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    ヰ不🍀

    @kamuidaimon2551

    進捗とか呟くには長ったらしい妄想とか投げます。
    絵文字ありがとうございます🙏

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    ヰ不🍀

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    交際前提、甘くて優しい雰囲気の勝オル
    めっちゃ短い。
    時系列とかも考えてないです、お好きな時に当てはめてください。
    この前たまたま金平糖見た時になんか似てると思ったんです、爆豪の髪型に……トゲトゲツンツン具合が……。そこからできたお話です。

    金平糖の甘やぎ「……こんなもん、どこで買ってきたんだよ」
     爆豪は小さなガラス瓶を手に取って眉をひそめた。
     透き通る瓶の中には、色とりどりの金平糖が詰まっている。
     ピンク、黄色、緑、青。まるで星屑を閉じ込めたような、小さな砂糖菓子たち。
    「見かけた時にね。なんとなく、爆豪少年のことを思い出したんだ」
     その言葉に、爆豪は意味がわからねぇという顔で瓶をくるりと回す。
     中で金平糖がカラコロと音を立てた。
    「あんたには、俺がこんな小さくて甘ったるいもんに見えてんのかよ」
    「んー、なんというか」
     オールマイトはゆっくりと、穏やかに言葉を紡ぐ。
    「君の火花に、似ていると思ったんだ」
    「……は?」
    「君の爆破の火花は、いつも鮮烈で美しい。目を惹かれるんだよ」
     オールマイトの声は静かで、どこか慈しむような響きを帯びていた。ゆっくりと瞬きをして、爆豪の顔を見つめる。その瞳は柔らかく、迷いのない光を宿している。
     そのままオールマイトは微笑んだ。
     その笑みがどこまでもあたたかく、爆豪の胸の奥にじんわりと染み込んでいく。
     爆豪は思わず息を呑む。オールマイトにこんな風に見つめられることが、こんなにもまっすぐに言葉を向けられることが、どうしようもなく、くすぐったかった。
    「それに金平糖はね、時間をかけてじっくりと作られるんだ。芯に砂糖をまとわせて、何日も何日も転がし続ける。その過程で少しずつ成長し、唯一無二の形になる」
     爆豪は黙ってオールマイトの言葉を聞いていた。瓶の中の金平糖をぼんやりと眺める。
    「……俺が、それに似てるって?」
    「うん」
     オールマイトは爆豪の手からそっと瓶を取り、やわらかな手つきで蓋を開けた。
     ほのかに甘い香りがふわりと広がる。
    「時間をかけて、じっくりと成長する。君は、君にしかなれない形を作り続けている。そして、それは誰よりも美しい」
     そう言いながら、オールマイトは瓶の中から小さな金平糖を一粒つまみ、それを爆豪の口元へと差し出した。
    「……ほら、口を開けて?」
    「は……? おい、何して」
    「君にも、食べてほしいんだ」
     オールマイトの声音は優しく、穏やかだった。
     けれど、どこか懇願するような響きが混ざっていた。
     爆豪は息を詰まらせる。オールマイトの指先の金平糖は、小さくて、淡くて、火花のような形をしている。
     爆豪はオールマイトから視線を外すことも、拒むこともできない。
    「しゃーねぇな……」
     小さく悪態をついて、爆豪は口を少し開くと、舌にころんと小さな金平糖が転がり込んだ。
     爆豪はいつもならばすぐに噛んでいただろうが、今はなんとなくそんな気分にはなれなくて、ゆっくりと舌の上で転がす。
     口の中の熱で金平糖がじんわりと溶けていき、ゆっくりと、時間をかけて砂糖の甘さが広がる。
    「美味しいかい?」
     オールマイトの問いかけに、爆豪はそのまま視線を向けたまま、言葉を選ぶようにゆっくりと口を開いた。
    「……まぁな」
     特別美味いとも、不味いとも言わない曖昧な返事。
     ただ、目を逸らさなかった。
     逸らせなかった。
     爆豪の言葉に、オールマイトは微笑んだ。
     嬉しそうに、愛しそうに。
     爆豪は舌の上で溶けていく金平糖の甘さを感じながら、それがどこかオールマイトに似ていると、ふと思った。
     優しくて、温かくて、ゆっくりと心に染みていくような甘さ。
     すぐに消えてしまうのではなく、じわじわと広がって、長く、後を引く。
     なんでだろうな、と爆豪は思った。
     それがなんでこんなにも、オールマイトに似ているなんて。
     口の中でじんわりと溶けていく甘さ。こんな味、知っているはずなのに。
     けれど、今日はいつもよりも、ずっと優しく感じる。
     爆豪は、目の前のオールマイトを見つめた。
     柔らかく微笑む顔。自分をまっすぐに見つめる瞳。
     金平糖の甘さが残る唇を、そっと舌でなぞる。
    「……オールマイト」
     静かに、けれど確かに、その名前を呼んだ。
     オールマイトの表情がわずかに和らぐ。
    「うん?」
     短く返されたその声が、妙に心地よく響く。
     爆豪は静かに、そっと、オールマイトの唇に触れた。
     オールマイトの目が、わずかに見開かれる。
     触れるだけの、優しい口付け。
     確かめるような、それだけの触れ合い。
     温かくて、柔らかくて、溶けたはずの金平糖がまだそこに残っている気がした。
     わずかに触れた唇が、甘い余韻とともに、爆豪の中で静かに響いていく。
     すぐに離れたけれど、その瞬間、オールマイトの息がふっと漏れるのを感じた。
     オールマイトを見上げると、驚いたように瞬きをしてこちらを見ていたが、その表情はすぐにふっと和らいだ。
     ゆっくりと息を吐き出しながら、オールマイトは静かに言葉を紡ぐ。
    「……甘い、ね」
     ほんの少しだけ戸惑ったように、ふわりと頬に淡い朱色を滲ませる。
     オールマイトは金平糖を食べていない。
     それなのに、そう言った。
     爆豪は喉の奥がぎゅっと詰まるような感覚を覚えながら、オールマイトの顔を見つめ続ける。
     オールマイトはただ優しく微笑んでいる。
     その笑顔が、胸の奥にじんと広がる。
     まるで、さっき口の中で溶けた金平糖みたいに。
     
