Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    はまおぎ

    男女CP二次文
    📘https://www.pixiv.net/users/1154499
    📮https://wavebox.me/wave/7ia7akulf0gay9gt/
    💬@ysas_reed

    .

    ☆quiet follow Send AirSkeb request
    POIPOI 111

    はまおぎ

    ☆quiet follow

    ご+う

    やまびこ「ヤッホー歌姫」
     ひょうきんな声とともに五条が顔を出したのは、歩く庵の傍らにある窓の一つだった。窓枠に腕をかけて、ひらひらと手を振っている。庵は思わず足を止め、足を止めた己の反射に舌打ちをした。
    「挨拶もまともにできないの? アンタ」
     足を止めたからには、無視はできない。損な性分だが、庵はにやけ面に声をかける。
    「歌姫こそ。ヤッホーって言われたらヤッホーって返すもんだよ、普通」
    「返事が欲しければ山にでも向かって吠えてきたら?」
     呆れたように頬杖をつく後輩に、反射で嚙みついた。
     普通ってなんだよ、と思う。それで言うなら、歩いてる先輩を引き止めるのに「ヤッホー」なんて軽々しい呼びかけは使わないだろ、普通。
     変な義務感に駆られて五条に声をかけたことを、庵は早速後悔した。できる限り早く切り上げよう、と心に刻む。東京には任務のために来ているのだ、早く向かいたかった。
     任務先は埼玉・群馬県境の山中だと聞いている。庵はサポートで、メインの攻撃役にもう一人、準一級呪術師が招集された。その術師と補助監督に落ち合って、ブリーフィングをするのが今日これからの予定だ。東京校に着き次第、詰めている補助監督に声を掛けることになっている。現地への出発は明日だ。
    「山に行くのは歌姫じゃん。あ、一緒に任務行こって言ってる?」
    「来ないで」
     えーどうしようかなねじこもうかな、となんにも悩みを感じられない声に合わせて、五条が右に左に首を傾げる。全く、微塵も、かわいくない。パフォーマンスであると分かっていても、こんな態度の男が呪術界最強の術師だというのだから世も末である。
     ——そうだ。この男、指折りの呪力の持ち主だった。
    「……アンタがやったら何呼ぶか分かんないわね」
     きょとん、という表情で五条が庵を見た。
     戯れ程度の呼び出しでも、この男がちょっと狙えば妖怪モドキの仮想怨霊が一匹や二匹は釣れそうだ。下手なことをすれば何を引きずり出してしまうか、分かったものではない。
    「山彦、やっぱりやらないで」
    「すごい手のひら返し。じゃあ、歌姫がちゃんとお返事してね」
    「まともな挨拶なら、私だってまともに返すわよ」

    (2111141019)
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator