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    ゆきこ

    軌跡のロイド沼在中、支援課箱推し。ロイド君を中心に色々雑多に放り投げてます。正直地雷原のようなものだと思うので自衛をお願いいたします。
    Rとかこれはちょっと、という話はこそフォロ限定にしておりますがどうかご了承くださいませm(_ _)m

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    ゆきこ

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    支援課でごはんにまつわる話。いまいち纏まりきらなかった気もするけど楽しく書けたのでまあいいか。キーアにあーんってされるティオちゃんは可愛いね!

    #零の軌跡
    zeroTrails
    #特務支援課

    特務支援課のリーダー、ロイド・バニングスには悩みがある。
    近頃ようやく仲間との距離は縮まってきたと思うのだが、その仲間の食事について少し悩んでいるのだ。

    ロイド自身とエリィは全く問題はない。休みの日でも規則正しい生活をし、食事もきちんと取っている。
    課長とランディは少しばかり難がある(課長はたまに朝を食べずに出ていくし、ランディは休みの日は起きるのが遅くて朝昼一緒になる事が多い)が、まあまだ良い。
    問題はティオで、業務のある日はほぼ一緒に行動するため、少食気味ではあるものの3食ちゃんと食べている。だが、休みの日ともなれば、何かに熱中する余り1食や酷い時には2食抜いたり、あるいは栄養補助食品で済ませてしまうのだ。
    注意した事もあるのだが、水分と塩分さえ取っていればそう簡単に死にはしないからほっといてください、という愛想もなにもない返事が返ってきて、ガックリと項垂れるしかなかった。
    エリィも気にかけてはいるのだが、休みの日はずっと支援課ビルにいる訳でもない。なので2人してどうしたものかと悩んでいるのだ。


    そんなある日、試してみたいことがあるの、とエリィが言い出し、ロイドは首を傾げた。

    「試してみたいこと?」
    「次の休みの時に、少し手伝ってもらえない?」
    「それは構わないけど、一体何をする気なんだ?エリィ」
    「それは内緒。…よろしくね、ロイド」
    「あ、ああ…」

    何だか少し浮かれた様子のエリィにますます疑問が膨らむが、問い詰めてもきっと言わないだろう。
    仲間の性格はおおよそ把握したため、そう結論付けたロイドは、当日になれば分かることだし、と考えるのをやめ、本日の業務へと意識を切り替えたのだった。


    そしてやってきた次の休日。
    肝心のティオだが、朝は食べに下りて来たものの、やはりまた何かに熱中してしまっているのか昼を過ぎても自室から出てくる様子がない。
    そこでエリィは考えを実行に移す事にしたようで、ロイドに揚げ物を手伝って欲しいと頼んできた。

    「揚げ物?まあ良いけど、何を作るんだ?」
    「一口サイズのコロッケよ。それを櫛にさせば食べやすいかなと思って。揚げるのにも時間がかからないし」
    「なるほどな。それは名案かもしれない」
    「少しバリエーションもつけようかなって思ってるの。ただ、私、その…」
    「ああ、揚げ物はあまりしたことがないのか?…大丈夫、慣れればどうってことないよ。せっかくだし、エリィも一緒にやってみないか?」
    「ええ。コツを教えてもらえると助かるわ」
    「了解だ。それじゃ、まずは中身から作ろうか」

    タネはシンプルに、だがその中に小さく切ったソーセージやチーズを入れたり、コーンを混ぜたりして、バリエーションをつける。
    そしてそれをどんどん揚げていけば、やがて辺り一面に美味しそうな匂いが漂う。
    その匂いにつられたのだろう。自室から出てきたランディに幾つかつまみ食いをされるが、多めに作ったためまあ良いか、とロイドはため息をつき、バットで油を切ったコロッケを櫛に差して皿に盛る。
    それを抱えてふたりしてティオの部屋へと行くと、少しこちらを見たもののまたすぐ端末へと視線を落とされて。
    礼儀には厳しいエリィがにこやかに切れた。

    「…ティオちゃん?人が来た時くらい、ちゃんとこっちを見ましょう?」
    「私には別に用はなむぐぅっ!?」
    「貴女になくても相手にはあるかもしれないでしょう?」

