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    真央りんか

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    真央りんか

    DOODLE神ミキ。できてない。オータムでパーティのある日。他作品とは繋がってません。オリジナル営業モブがいます。
     オータム主催のパーティは、いささか砕けた空気だった。出版関連だとどこもこういうものだろうか。立食形式で用意された料理が開放されると、大人の節度を保ちつつ人が群がった。ラフな格好の人が多いのは、作家の率が高いからかもしれない。自分もその中の一人であるが、最初の波が引くのを待って、神在月シンジは慎重に料理を選んだ。おいしくて、普段食べてないような料理はありがたいけれど、そんなに量は食べられない。ローストビーフは良い肉が薄切りのところが良いとしつつも、その一枚を取るかどうかすら迷う。普段は高くて手が出ないフルーツを食べられるのは嬉しい。
     本来の目的である、同業者や編集者への挨拶もこなしていく。仕事先のオータム出版社のある都内まで出やすい環境でもあって、神在月はわりとこういう場に出ている方だとは思う。だが積極的に話をしにいくタイプではないので、最初の接触がうまくいかないと壁際でぽつりとするのも珍しくはない。互いに編集者を介さないと会話が続かないような同業者も多く、相対すると申し訳なさと同病相憐れむ感情が湧くが、たぶんお互い様だろう。
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    真央りんか

    DOODLEノスクラ。二人の能力について独自解釈を入れてます。
     終わりのない冬の孤独。
     少年の慟哭は吹雪にかき消されて、誰にも聞こえない。



     ノースディンが竜の一族の集まりに顔を出したのは久しぶりだった。
     そして、クラージィが一族の集まりに顔を出したのは初めてのことだった。
     頭の先から足の先まで新しくあつらえた装いで仕立て上げ、ノースディンがクラージィを伴えば、ホテルの会場に集まっていた一族はたちまち末っ子(実動年齢)を取り囲んで、親元から引き離した。祀り上げそうな勢いだ。無論、ノースディンは助け出そうとしたが、既にクラージィと顔を合わせているドラウスやドラルクをはじめとして、他の面々に宥められるように阻まれた。
     身内の集まりであるし、予想していた展開でもあったので、早々に抵抗を諦める。クラージィの食事内容については話を回してあるし、今夜はドラルクの同居人の人間も来ているから、飲食の用意に問題はないはずだ。時折目をやりつつ、クラージィについての好奇の質問は適当にいなし、他愛のない話で時間を過ごした。そのうち、入れ代わり立ち代わりでクラージィを構いに行く流れが一巡したらしい。ようやく解放された本日の主役が、ノースディンの元へ戻ってきた。
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