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    im1208nm

    @im1208nm

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    im1208nm

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    リハ前提のエルハン。苦手な方は全力回避推奨。
    リは会話の中にのみ登場。

    覚悟があるのなら(エルハン) 平日の酒場は空いていた。
     カウンターに見慣れた金髪の後ろ姿を見つけて、私は足早に駆け寄ると、その大きな背中に軽く手を置いた。

    「エルヴィン、ごめんね、待たせたかな」

     エルヴィンは私をみて穏やかに笑うと、「俺も今来たところだ」と柔らかい声で言った。

    「リヴァイには黙って来た?」
    「そういう約束だったからな」

     今日の事は、絶対にリヴァイには知られたくなかった。だから兵舎で話すことも避けて、こんな所にエルヴィンを呼び出した。
     私はエルヴィンの隣に座ると、ウイスキーを注文して小さく息をついた。

    「それで?どうしたハンジ」

     エルヴィンが私を見る。薄暗い店内で見るエルヴィンの瞳は、いつもより深く暗い青色に見えた。
     吸い込まれそうだと、私は思った。

    「リヴァイは、さ。私に気があると思う?」

     エルヴィンがふふふと小さく笑う。

    「案外分かりやすいな、あれは」
    「やっぱりそうだよね......」
    「お前も、満更ではなさそうに見えるが」

     私はうう、と小さく唸ると、俯いた。

    「どうしよう、エルヴィン。私」

     エルヴィンが優しげに目を細めて私を見る。
     私はカウンターに肘をつき、両手で顔を覆った。

    「ないんだ、そういうことを、したこと。この歳で一度も」

     指の間からエルヴィンの顔を恐る恐る見る。
     エルヴィンは表情を変えず、グラスに唇をつけて傾けた。

    「時々、怖いんだ。リヴァイが。リヴァイの、目が」

     私を見るリヴァイの目に、火のような感情が宿るのを時々見る。心底、私は、それが怖かった。

    「お察しの通り、リヴァイの事は好きなんだと思う。一緒にいるとドキドキするし、嬉しい。でも......」
    「怖い、か」
    「うん。怖い」

     エルヴィンは少し俯くと、笑い交じりに「そうか」と呟いた。

    「あれの忍耐強さは俺が保証する。事情を話せばそう性急なことはしないと思うぞ」

     私はエルヴィンの袖を摘まんだ。

    「あの、さ。頼みがあるんだ、エルヴィン」

     横目で私を見たエルヴィンの顔は、私のこの先の言葉など全て見透かしているかのように、ほんの少し笑みを含んでいた。

    「エルヴィンは、そういう意味では......怖くない」
    「そういう意味では、か」
    「別の意味では怖いよ、ゾクゾクする程」

     エルヴィンの厚い唇が、ぐっと笑みの形に歪む。

    「それは、光栄だな」

     私はグラスの酒を一気に呷ると、エルヴィンを真っ直ぐに見て言った。

    「今夜、泊まりたいんだ。エルヴィンと一緒に」

     エルヴィンは穏やかな顔のまま、どこか前方を見ている。
     感情は、読めない。
     だから私は少し、不安になった。

    「エルヴィン、私は──」

     何を言いかけたのか、自分でもよく分からない。
     ゆっくりと私の顔に移ってきたエルヴィンの視線は、そんな私のいい加減な発言を遮るのに十分な力を持っていた。
     ゆるゆると伸びてきた大きな手が、私の頬に触れる。
     エルヴィンは少し悪戯っぽい顔で笑うと、親指で私の唇をなぞりながら、言った。

    「覚悟が、あるのなら」

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