    そしてティオの口にコロッケを突っ込むというらしくない暴挙に出たため、皿を抱えていたロイドは慌てるが、エリィは聞く耳を持たない。

    「エ、エリィ!?落ち着いて…」
    「あら、ロイド。私は落ち着いているわよ?…ねえ、ティオちゃん。私たち、心配なの。確かに少しくらい食事を抜いたからって、死にはしないかもしれない。でも体には良くないわ。特に貴女は成長期なのだから」
    「むぐ」
    「…ティオ、とりあえず口の中の物は飲み込んでから喋ろうな。ほら、エリィ。あんまり詰め寄っちゃティオも話しづらいだろう?」
    「え?…あ、そ、そうね。………ごめんなさい、私としたことが」
    「ごくん。……全くです。おふたりはお節介ですね」
    「あ、はは…。でも、やっぱり共同生活をしている仲間のことは気になるよ。だからさ、なるべくご飯は食べてくれると嬉しいな」
    「………分かりました。また口に突っ込まれてはかないませんからね」
    「そうか」

    この場は収まったか、とロイドはほっと一息つき、皿のコロッケを差し出す。

    「これ、エリィと一緒に作ったんだ。良かったら食べてくれ」
    「これは、何ですか?味はコロッケみたいでしたが」
    「コロッケよ。一口サイズにして、中身も少し工夫してみたのだけど、どうかしら?」
    「…悪く、ありません」
    「それは良かった。…ってエリィ?」
    「ほら、ティオちゃん。あーん」
    「じ、自分で食べられます!」
    「そう?残念ね」
    「エリィ…。それじゃ、俺たちは下に下りるけど、夕食の時には呼びに来るから」
    「……了解です。食べに行きます」

    二人の熱意に負けたのか、はたまたもう口に突っ込まれるのはゴメンだと思ったのか。
    ティオの了承を引き出せたことに満足した二人は足取りも軽く出ていき、部屋に残されたティオははあ、とため息をつくと皿のコロッケをつまんでパクリと口に入れ、おいしい、と小声で呟いたのだった。


    それからしばらくして、警察犬としてツァイト、そして謎の少女、キーアと住人が増え、賑やかになった頃。
    休みの日でも比較的食事を取るようになったティオだが、やはりたまに熱中していて他のことが目に入らない時もある。
    そんな時には、ロイドが食べやすい物を作り、それをキーアがティオの口に突っ込む、という光景が見られるのだった。

    「ティオ。はい、あーん」
    「う。またですか…」
    「ねえ、あーん」
    「………あーん」
    「可愛いわ、ふたりともっ!」
    「そのカメラ、どこから出てきたんだ?エリィ」
    「まあそこは突っ込まなくても良いだろ。…しかし、さすがのティオすけもキー坊にゃ勝てねえのな」
    「あはは。でも、ちゃんと食べてくれるようになって良かった」
    「最初の頃、随分悩んでたもんな、お嬢とふたりして」
    「何だ、知ってたのか。…本当はランディにも言いたいことはあるんだけど」
    「うげっ!?…勘弁してくれ、ロイド」
    「ふふ。今は気分が良いから言わないでおくよ」
    「ソイツはどうも。…はあ、お前の世話焼きも大概だな」
    「そうか?うーん、やっぱり余計なお世話かな」
    「それは状況にもよるんじゃねえの?…俺は嫌いじゃねえぜ?お前にあれこれ言われんの」
    「そうか。なら、今後も遠慮はしないぞ?」
    「ああ(それが嬉しいんだ、なんてさすがに言えねえな)」
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    ゆきこ

    DOODLE支援課で、キーアの誕生日のお話です。そして家族の話でもあるかな。仲良し支援課家族、大好き!
    キーアの本当の誕生日ってもう知りようがないと思うので、ならやっぱりこの日しかないだろうと書いてみました。相変わらずの会話文な上キーアちゃんの台詞って難しくて(あの漢字とひらがなのバランスが)偽物感あるかもしれませんが、読んだ方に少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです!
    キーアと誕生日今後のためと一時支援課が解散し。そして新しいメンバーを迎えて再始動してすぐの頃。
    日曜学校から帰ってきたキーアはどこか元気がなく、しょんぼりとしていて、お帰り、と言いながら手を広げ、いつものように突進してくるのを待ち構えていたロイドは目を瞬かせた。

