。
「先生もすっごい速いよ、脈拍。先生は俺が見てあげる」
「え?良いですよ私……っ」
専念されたボタン外しにより私はあっという間に上を脱がされてしまいました。恥ずかしくて死ねます。
「先生の乳首なピンク色だね。美味しそう」
いやいやいや、男の乳首見て何が楽しいんですか。
「可愛い」
「んぅっ」
カークランド君は私の乳首に吸い付いてきたのです。思わず私は変な声が出てしまいました。
「先生、今さっきの声超エロい。もっと聴かせて」
「えっ何言って……。んんっ!」
カークランド君は、触れるくらいに舐めて、かと思えば突然吸われて。ビクンと私の身体は感じてしまいます。
「先生、気持ちイイ?こんな可愛い顔しているけど」
「あ……っカークランドく……も、やめてぇっ」
「ダメだよ、先生。もっと気持ちイイことするんだから」
と言ってカークランド君は私を食べてしまったのでした。