奇跡との出会い(ノーマルエンド)ふと思った
私と君は本来出会うはずのない運命だったのではないかと
ループ毎に乗員の人数も配役もバラバラな世界
乗船している人の割合に差分がある事は薄々気づいていた
例えば、全てのループを100%とすると
ある乗員は乗船率70%(コメット)
他の乗員もバラバラに乗船率があるとしたら
(一覧で並んでいる)数字はイメージ
ジナ60%
SQ50%
ラキオ70%
ステラ70%
しげみち50%
シピ60%
ジョナス50%
ククルシカ70%
オトメ70%
沙明60%
レムナン60%
夕里子20%
君は、100%だろう
必ず、船に乗っている。何故なら君は、グノーシア騒動の最初の犠牲者なのだから
そして、私はおそらく1%未満だ
本来私は、このループする宇宙の中に一度しか現れない
……君が救ってくれた、あの世界だ
あの世界以外に、ループしてきた私以外の私の痕跡が残された世界は無かった
あの、グノーシア汚染者の居ない世界も同様に
あの世界でも、君は事故に巻き込まれて治療ポットに入っていたね
……でも、私は?
あの世界の船内に私は本来居ない
居てはならないんだ。きっとあの世界の私は、別の場所に居るから
……もう、わかっただろう?
セツ「私は……この世界から出ていかなくてはならないんだ」
セツ「本当は君も……とっくに気づいていたんじゃないか?カラン」
カラン「……ッ」
カラン「セツと私は、本来出会う存在じゃない……」
カラン「だって、セツがいる唯一の世界でも私は……セツに出会う前に、グノーシアに消されてしまうから」
カラン「それに、今まで私はグノーシアに襲われていたから二重存在が起きなかった。でもセツは……セツは二重存在の問題そのものが起きたことが無い……」
どの世界でも、セツは乗船していないから
カラン「でも、だからって……セツと私が出会うことが間違いだなんて思いたくないッ!」
カラン「セツと私の出会いが、歪みだなんて思いたくないよッ!!」
セツ「私は、」
セツ「カランとの出会いを間違いだとは思っていない。カランに会えて、本当に良かったと思っているよ」
セツ「……でも、この世界にとってこれは最大の歪みなんだ。今まで散々、歪めてしまった。
……ふふっ、ループというのは、この代償なのかも知れないね」
カラン「ハハ……それなら、喜んでループするよ……罰でも何でも受ける……だから……」
セツ「だから終わらせたいんだ、ループを。
この世界を歪めたまま、私たちが出会ったまま」
セツ「ここでお別れになってしまうけれど……私は、今までの記憶を無かったことにはしたくないんだ」
セツ「今までありがとう、カラン」
(扉の閉じた場所)
ねぇ、セツ……
(カランの頬)
もしかして貴方は……私の大切な人は、ラキオだけだと思っているの?
(つたう涙)
一番長く時間を、運命を共にした貴方に対して……なんの感情も抱いていないと?
(カランは、その場で座り込み声を押し殺して泣いた)
そうだとしたら貴方は……なんて残酷な人、なのだろう
カラン「ぅっ……ぁ……あぁ……っ……」