    「どうしたんだ? キーア。なんだか元気がないみたいだけど」
    「ロイド。……ねえ、ロイドにも、エリィやティオやランディにも、みんなおたんじょうびがあるんだよね?」
    「あ、ああ、そうだな?」
    「きょうね、おたんじょうびだから、おうちでお祝いしてもらうんだってうれしそうにしてる子がいたの。けど、キーアのおたんじょうびはだれも知らないでしょ? だから、だれにも祝ってもらえないのかなあって」
    1836

    ゆきこ

    DOODLE支援課でハロウィンネタ。とはいえあの世界にハロウィンがあるのかは謎なので収穫祭を兼ねた仮装パーティーという事にしました。まあ最後にキーアがトリックorトリートって言ってますけど。彼女にこれを教えた人は一体どこから聞いたんでしょうね。
    ロイド君がくすぐったがりというのは捏造です。そうだと可愛いかなと。そしてゲスト出演の方々はこういう場が好きそうで現れそうな人という私の偏見と独断に基づいております。
    「仮装パーティーの手伝い、ですか?」

    マクダエル議長からの直々の要請という事で彼の執務室へと出向けば、その口からは意外な言葉が飛び出した。そのため、パチパチと瞬きをしながらロイドが聞き返せば、そうだ、と頷かれる。
    ここ数年は色々あり、そういった催し物どころではなかったのだが、再独立を果たし、クロスベル内に限れば、の話ではあるが情勢も幾分落ち着いているため、久々に賑やかな事をしたい。そこで思い付いたのが、収穫祭を兼ねた仮装パーティーという事らしい。
    そして特務支援課には、当日の場内での警備兼手伝いを頼みたいという事で、断る理由もないため二つ返事で引き受ける。
    となると次の話題は当然何の仮装をしようかという事だ。
    2830

    ゆきこ

    TRAINING支援課とセシル姉で、支援課に来たセシル姉に1日振り回されるロイド君というお題をいただいて書いたもの。セシル姉は結構難しくて、あの天然ほわほわ具合とか上手く表現出来ませんでした(泣)。振り回され具合とか色々物足りないなあと思うけど、これ以上思いつかなかったので今回はここまでという事にさせてください!
    今回ロイド君の口調はあえて零に寄せてます。セシル姉の前だと弟君が強く出るんじゃないかなと思ったので。
    「ねえ、ロイド。次のお休みの日に、支援課にお邪魔しても構わないかしら?」

    ロイドにとって姉のような存在であるセシルがそんな事を言い出したのは、支援要請を受けてロイド達がウルスラ病院に顔を出した時の事だった。近頃はアルモリカ村の療養所にいる事の方が多いのだが、この日はたまたま病院にいたらしい。
    彼女の突飛な言動にある程度慣れているメンバーだが、予想もしていなかった言葉にさすがに驚き、どうしてか、と尋ねれば、意外と(というと失礼だが)まともな答えが返ってきた。

    「だって貴方たち、ずいぶん忙しいんでしょう?だから、みんなのお仕事の様子をちょっと確認したいと思って」
    「いや、大丈夫だから、セシル姉…」
    「過労で倒れてしまったら元も子もないわ、ロイド」
    2769

    ゆきこ

    DOODLEエアスケブ4本目。くだらない事で喧嘩するロイドとランディと、仲裁しようと頑張るノエルとそれを見守るその他の面々の話。時期は碧の全員揃った後まだ比較的平和な頃でしょうか。
    リクは男性陣ということでしたがワジ君はこういう喧嘩には混ざりそうになかったので、結局喧嘩してるのはふたりだけになりました。
    短時間で書いたので色々荒いですが、読んだ方に少しでも楽しんでいただければ嬉しいです!
    くだらない事で喧嘩するロイドとランディの話支援要請の数も比較的少なく、またようやく全員揃ったメンバーにとって手配魔獣など敵ではなく。
    夕方、比較的早い時間に仕事が終わった後、それぞれくつろいでいたところで突如響き渡った大声に、エリィは驚いて一階へと下りた。
    するとキッチンの入り口では既に騒ぎを聞きつけて下りて来ていたらしいティオが中を覗いていて、その後ろからエリィも覗き込んだところ見えたのは、ロイドとランディが睨み合い、その間でノエルがおろおろとしている光景だった。

    「ねえ、ティオちゃん」
    「何でしょう、エリィさん」
    「今日の夕食当番って、確かロイドとノエルさんだったはずよね?」
    「ええ、そうです」
    「なら、どうしてこんな事になっているのかしら?」
    「それについては僕が説明してあげるよ」
    2017

