Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    hanano_seasons

    @hanano_seasons

    小説の進捗など。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 5

    hanano_seasons

    ☆quiet follow

    書きかけの燐ひめ小説の一部

    恋の火葬場「ん」
    その一言と共に頬に押し付けられたのは、ひやりと冷たいペットボトル。流れた汗が引いていく感覚に、俺は思わず息を吐き出す。
    「……どうも」
    つい先ほどまで講師にダンスを教わっていたのだから、いくら"完璧なアイドル"を謳うHiMERUであれど疲れはする。とはいえ、それを表に出すようなことはしていないので、俺の疲労に天城が気付いたことに驚いた。
    「それ飲んで汗拭いて、ちょっと長めに休憩取るぞ」
    「必要ありません。少し休めば動けます」
    ――確かに、新曲の振り付けはいつもより激しかった。特に今回は俺の負担が大きい振り付けだったため、普段以上に体力が奪われたことは否定できない。でも、長めの休憩を取らないと動けないほどではない。それこそ、スポーツドリンクを飲んで汗を拭いて、ほんの五分ほど休めば回復するだろう。疲れているとはいえど、その程度の疲労なのである。
    だというのに、天城は頑として首を縦に振らなかった。
    「休むべき時に休んどかねェと、後半バテたら困るだろ」
    「ですからHiMERUは大丈夫だと言っているではないですか。自分の限界くらい自分で分かります」
    思わずむっとして言い返す。過度な心配はナメられている気がして不愉快だ。
    それが表情にも出ていたのか、天城は呆れたように一つため息を吐く。
    「強情」
    「なんとでも言えばいいのです。天城の心配など不要なのですから」
    「あーはいはい、じゃあそれ飲んだらレッスン再開な」
    結局、引いたのは天城だった。
    俺は何も間違ったことは言っていない。……言っていない、けれど。天城を突っぱねた後、胸に満ちるのはいつも"後悔"なのだった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    tono_bd

    DOODLEある時から女体化の変身魔法を続けているファウストについて、ヒースクリフ視点で語ってもらいました。
    妊娠・出産の話です。

    ※ある年の大いなる厄災の襲来で犠牲者が出ている旨の表記有り。誰が死んだとかは明記しておりませんが、死ネタを含んでいます。苦手な方はお気を付け下さい。
    ※フィガロのフィの字も出ません。
    ヒースクリフによる独白 暫く前からファウスト先生が女体をとっている。
     普段から体型の出にくいキャソックにマフラーを掛けていたから見た目には大きな違いが無いが、僅かに縮んだ背丈や一回り小さくなった手の平、喉仏が消えて高くなった声は隠せていない。そもそもファウスト先生本人は隠そうとしていないのだと思う。ただいつも通りに振舞っているだけなのだ。ファウスト先生は何もその体の事を説明はしなかったけれど、俺達も無理に聞き出そうとはしなかった。いの一番に問い詰めそうなシノですら、「変身魔法のやり方を教えろ」と講義を希望するだけだった。
     俺達は東の魔法使いだから。突然の変化に驚いたり、騒ぎ立てる事はしない。でも西の魔法使い達だって、ファウスト先生の体の事は誰も核心の部分は触れなかった。変身魔法が得意なムルは面白がって一時期女体で過ごしていたが、それも半月もすれば飽きてしまっていた。
    3789