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    はまおぎ

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    はまおぎ

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    庵先生と反りの合わない五先生。
    地の文しかない、さらに言えば落としどころが迷子。

    反り 庵は先輩だの後輩だのといった立場を、五条に対してやけに声高に主張する。五条はそこに共感ができない。
     五条は生まれついての強者である。他の呪術師の経験の積み重ねなど、ひょいと一足飛びに踏み越えられる程度の、足元に転がるどんぐりたちの背比べでしかない。なんなら、少し動けば踏みつけそうにもなる。
     高専進学時に彼に与えられた『特級』という肩書が分かりやすく示している、歴然たる彼我の力の差。自分より年嵩であろうが経験値が高かろうが、彼らの扱える呪力も踏んできた現場の難度も結局、五条のそれを凌ぎうるものではなかった。
     年齢は関係ないのだ。経験を糧とせず腐らせて肥大しただけの耄碌した空蝉のような者もいれば、場数を重ねる中で目覚ましく技量を伸ばす若き実力者もいる。
     五条は、根腐れを起こして立ち枯れているものよりも、必死に根を張って枝葉を伸ばそうとするものにこそ水を与えたかった。成長する芽が腐った大木の陰になっているのなら、当然邪魔な木をのけてやるに吝かでない。幸い五条はそれを叶えるだけの力を、ソフト的にもハード的にも備えている。尊敬をもって、存分に力添えしようではないか。
     対して庵は、どんぐりの中にある。その庵がプライドと建前で肥え太った名ばかりの長老サマたちと関わらずに済んでいるわけもない。彼女が身を置く京都校のトップは、五条にしてみれば長老サマ側だ。それでもまだ現場寄りなだけマシな人物だが、思考回路はガッチガチにコンサバティブだと言っていい。
     先の特級任務での事故﹅﹅や交流会での虎杖に関する水面下での生徒への指示などは、想定はしていてもやはり腹が煮えた。おかげさまで虎杖が成長を遂げる足場となってくれたが。
     さて庵はというと、その企みの外側に置かれていた様子だった。
     庵とて十年以上、呪術師として活動してきたキャリアがある。その間低級呪霊と生徒たちだけを相手にキャッキャウフフと楽しく過ごしてきたわけではない。呪詛師を相手に大立ち回りを演じたこともあれば、上級の呪霊を相手取って生死の崖っぷちで踊ったこともある。ときには老獪な上層部の意を受けて世間にはおおっぴらにできない任務にも携わったと、五条は知っている。
     それでもなお庵は虎杖の対処﹅﹅から遠ざけられたのだ。下を守り育む庵の意思の強さを、京都の学長はよくよく知っているのだろう。
     庵の年功主義は下として上をあおぎ敬う以上に、上として下を包み庇護するものだ。若葉を愛でて、伸びるべき枝葉を見出し、サポートする。芽を摘んでしまおうとする輩が彼女の見守るまなざしを避けるほどに、ひたむきな姿勢で。
     五条が解せないと思うのは、そのまなざしがどうも五条にも平等に注がれているらしい、ということだった。呪いを見通す六眼と、無限を操る無下限呪術を持ち、呪術界に君臨する御三家当主の一角に座す現代最強の呪術師。それが五条だというのに、ただ己より年若いというだけで、どんぐりであるはずの庵は五条を後輩の位置に据え、その先達たらんとする。
     まあピンとこない。調子が狂うといったらない。その思考回路には、五条はどうしたって共感なんか抱けなかった。

    (2111171048)
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