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    hanano_seasons

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    hanano_seasons

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    現パロかつフィの養子になったファのフィガファウという捏造の塊みたいな話

    #フィガファウ
    Figafau

    フィの養子になったファのフィガファウ「ファウスト。君は今日から俺の家族になるんだよ」
    フィガロがそう声をかけると、ファウストのアメジストの瞳がゆらゆらと揺れた。
    「かぞ、く……?」
    「そう。……とは言ってもすぐに心の整理をするのは難しいだろうし、俺は君のお父さんになりたいわけでもないから、まずは心の治療を優先しようか」
    心の治療、という言葉に、ファウストは不思議そうに首を傾げる。
    「……僕は、治療が必要なんですか?」
    「うーん、そうだね……。一般的には両親が亡くなったら悲しくなるものだと思うけど」
    君は違うの?
    フィガロがそう問いかけると、ファウストは再び首を傾けた。
    「……分かりません。両親のことは好きだったと思います、けど……」
    ほんの数日前、ファウストの両親は揃って交通事故で亡くなった。残されたファウストはまだ十二歳。親がいなければ生きていくこともできない年齢であるというのに、彼の瞳は少しも涙に濡れてはいなかった。
    「きっとまだ心が追いついていないんだ。一人取り残されたっていう実感が湧いてないんじゃないかな」
    フィガロがそう言うと、ファウストは小さく頷く。
    「そうかもしれません。……でも、僕は一人ではないですよ」
    「え?」
    随分と高い位置にあるフィガロの顔を見上げながら、ファウストは何を考えているのか分からない表情で告げた。
    「だって、僕のことは貴方が引き取ってくれるのでしょう?」
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    DONEほしきてにて展示していた小説です。

    「一緒に生きていこう」から、フィガロがファウストのもとを去ったあとまでの話。
    ※フィガロがモブの魔女と関係を結ぶ描写があります
    ※ハッピーな終わり方ではありません

    以前、短期間だけpixivに上げていた殴り書きみたいな小説に加筆・修正を行ったものです。
    指先からこぼれる その場所に膝を突いて、何度何度、繰り返したか。白くきらめく雪の粒は、まるで細かく砕いた水晶のようにも見えた。果てなくひろがるきらめきを、手のひらで何度何度かき分けても、その先へは辿り着けない。指の隙間からこぼれゆく雪、容赦なくすべてを呑みつくした白。悴むくちびるで呪文を唱えて、白へと放つけれどもやはり。ふわっ、と自らの周囲にゆるくきらめきが舞い上がるのみ。荘厳に輝く細氷のように舞い散った雪の粒、それが音もなく頬に落ちる。つめたい、と思う感覚はとうになくなっているのに、吐く息はわずかな熱を帯びてくちびるからこぼれる。どうして、自分だけがまだあたたかいのか。人も、建物も、動物も、わずかに実った作物も、暖を取るために起こした頼りなげな炎も。幸福そうな笑い声も、ささやかな諍いの喧噪も、無垢な泣き声も、恋人たちの睦言も。すべてすべて、このきらめきの下でつめたく凍えているのに。
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