     Fin
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    Replies from the creator

    recommended works

    eyeaifukamaki

    PROGRESS愛をみつける
    ②と③の間の沢北side
    ネトフリ公式ので、萌え散らかしたww
    これ聞いて、ちゃんと深津さんに愛されてるよって思ってるけど、このさぁきたくんは相当自信をなくしておりますww
    ちなみに深津さんは沢北ファンの前では一緒にいないようにしてるので、深津さんと沢北ファンとの接点がなくて、みんな沢深推しなのに誤解されたまま。
    誤字脱字確認用
    『カズがノアとアシスタント契約を結んだらしい』

    それはチーム内でもすぐに噂になった。でも、誰もあまり驚かない。それは深津さんがそういう人材に適してる事を意味していた。まだ早いんじゃないかという意見も聞こえたが、概ね、みんな納得してこの事実を受け入れた。ただ、深津さんはみんなから好かれてる。

    「カズがいないと寂しい」
    「エージ、カズはいつ帰ってくるんだ」

    みんな口々に俺にそう言ってきて、深津さんの情報を聞き出そうとする。でも、そんなのは俺が知りたい。誰よりも深津さんは俺を避けている。これから深津さんの話を聞くことができるのは、俺以外の誰かから。

    なんで?
    どうして?
    俺が嫌だった?
    好きじゃなかった?

    でもよくよく考えたら、深津さんから好きって言われた事がない。高校の時に、俺から告白して、無理矢理体を繋げて、それで今までずっと上手くやってきたから忘れていた。行動で示してたつもりだったけど、馬鹿だな、俺は。深津さんの気持ちをちゃんと聞いたことがない。自分が頑張れば、深津さんは自分のものにできると、ずっと思って行動してきた。それはそれで間違ってはいないけど、それに言葉が伴ってない。深津さんの気持ちも聞いてないし、俺だって、最初の一度きりでそれ以来、ちゃんと気持ちを伝えてない。全部、何もかも、俺の勢いと想いだけで成り立っていた関係だった。だから、今になって、なんで?どうして?と、根本的な疑問しか考えられない。普通なら“好き”が大前提にあって、それとは別にここが嫌だとか、こうしてほしいとか、そういう具体的な問題が出てくるもんだ。でも最初から言葉が足りてないから、何が嫌なのかも分からない。頑張ることだけをやり続けていた俺には、追いかける術を持っていない。正直、これからどう対処すればいいのか、どう動けば正解なのか、全く分からない。動いたら動いたで、何もかも裏目に出そうで、それが原因で本当に深津さんを失いそうで、その恐怖が付き纏って何もできなくなってしまっている。深津さんがいなくなって、十日経ったあたりから、俺のファンも異変に気づき始めた。情報収集は俺より優れているから、もう、どういう状況かも把握している。心配そうに聞いてくるのを、困った顔で返す事しかできなかった。
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