高級ディナー(たいみつ) テーブルマナーとは、それぞれの食文化が培ってきた決まりに従い、食事の際に用いられる道具を適切に使い、食事を共にする人に敬意をはらうマナーのことである。出典、ウィキペディア。
「ぶっちゃけ、高級レストランとか苦手なんだよね」
やわらかなエスプーマが添えられたアスパラガスの冷製ポタージュを前にした三ツ谷がそんなふざけたことを抜かしたのは、ささやかな二人の記念日のことであった。十一月十四日。数年前、この男と恋人という関係に至った日である。
「記念日のたびに毎回こんな素敵なレストランを用意してもらっといて言える台詞じゃないのはわかってるんだけど……」
「おい、スープをすくうときは手前から奥にって何度言やわかるんだ」
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