    ゆきこ

    DOODLEエアスケブ2本目は初書きロイエリ(というか支援課+ロイエリ?)です。リクを見ててパッとネタが浮かんだので書いてみましたがどんなもんでしょう(汗)
    そもそも日頃ほとんど男女カプを書かないので、果たしてこれで良いのか? 大丈夫なのか? と今プルプルしてますが、せっかく書いたので上げてしまいます!
    ふたりの服装はHSのあれのような感じ(ただしエリィさんはもう少し露出は控えめ)かなと思います。
    わざわざ休みを合わせ、ロイドに買い物につき合ってもらう約束をし。今日はデートだと実家のクローゼットから可愛いワンピースを引っ張り出して、いつもより気合いを入れてメイクをしたエリィだったが、待ち合わせ場所に現れたロイドを見て思わずため息をつく。

    「はあ……」
    「え、エリィ? ため息なんかついて、どうしたんだ?」
    「……ねえ、ロイド。私ね、今日はデートだからと思って、頑張ってお洒落してきたの」
    「え? あ、ああ、とても綺麗だ」
    「ふふ、ありがとう。……なのに貴方の格好はいつもとあまり変わらないじゃない? もう少しお洒落して欲しかったなって、ちょっと思ってしまったの」
    「ぐ。……すまない、エリィ」
    「まあいいわ。貴方がそういう事に疎いのは良く知っているから。なら、そうね……」
    2620

    ゆきこ

    DOODLEタイトルまんま、支援課がわちゃわちゃっとしてるいぬの日に因んだらくがき。前に上げたねこの日を踏まえた話だけど、ねこの日にキーアに押しきられて全員(課長やツァイト含む)でねこみみをつけた事だけ押さえておけば読めるはず。なお今回はノエルとワジは欠席です(^_^;)
    初期面子でわちゃわちゃしてるの、やっぱり好きだなあ。人数的にも動かしやすくて丁度良いんですよね。またそのうち何か書けたら良いな!
    支援課でいぬの日の話 2022秋も深まってきた11月1日。
    この日も朝から忙しく支援要請をこなしていたロイドたちがビルへと戻ったのは、夕刻、もう日が沈んだ後の事だった。
    今日の夕食当番はロイドとティオだったが時間も気力もあまりなくて。少し寒いし簡単に鍋にでもしようかと話をしながら入り口の扉を潜れば、途端に4人の鼻孔を良い匂いがくすぐり。
    もしかして、と顔を見合わせた彼らがキッチンを覗けば、そこには予想通りエプロンをつけたキーアの姿があった。

    「おかえり、みんなっ! 疲れてるだろうし、今日はキーアがごはん、作ったよ?」
    「ただいま、キーア。助かるよ。帰りも遅くなっちゃったし、正直今日はあまり作る気力もなかったからな」

    にこにこと笑顔を浮かべるキーアとその頭をなでるロイドという何とも癒される光景に自然と全員が笑顔になり、その後和やかに夕食の時間は過ぎていったのだが。
    2254

    ゆきこ

    DOODLE支援課初期メンバーでツインテールの日らしいのでそういう話。最終的にはツインテールじゃなくなってますが(汗)
    この後、どこに行くかにもよりますが相手によって大笑いされたり可愛いって言われたりからかわれたりして散々な一日になると思います(それでも外さないし、もし魔獣の攻撃で外れでもしたらおこになる)
    その日、朝食の後片付けを済ませたロイドはミーティングルームで、目の前に広がる光景に目を瞬かせた。

    「どうしたんだ? みんな揃って髪を二つ結びにして」
    「ツインテール、ですよ、ロイドさん」
    「キーアちゃんがお揃いにしたいって言って結んでくれたのだけど。しなれない髪型は少し恥ずかしいわね」
    「いや、ふたりともよく似合ってる。とっても可愛いよ」

    ロイドの口から無自覚に放たれる言葉にはあ、とふたりはため息をつく。それに、何かおかしな事を言っただろうか、と首を傾げた後、少し言いにくそうにランディの方を向いたロイドは、疑問をぶつける。

    「……その、どうしてランディまでその髪型なんだ?」
    「んなの、俺の方が聞きてーよ」

    そう、女性陣だけでなく、なぜかランディまで髪をくくられ、更に可愛らしいリボンまでつけられていて。納得いかないのかぶすっとした表情で答えたランディがキーアに目を向けると、あっけらかんとした答えが帰ってきた。
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