夢を見ている。
光をつむいだような金の髪がカーテンのように世界をくぎっていた。
私は傷つき、おとろえている。体が動かないのだ。星々のように砕けて、ちいさくなっていた。
私を見下ろす金の瞳は慈愛に蕩けていて、動けない私を抱き起す手は慈しみに満ちていた。
白い服が赤く汚れるのも構わず、私を抱きしめて、額にくちづけを落とす。
そして最後には「おやすみ」と告げる声を最後に意識が溶けていくのだ。
ああ、うらやましいなあと思う。
それは私であるというのに、私はそのようにしてもらったことがない。
まぶたを持ち上げれば、ひとりであった。
星々が散らばる宙で、座にひとり座っている。
無意識が見せた幻覚というのがふわさしいか。
夢を見ていた。