恋(したごころ)と愛(まごころ)は紙一重「ッしゃあ! 俺の勝ちだ!!」
思わず、ゲームのコントローラーを投げ出してまで、両手で万歳をしていた。
一人暮らしの狭い1Kのフローリングに、コントローラーが落ちる。そのゴンッという鈍い音で、はたと我に返った。
今日は五月十五日。記念すべき、二十七歳一日目だった。そんな日に、社会人としてあまりにも幼い行動を取ってしまった。羞恥心で、顔から火が出そうだ。
やっちまった、と両手を挙げたまま硬直していると、隣から「ぶはっ」と吹き出す声が聞こえた。
「な、なんだよ……俺の勝ちに何か文句でもあるのか?」
笑われるようなことをしたのは自分だが、それでもやはり、笑われると反発心が湧く。コントローラーのコードを引っ張って手元に回収しながら、刺々しい視線を隣に向けた。
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